トップが語る、「いま、伝えたいこと」
アメリカの株価は大きく下げた後、かなり戻しました。原因はFRBのパウエル議長が講演で遠回しな表現ですが、利下げを示唆したのではないかと言われていることです。実際に市場では10年国債の金利が3ヵ月国債の金利よりかなり低くなっていて、長短金利の逆転が起きており、FRBに利下げを催促する状況が続いています。アメリカが利下げするとなると、為替が円高になると見込まれていて、これは日本の株式にはマイナス要因になるので、日本株はアメリカのようには上がってきていません。
また、ヘッジファンド筋などが期待していたと言われている2万円割れの水準には至っていないことも、日本株が買い上げられない原因になっているのかもしれません。いつも感じることですが、山が高ければ谷も深いので、長い目で見れば日本人投資家にとっては、置いてけぼりの状態が実は心地のいい状態を作っているのかもしれません。
もし年内にFRBが利下げに舵を取ることになると、懸念されているのが、景気を十分刺激するだけの利下げのバッファー(緩衝)があまりないことです。本来であればもう少し金利を上げておいて、それで景気後退に備えたかったというのがFRBの本音だと思いますが、トランプ大統領のプレッシャーに負けてしまって中途半端な状態での方針転換に追い込まれているようにも感じます。一方の日銀はほとんど金利を上げられない状態が続いていて、それでも景気が悪くないことから、アメリカで言われ始めているMMT(Modern Monetary Theory:現代金融理論)が有効な根拠にされています。
MMTとは財政赤字容認論です。アメリカや日本のように通貨発行権を持つ国で、自国通貨建てで国債を発行できる国は、いくら借金を増やして財政赤字を積み上げても問題ないのではないかと考える理論です。ほとんどの経済学者やエコノミストはとんでもない暴論だという意見ですが、実際に日本はこれだけの財政赤字が積み上がっているのに、10年国債の金利がマイナス0.125%(6月6日、18時2分現在)という価格が非常に高い状態になっています。
これは絶対に暴落するだろうと考えたヘッジファンドが空売りを仕掛けても、もしかしたら米ドル以上の安全通貨と見られていることもあり、日本の中で一番安全な国債の価格は金利がマイナス圏という常識では考えられない水準で推移しているのです。安全な資産運用の道がなくなる邦銀にとっては大変な事態で、地銀の合併の動きが早まるのではないかという見方は出ていますが、マクロで見るといまのところ大きな問題になっていません。
FRBが利下げの余地がなくなって金利も上げられない状態になっても、マーケットが平穏無事に推移すれば、いまはトンデモ理論と見られているMMTも見直されるのかもしれません。
新しい三田の事務所もおかげさまでスッキリと落ち着きました。私はほとんど引越しの作業には関わらず資料や本を思い切って捨てたぐらいの作業しかしませんでしたが、スタッフのサポートのおかげで、集中して仕事のできる空間になりました。私の執務室で、日々目をやって心癒されているのが、書家の小林芙蓉先生が引越しのお祝いに送ってくださった額装です。人という文字がいくつか象形文字で書かれているのですが、活力とたおやかさを感じる素敵な作品です。
小林芙蓉先生が書の奉納をされた兵庫県西宮市の甲山にある神呪寺に、5月18日に行ってきました。「日本三大如意輪」のひとつとして知られる神呪寺の秘仏本尊・如意輪観音坐像の年に一度のご開帳があり、当日は世界的なネイティブ・アメリカン等の楽器の演奏家として名高い友人の岡野弘幹さんの奉納演奏も素晴らしく、私の心の目が開く、今年のターニングポイントになるひと時でした。
その際に直会で、芙蓉先生が3月20日に行われた「水鏡」の意味を量子論で説明する話をさせていただき、物理を分かりやすく説明することはずっとライフワークの1つだったのですが、自分でもとてもまとまった良い話ができたように思えました。このことは、来週のこちらのコラムにぜひ書かせていただきたいと思います。
小林芙蓉先生とホツマのいときょう先生に出ていただく、にんげんクラブ主催の夏越の祓のイベントが、6月30日に麹町であります。迫力ある揮毫も見ていただけますし、この時期に芙蓉先生のすばらしい気をいただけることはとても幸運なことだと思います。暦の節目になる初夏らしい心洗われる催しになりそうなので皆さんぜひご参加ください。
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2019.06.17:【いま 一番知らせたいこと 、言いたいこと】愛の宇宙方程式 (※舩井勝仁執筆)
2019.06.10:【いま 一番知らせたいこと 、言いたいこと】夏越の祓 (※舩井勝仁執筆)
2019.06.03:【いま 一番知らせたいこと 、言いたいこと】元祖ユダヤ研究家 (※舩井勝仁執筆)