photo

トップが語る、「いま、伝えたいこと」

このページでは、舩井幸雄が(2014年1月19日の舩井幸雄の他界後は舩井勝仁が)いま一番皆様に知ってほしい情報をタイムリーにお伝えしていきます。
毎週月曜日定期更新
2015年6月1日
ヨルダン川での体験 (※舩井勝仁執筆)

 今週も、イスラエルの旅についての気づきを書きたいと思います。
 旅は同じ場所に訪れる度に、新たな感動とおののきに襲われます。神様から与えられる啓示なのでしょうか。旅の中盤、団長の赤塚高仁さんやガイドのバラさんの案内でイスラエルのヨルダン川を中心に回りましたが、聖書の中に出てくる色々な物語の背景にある、深遠の淵を歩くような旅でもありました。

 ヨルダン川は、ヘルモン山(標高2814m)などの山々が連なるアンチレバノン山脈やゴラン高原(シリア高原)などに端を発して、昨年の私の旅行記でも書きましたガリヤラ湖となって北から南へと流れ様々な支流とあわせて死海へと注ぐ延長425キロメートルの世界の歴史に刻まれている河川です。源流のひとつである、ピリポ・カイザリアにもこの旅で連れて行ってもらいました。
 現在は主としてヨルダンとイスラエル・パレスチナ自冶区との国境になっていますが、この地域一帯(乾燥地帯)の貴重な水資源になっています。

 ご存知の方も多いと思いますが、『新約聖書』によれば、洗礼者(バプテスマの)ヨハネがイエスに洗礼を授けたのがこのヨルダン川です。ヨハネは、このヨルダン川の畔の「荒野」で、“悔い改め”を民衆に迫って洗礼活動をおこなっていました。イエスは自らの洗礼を受けたのち、ヨハネが創始した活動に参加しますが、やがてヨハネの教団から離れてガリラヤへの宣教に旅立つことになります。

 ダビデの滝(エンゲディの荒野)では、旧約聖書のサムエル記の話を赤塚さんに解説していただきました。
 有名な“正しいことを行う時が来た時に、手段を誤って目的を達成させてはいけない”話です。

 イスラエル初代の王サウルはダビデを探していました。自分の存在を脅かす政敵になる可能性が出てきたダビデを殺すためです。エンゲディの荒野にはたくさんの洞穴があります。3000人の精鋭を連れた王はある洞穴に入りましました。

 聖書にははっきりとは書かれていませんが、古代ユダヤの事情を知っている人が読めば、用を足すために洞穴に入ってきたのです。そしてたまたま王が1人になっていた瞬間、ダビデの部下が王を認めます。その穴こそ、ダビデたちが隠れていた洞穴だったのです。
 暗がりでお尻をこちらに向けている王はダビデたちに気がつきません。ダビデの部下はまたとない機会、王を殺してしまいましょうとダビデに進言します。しかし、ダビデは目の前にあるサウル王の長い上着の裾の部分をこっそり切り取っただけでした

 ダビデは、裾を切ったことにも心を痛め、外に出たサウル王に対して地面にひれ伏し、切り取った布を見せながら、「サウル王、私は神が王として選んだあなたを殺しなどしない。それなのに、あなたはこれからも私の命を狙うのでしょうか」と言いました。

 彼の忠誠を知った王は、ダビデにこれまでのことの許しを請いました。そして、やがてダビデを自分の次の王にするのです。

 義憤に駆られて、裁きをしてはいけない。主にゆだねて本当に正しい流れへの導きを待つ……という教えは、父 舩井幸雄の「包み込みの発想」にも通じているように思いました。

 ヨルダン川では、私自身の小さな“聖なる体験”をすることになりました。
 それは、旅の前日に友人から持っていくように言われたお守りのペンダントをヨルダン川に浸した瞬間です。
 普段はイエスがバプテスマのヨハネから洗礼を受けたと言われている場所は、そこで沐浴をしようというキリスト教徒たちで大変な賑いです。でも、運転手さんにそこに行くことを伝え忘れたバラさんがガイドに熱心になっていて通りすぎてしまい、引き返した時は、クローズの時間が迫っていました。
 運転手さんが私たちは日本人の団体でキリスト教徒ではないので、沐浴しないからすぐ終わると言ってくれたおかげで入れてもらうことができました。そんな理由で、川のそばにいるのは我々ツアー一同だけになりました。川のすがすがしい空気を吸い込む人、ちょっとした瞑想を始める人、それぞれが、思い思いに聖なる空間と向き合っていました。
 私は、持っていたペンダントを右手に隠し持ち、静かに川の流れに浸したのです。とても長い時間を経過したように思いましたが、数分後でしょうか、手にしたペンダントが急に重くなって、微かに回り始めたのです。
 私は左手を添えて。両手でしっかりと持ちました。川の中に引き込まれるようなペンダントの重さを感じたのです。
 そして川の底から声でない『声』、語りでない『かたり』が聞こえてきたのです。
  
 “あなたは今どこにいるのか”

 と、私は心のなかで、“今ここにいます”と呟きながら答えたようです。
 すると、“あなたのあしもとには何があるのですか”と問われたのです。

 “いのちの土台があります”
 と答えました。とても素直な気持ちでした。
 すると、“あなたの周りには大勢のいのちをいだきながらあなたの同志があなたと一緒に暮らしています。大事にしなさい。今、この、いのちを抱きなさい”と。

 私はしばし立ち上がることができませんでした。何もかも尊い時間の経過のなかに我を忘れていたのです。イスラエルの旅での気づきはまだまだ続きます。
                                           =以上=

バックナンバー
2015.06.29:【いま 一番知らせたいこと 、言いたいこと】共時性 (※舩井勝仁執筆)
2015.06.22:【いま 一番知らせたいこと 、言いたいこと】聖書と古事記 (※舩井勝仁執筆)
2015.06.15:【いま 一番知らせたいこと 、言いたいこと】舩井フォーラム2015 (※舩井勝仁執筆)
2015.06.08:【いま 一番知らせたいこと 、言いたいこと】最近読んで参考になった本 (※舩井勝仁執筆)
2015.06.01:【いま 一番知らせたいこと 、言いたいこと】ヨルダン川での体験 (※舩井勝仁執筆)
数霊REIWA公式サイト 佐野浩一 本物研究所 本物研究所Next C nano(ネクストシーナノ) 成功塾説法 舩井幸雄動画プレゼント 高島康司先生の「日本と世界の経済、金融を大予測」 メールマガジン登録 舩井メールクラブ 佐野浩一note