“超プロ”K氏の金融講座

このページは、舩井幸雄が当サイトの『舩井幸雄のいま知らせたいこと』ページや自著で、立て続けに紹介していた経済アナリスト・K氏こと
朝倉 慶氏によるコラムページです。朝倉氏の著書はベストセラーにもなっています。

2024.06
熱波と豪雨 加速する地球温暖化

「大巡礼(ハッジ)での死者は1300人を超えた」
 6月23日、サウジアラビア当局の発表に世界は驚愕しました。何と最高気温51.7度という想像を絶する酷暑の中、イスラム教の聖地メッカに向かう巡礼で、熱中症で体調を崩す人が続出、死者が多数出たと言うのです。メッカに向かう大巡礼はイスラム教徒の義務の一つとされていて、財力と体力のある人は生涯に一度は行うべきものとされています。今年の巡礼は約180万人が参加すると言われているのです。その聖地メッカに向かう道でかような酷暑となって被害が広がってしまったのです。サウジアラビア当局は「死亡した1300人のうち83%が無許可の巡礼者で、長時間直射日光を浴びて歩いていた」とのことで、巡礼は登録制でありサウジアラビア当局としては巡礼者に対して冷房設備を完備した施設を用意していたが、無登録者は対象外であって、彼らの分まで施設を用意していなかったということです。イスラム教徒にとってまさに命がけの巡礼ですが、いくら中東地域であってもかような酷暑が襲ってくるとは予想できなかったものと思われます。この事件は悲劇と言えるでしょうが、それだけ地球温暖化の勢いはわれわれの想定を超える勢いで加速しつつあるということでしょう。

●今年の夏はかつてないほどの「沸騰」した地球・・?
 現在米国では各地で記録的な暑さとなって最高気温の記録更新が相次いでいます。米国は足元の状況について<ヒートドーム>が猛威を振るってきたと解説しています。<ヒートドーム>とは上空の高気圧が熱い空気を押し上げてドームのような形を作り、熱を閉じ込める現象を言います。いわゆる熱波と異なって数日から数週間続くことがあるわけです。まるで日本の線状降水帯のように、熱波が留まって限りなく熱い状態が一定の地域で延々と続くというわけです。
 サウジアラビアも米国も現在の世界の圧倒的な暑さを示している一例でしかなく、既に世界全体は昨年2023年の記録的な暑さを上回って、今年はかつてない沸騰した地球を体験することとなるでしょう。

 気候変動の混乱は熱波だけでなくこれが天災を引き起こして、人びとの生活が破壊される可能性も出てきています。熱帯性暴雨が発生して強烈な雨が長時間に渡って襲い掛かるケースや、洪水の発生、山火事など、世界全体を覆う異常気象の悪影響は数えだしたらきりがありません。
 日本でも今年は1月1日、まさに元旦に能登地震の発生となりましたが、今年の後半も日本でも想定を超える気候変動による混乱が生じる事態の発生もありうると構えておいた方がいいでしょう。
 日本の今年の猛暑は異常事態に発展していきそうです。気象庁は6月25日、7月から9月までの3カ月予想を発表しましたが、それによると今年は昨年を上回る暑さとなる見通しで、7月中旬までに全国的に梅雨明けとなるということです。そして梅雨明け後は35度を大きく超える暑さが到来する可能性が高いと言うのです。もはや40度が当たり前の夏が到来するかもしれません。そして気象庁によればその暑さは9月まで続くというのですから、今から熱中症対策をしっかり用意しておく必要があると思われます。
 暑さも深刻な脅威ですが、更に豪雨や洪水の被害も暑さの後に襲ってくる勢いです。今年の5月までの世界の状況をみますと、悲惨なこととなっています。
 世界各地が大混乱に見舞われているのです。アフリカ東部のケニアや南米ブラジルではダムが決壊しました。中国南部では高速道路が滑り落ちてしまいました。ドバイでは空港が冠水して、社会機能がマヒしてしまいました。
 とにかく降雨量が尋常ではないのです、ケニアなどの東アフリカ諸国では4月に100-500ミリの雨が降りました、もともとこれらの地域は雨が多く降る地域でなく、通常の6倍近い雨に見舞われた地域も多々あったのです。ケニアの首都ナイロビでは7日間で300ミリの雨が降ってダムが決壊してしまいました。ダムが決壊すればあっという間に水が押し寄せてきますから、町など水に覆われてしまいます。現実にナイロビの町は多くの土砂に埋まってしまいました。
 ドバイのケースも悲劇で、ドバイでは1日で250ミリ以上の雨が降りました。これはドバイの年間の降水量1年分の降雨です。1日で1年分の雨が降っては社会インフラが持つわけがありません。日本でも酷いケースが多々ありますが、せいぜい1カ月分の降雨が1日で降るようなケースでしょう。1年分が1日で降ってしまったら、日本国土など壊滅してしまいます。しかしドバイという砂漠地域で現実にそれが起こったわけです。本来雨が降らない地域で大雨が降り、雨が降る地域は全く雨が降らず干ばつになっています。そもそもダムなどは従来の降水量に基づいて作られていますから、想定を何倍も超える事態が突如生じては、対応できるはずもありません。それが世界各地で断続的に起こってくるのですからたまりません。
 人類の滅亡までの時間を象徴的に示す<終末時計>は今年の初め<90秒>と発表されました。ロシアによるウクライナ侵攻やパレスチナとイスラエルの戦争、それに伴う核兵器の脅威、そして気候変動、更にAIの脅威などが指摘されています。終末時計を発表している米誌<ブレティン・オブ・ジ・アトミック・サイエンティスツ>のブロンソンCEOは気候変動について「2023年は観測史上最も暑い年に見舞われ、温室効果ガス排出量も増加を続けており、世界は未知の領域に入った」と指摘していましたが、まさに今年2024年の世界の気候変動はその予言通りに進んでいます。ブロンソン氏は「世界の紛争のホットスポットは核の脅威がエスカレートする脅威をはらんでいるほか、気候変動は既に死や破壊を引き起こしている。AIや生物学的研究といった破壊的なテクノロジーは安全策を上回るペースで進歩している」と止まらない深刻な脅威の広がりに対して警鐘を鳴らしています。

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暴走する日銀相場『大恐慌入門』(2008年12月、徳間書店刊)に引き続き、『恐慌第2幕』(ゴマブックス刊)が2009年5月に発売。その後 家族で読めるファミリーブックシリーズ『日本人を直撃する大恐慌』(飛鳥新社刊)が同年5月30日に発売。さらに2009年11月には、船井幸雄と朝倉氏の共著『すでに世界は恐慌に突入した』(ビジネス社刊)が発売され、2010年2月『裏読み日本経済』(徳間書店刊)、2010年11月に『2011年 本当の危機が始まる!』(ダイヤモンド社)を、2011年7月に『2012年、日本経済は大崩壊する!』(幻冬舎)を、2011年12月に『もうこれは世界大恐慌』 (徳間書店)を発売、2012年6月に『2013年、株式投資に答えがある』(ビジネス社)を、2012年10月に朝倉慶さん監修、ピーター・シフ著の『アメリカが暴発する! 大恐慌か超インフレだ』(ビジネス社)を発売。2013年2月に『株バブル勃発、円は大暴落』(幻冬舎)を、2013年9月に『2014年 インフレに向かう世界 だから株にマネーが殺到する!』(徳間書店)を 、2014年7月に『株は再び急騰、国債は暴落へ』(幻冬舎)を、2014年11月に舩井勝仁との共著『失速する世界経済と日本を襲う円安インフレ』(ビジネス社)を発売、2015年5月に『株、株、株!もう買うしかない』を発売、2016年3月に『世界経済のトレンドが変わった!』(幻冬舎刊)を発売、最新刊に『暴走する日銀相場』(2016年10月 徳間書店刊)がある。

★朝倉慶 公式HP: http://asakurakei.com/
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Profile:朝倉 慶(あさくら けい)

K朝倉慶経済アナリスト。 株式会社アセットマネジメントあさくら 代表取締役。 舩井幸雄が「経済予測の“超プロ”」と紹介し、その鋭い見解に注目が集まっている。早い時期から、今後の世界経済に危機感を抱き、その見解を舩井幸雄にレポートで送り続けてきた。 実際、2007年のサブプライムローン問題を皮切りに、その経済予測は当たり続けている。 著書『大恐慌入門』(2008年12月、徳間書店刊)がアマゾンランキング第4位を記録し、2009年5月には新刊『恐慌第2幕』(ゴマブックス刊)および『日本人を直撃する大恐慌』(飛鳥新社刊)を発売。2009年11月に舩井幸雄との初の共著『すでに世界は恐慌に突入した』(ビジネス社刊)、2010年2月『裏読み日本経済』(徳間書店刊)、2010年11月に『2011年 本当の危機が始まる!』(ダイヤモンド社)を、2011年7月に『2012年、日本経済は大崩壊する!』(幻冬舎)を発売。2011年12月に『もうこれは世界大恐慌』(徳間書店)を、2012年6月に『2013年、株式投資に答えがある』(ビジネス社)を、2012年10月に朝倉慶さん監修、ピーター・シフ著の『アメリカが暴発する! 大恐慌か超インフレだ』(ビジネス社)を発売。2013年2月に『株バブル勃発、円は大暴落』(幻冬舎)を、2013年9月に『2014年 インフレに向かう世界 だから株にマネーが殺到する!』(徳間書店)を 、2014年7月に『株は再び急騰、国債は暴落へ』(幻冬舎)を、2014年11月に舩井勝仁との共著『失速する世界経済と日本を襲う円安インフレ』(ビジネス社)を発売、2015年5月に『株、株、株!もう買うしかない』、2016年3月に『世界経済のトレンドが変わった!』(幻冬舎刊)を発売、最新刊に『暴走する日銀相場』(2016年10月 徳間書店刊)がある。

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