トップが語る、「いま、伝えたいこと」
株価が上がってきています。ちまたの予想では高値恐怖症でそろそろ急落するのではないかという見方が強いのですが、結局は株以外にお金の行き所がないということなのか、株が買われているようです。その反動でというか、ごく自然の流れですが国債の利回りが上がってきています。とはいっても、10年国債でまだマイナス金利の水準ですが、信用されていなかった日本株もようやく債権を売って買ってもいいと一部の投資家が思い始めた予兆かもしれないとは感じています。
このタイミングで副島隆彦先生がご著書「米中激突 恐慌-板挟みで絞め殺される日本」(祥伝社)を送ってくださいました。いまはまだ貿易戦争で済んでいるが、この本質はスマホを巡るハイテク戦争であり、もうすぐ金融戦争に発展する可能性がある。アメリカは中国に負けるはずがないと高をくくっていたが、中国は大事なところでは一歩も引く気はなく、トランプ大統領もかなり焦り始めているようだ。
これからは、金(ゴールド)が暴騰していく。近々ある調整局面が最後の買い場である。そして、日米の株価は乱高下を繰り返しながら進んでいくが年明けにも急落がありそうだ。
為替は間違いなくドル安の方向に進む。また、来年の米大統領選挙はトランプ大統領が再選されるが、再来年に入るとより大きな急落があり、2024年から25年にかけて世界経済は破たん状態に突き進むだろう。日本はアメリカの言いなりに行動するしかなく、板挟みにあってもっともひどい目にあう可能性が極めて高い。
中国の技術、特にアリババのそれはかなり発展していて、もうすでにアメリカをかなりリードしているということ等が副島先生の本の主な内容です。アリババのことについては、ミン・ゾン著「アリババ 世界最強のスマートビジネス」(文藝春秋)が分かりやすいのでお勧めです。著者は学者に戻っていますが、ジャック・マーにスカウトされたアリババの前最高戦略責任者であり、スマートビジネスの要はネットワーク・コーディネーションとデータ・インテリジェンスだということを分かりやすく解説してくれています。
中国は先進国に比べて社会インフラが整っていなかった。だから、既得権益を持っている人が少なく、そこにジャック・マーのような優れた戦略を実行できる最強の経営者が出現することによって、金融サービスでは銀行やクレジット会社を駆逐してしまうぐらいの存在になっていったことがよく分かりますので、ぜひお読みください。
「ザ・フナイ」の最新号12月号で、巻頭鼎談をしてくださったI-Oウエルス・アドバイザーズ代表の岡本和久先生は、私が最も注目している超プロのアナリストですが、2005年に面白い本を出されています。タイトルは「瞑想でつかむ投資の成功法」(総合法令)です。ページをめくると推薦文に森永製菓の松崎昭雄さんが「『心とお金の関係』『瞑想と投資との関係』この今まで誰も考えていなかった切り口での発想は私がこれまで求めていたものを明確に提示してもらった感じです」と寄せておられます。
この本が出てから15年、お金に対するマインドセットの本は今や書店でも花盛りではありますけれど、父も私も一生懸命研究したTM瞑想を、岡本さんは真摯に学んで書いておられるので、瞑想によって、心のこりを取り、直観力をつけることがどれほど人生にいい影響を及ぼすか、奇跡を起こすのか、軸のあるしっかりとした1冊になっています。
ビジネスでも家庭でも、日常にストレスはつきものですが、投資における短期売買の場面は、特に心に大きな重圧がかかります。株価というのは影のようなものと岡本さんは書きます。不安と恐怖で夜も眠れないほどの「イライラ投資」になることは少なくなく、それを「リラックス投資」にする方法を、プロのアナリストとしてしっかり理論立ててわかりやすくかつ専門的に解説してくださっている章は、投資の初心者でない人にもとても勉強になるように思います。
まだ、投資をしたことのない人にも是非読んでもらいたいと思う箇所もたくさんあります。先ほども少し書いたお金に対する恐怖心を手放すような実用書はたくさん出ていますが、時間の管理術をミクロにもマクロにも研究している岡本さんの『何にお金をかけると人生が本当に豊かになるのか』という独自の考えはどんな大人にも参考になると思いました。
私は『家族に投資する』という箇所に、ちょっと感動しました。岡本さんがおっしゃる『瞑想によって外側の物質的人生と内側の精神性を統合した人生を目指すことができる』は私も長年実感していることです。投資に関心がある方のみならず、人生に行き詰まった感のある方に特にオススメの1冊です。そしてお時間があれば、岡本先生の最新刊「お金と心」(知玄舎)と文頭に書きました「ザ・フナイ」の12月号の対談も合わせて読んでいただければ、とても嬉しく思います。
=以上=
2019.11.18:【いま 一番知らせたいこと 、言いたいこと】kan.さんに訊く (※舩井勝仁執筆)
2019.11.11:【いま 一番知らせたいこと 、言いたいこと】お金と心 (※舩井勝仁執筆)
2019.11.04:【いま 一番知らせたいこと 、言いたいこと】大嘗祭 (※舩井勝仁執筆)