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このページでは、舩井幸雄が(2014年1月19日の舩井幸雄の他界後は舩井勝仁が)いま一番皆様に知ってほしい情報をタイムリーにお伝えしていきます。
毎週月曜日定期更新
2017年12月4日
中国がいつまでたっても崩壊しない7つの理由 (※舩井勝仁執筆)

 日本の株式は22,000円台半ばで推移していて、ちょうどいまの企業の利益水準にあっている心地の良い状態だという話を聞きました。いまの流れで行くと1年で10%程度の増益が全体としては期待できるので、来年は25,000円程度を目指す流れになるとバブルではなくちょうどいい水準だというのです。
 朝倉慶先生が当HP内【“超プロ”K氏の金融講座】でおっしゃっているように年金基金が株式のポートフォリオを上げたおかげで大きな黒字を出しているそうです。
 同様に日銀が異次元の金融緩和で買い続けているETFもかなりの評価益が出ていることだろうと思いますので、さすがにバブルの崩壊から30年近くが経った日本人もそろそろ株式を購入するべきタイミングがきているのかもしれません。ただ、前述のようなPER(株価収益率)が15倍前後で推移するという基本的な見方で上げていくというぐらいがちょうどいいと思います。

 いつも書いていますが、それに対してアメリカはアップルやアマゾンやグーグル、フェイスブック等いまでも時価総額が大きな会社の株価がまだまだ上がるのだろうと言われています。これが、アメリカ株が史上最高値を更新している大きな理由で、これらの会社がますます好業績を上げるであろうことは容易に予想されるので理屈はあっているということになります。日本はこれらの会社に相当する会社がソフトバンク1社しかないことが弱みなのかもしれませんが、やっぱり少し危うい気がしますので、いまの日本のペースぐらいが個人的にはいい感じだと思っています。
 それよりもびっくりするのは、ビットコインの価格が1万ドルを超えたということです。年始から比べても10倍以上になっています。まだ上がる可能性は高いとは思いますが、こちらは、先週紹介したようにある意味バブルの域に突入してしまっていると感じていますので、上手く逃げていただければと思います。参入するのなら説明がつく(ビットコインの場合、まだコンセンサスのとれた価格形成のロジックはないようですが)水準まで下がってからの方がいいのかなと思います。
 投機(博打)が大好きな方には、おすすめかもしれませんが、いまのバブルは日本人が形成しているようですが、ビットコイン・バブルをここまで膨らませた大きな原因はやっぱり中国だと思いますので、中国の行方には金融マーケットを考える上でも目が離せないと思っています。

 1か月前の話になりますが、ビジネス社から刊行されている富坂 聰著『中国がいつまでたっても崩壊しない7つの理由』を「ザ・フナイ」で副島隆彦先生が取り上げておられたので、読んでみました。富坂氏はどちらかというと中国の先行きは明るくないという論調の本を出されていたのですが、本書では習近平総書記の手腕が予想されていた以上にすばらしく、庶民からも大きな支持を受けていることを考えれば、明るいのだと見なければいけないという論調に変化されているのです。

 本書の冒頭(はじめに)にも記されていますが、最近刊行される「中国本」は、ほとんど「中国崩壊論」です。今回、この本を読んだあとに国際情報に詳しいインテリジェンスの先生と意見交換をしました。私も、その先生も、中国の今後は、多少の浮き沈みはあるにせよ、「中国崩壊論」には異を唱える気持ちです。2人とも父・舩井幸雄が生前によく言っていた「中国台頭論」に賛同しています。なぜ、こんなに「中国崩壊論」が花盛りなのでしょうか。
 もっとも父は副島先生とは違って、世界の中心が中国になっていくことはないという意見で、副島先生が中田安彦氏と共著で出された『世界権力者図鑑2018』(ビジネス社)(この本のことは先週のにんげんクラブHPでも説明しました)で言い切っているように、「次の世界皇帝は習近平で決まり!」だとは思っていなかったように感じますし、私も希望的観測も含めて日本が中国の属国になっている状態は想像したくないと思っています。
 話を戻すと「中国崩壊論」が盛んになったのは、GDP(国内総生産)の額が日本の額を中国が凌駕し始めた2010年頃からあるように思われます。本書のなかで述べられている「現状、多くの日本人が中国経済の崩壊予測を面白がっていられるのは、自らに悪影響が及ぶことなく「憂い」だけが取り除かれる未来を、どこかでイノセントに信じているからだろう。おそらく、それが、隣国・中国の存在感が肥大化してしまったという『認めたくない現実』から逃れる、ひとつの『ストレス解消法』だからだ」の箇所が印象的でした。
 超プロの先生は、「この一文に見られる“日本人の憂い”は嫌中感情の正体と思われますが、日本人はそろそろこのような思惑から卒業すべきではないでしょうか。中国の自滅やアメリカの抑え込みといったいわゆる『他国頼り』から適切な距離をとって、日本としての中国に向き合う姿勢を選択実行しなければならない『時』の到来ではないでしょうか」とおっしゃっていました。
 本書の中の、米中関係の変化/大衆の不満と現状認識腐敗キャンペーンの真相/内需の拡大/中国崩壊への危機感/国改と軍改/習近平の野望/あたりが、中国の現状をとてもわかりやすく明晰に書かれていたので、日中関係のあり方を考える上で大変読みやすいおすすめの1冊です。

 ちなみに、父が2012年に書いた中国についての未来予測の過去記事を見つけました。(http://www.funaiyukio.com/funa_ima/index.asp?dno=201212003) 大事なポイントは、「いずれにしても今年から10年の中国は、おおいに注目に価すると思います。(中略)いまのところ、決めては中国の出方にかかっていると思います。」
 5年前の父の見方が本質をついていることが分かります。
                                            =以上=

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