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このページでは、舩井幸雄が(2014年1月19日の舩井幸雄の他界後は舩井勝仁が)いま一番皆様に知ってほしい情報をタイムリーにお伝えしていきます。
毎週月曜日定期更新
2016年12月5日
中国の消費マーケット (※舩井勝仁執筆)

 OPEC(石油輸出国機構)の減産合意が報道されたことで、トランプ効果に拍車がかかり、日経平均は年初来高値を更新しました。新聞紙上などでは強気、弱気の見方が交錯しています。私はなんとなく4年前にやっぱり年末に総選挙があって、選挙の結果が出る前から安倍総理になることがほとんど確定していて、それにつれて株式相場が上がった時と似たパターンで相場が上がっているような気がします。
 経済評論家の朝倉慶先生がFacebookで、日本で強気派は朝倉先生だけだと書いていましたが、私もなかなか懐疑感がぬぐえないでいます。予測はしない方がいいというのが、究極の父の気持ちだったので、短期的な見方は分かりませんが、多分日本人が悲観で動いている間は大丈夫で、楽観が広がった時に暴落が始まるのかもしれません。ヘッジファンド等の投機筋にとってはトランプ次期大統領の動向はいままでよりも読みやすいような気がします。そうだとすると、やっぱり慎重な方が無難だと思えてしまうのですが、朝倉先生に怒られてしまいそうです。

 アメリカの大統領選の結果はいろいろな国、さまざまな人に価値観をつきつけられるものとなりました。私は政治の素人であるトランプ氏が米国の実権を握るようになると、対中国の関係において、中国は喜んでいるのではないかと思っております。トランプ氏の地政学のスキルはまだまだこれからで、複雑な中国の領土領海問題にじっくり腰を据えてとりかかる、という段階にはしばらくいかなさそうです。
 また、イラクのフセイン大統領、ロシアのプーチンなど、独裁者好きをあからさまに公言しており、中国の独立外交にも建前上はともかく、内心嫌悪感は持っていなさそうです。このあたりのことも、しばらくは中国に有利に働くのではないでしょうか。そして、世界のリスクを考える上で中国の政治経済体制がどうなっていくのだろうという点は常に大きな問題をはらんでいると思います。中国の動向を知りたくて、先月1泊2日だったのですが何とか時間を取り、上海に行ってきました。

 父が船井総合研究所の前身の日本マーケティングセンターを設立したのは1970年になります。父はその頃から中国ビジネスに注目していましたが、船井総研は2012年満を持して、海外法人船井(上海)商務信息諮詢有限公司を設立しました。父のいた頃より、すぐれた手腕で船井総研の戦力だった中野好純さんが総経理(社長)をつとめておられます。
 その中野さんが『中国市場で日本の商品を「高く売る」ためのマーケティング戦略』(総合法令出版)を上梓されています。経済成長力が年10%を超えるような勢いはもう無くなった中国ではありますが、年々中国の物価は上がっていますし、海外に足を運び、いいものを貪欲に求める中国人の消費行動は、豊かさを希求する大きな変化とみていいのではないでしょうか。日本では爆買いが減ってきたなどの報道で、中国バブルもこれまでか、というムードもありますが、日々、数々の中国ビジネスをみておられる中野さんは、米国につぐ巨大市場の中国はまだまだ成長してゆくと予測しています。上海で中野さんに会って、少し洗脳されているのかもしれませんが、少なくとも上海の消費マーケットのポテンシャルにはまだまだ魅力的なものがあると感じました。

 船井総研の上海のオフィスにも立ち寄らせていただいたのですが、中野さん以外は全員中国人の社員でみんな若くてとても活気がありました。上海に進出している日本企業で利益を出せている会社の割合はかなり少ないと言われていますが、なかなか現地化が進まずにいつまでも日本の本社の指示を仰がなくてはいけないシステムがスピードが早い上海のマーケットで勝てない大きな原因になっているようです。もちろん、日本的なやり方の良さもあるのですが、郷に入っては郷に従うことの大切さも感じました。

 中野さんの本の第2章の「中国を『見える化』する方法」などは、まさに舩井幸雄および船井総研の真髄で、しっかりした原理原則があれば、そのマーケットに合わせてカスタマイズしていけばいいのだな、と改めて意を強くして読むことが出来ました。また、10年後でもしっかりと通用する手法を厳選されているところに、「日本でのビジネス時代のことは書くのは控えてきた。理由は最先端の情報を発信しないとコンサルタントとして意味が無いから」という中野さんのビジネスパーソンとしての誠実さがよく出ている本だと好感を持ちました。
 中国人の消費者を理解するキーワードから、市場の戦略パターンまでしっかりと書かれていて、国のマーケットを理解すると、世界の中での中国の立ち位置も見えてくる学びの多い1冊でした。日本から見た中国のビジネス的な位置づけが製造拠点から、未だに大きく成長し続けている消費マーケットになってきたことが中野さんの本を読ませていただいて、さらに実感できる小旅行になりました。中国ビジネスを視野に入れている方だけでなく、わかりやすく中国を理解したい方にぜひおすすめしたいなと思いました。
                                           =以上=

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