トップが語る、「いま、伝えたいこと」

このページでは、舩井幸雄の遺志を引き継ぐ舩井勝仁と佐野浩一が、“新舩井流”をめざし、皆様に「いま、伝えたいこと」を毎週交互に語っていきます。
毎週月曜日定期更新
2025年7月14日
科学的思考 (※舩井勝仁執筆)

 2週間前に年末には日経平均が5万円に到達すると書かせていただいたのですが、4万円を目前にして足踏みしている状態です。配信した直後に舩井メールクラブの特別対談動画の収録( ※こちらをご登録いただくと無料でご視聴いただけます→ https://payment.51dc.jp/p/r/oZcJw9ER )があり、政治経済学者の植草一秀先生とお話しさせていただく機会がありました。私は、植草先生が自信を持って予想された相場の行方が外れたことを見たことがないのですが、結論から言うと、5万円になるという意見には同意されませんでした。お気遣いいただいたのだと思いますが理論的には5万円になってもおかしくないが、なんと言っても(トランプ大統領という)不確定要素があるので、そこまでは明確に予想はできないというご意見でした。
 先週の日本の株式相場も4万円を目前にしてなかなかその水準に到達しない、もやもやとした状態が続きました(この原稿は金曜日の早朝に書いているので、金曜日の相場は織り込んでいません)。海外投資家が14週連続で日本株を買い越していて、その総額は4.9兆円に達しているという報道もあるのですが、それでも足踏み状態が続いています。原因はトランプ大統領がいわば日本をメインターゲットにして相互関税をかけることを通告してきたことや、なかなか思い通りに動かないパウエルFRB議長に対抗するために、次期総裁を早々と指名して影の総裁として、その意向をマーケットに織り込ませるようにすると考えていること等が報道されていることのようですが、神経戦が展開されるようです。
 トランプ大統領が本当にやりたいことはFRBの解体だという意見もありますので、もしそこまで踏み込むことが明らかになれば、やはりかなりの混乱が予想されます。相互関税が発動されれば輸出に大きく依存している中小企業は大変ですが、大きな要因で見ればやっぱり自動車産業に対する打撃が圧倒的に懸念されるのだと思います。しばらく対応は大変だと思いますが、日本はこのような危機に何度も直面してそれを乗り越えてきた歴史があるので、今回もどうにか対応できるのではないかなと希望的観測をしています。
 先週末に講演でトヨタ自動車が本拠地にしている名古屋を訪れる機会があったのですが、街角の景気はとてもいいように感じます。製造業が主体の大都会ですが、決して先行きを悲観している街のようには感じられませんでした。日本経済の問題は、東京や大阪、それにインバウンドの影響が大きい地域とトヨタが強い名古屋に行くと景気の良さを感じられますが、それ以外の地域は決して景気がいい状態とは感じられないことにあるのかもしれません。ただ、スローライフを志向する藻谷浩介先生の『里山資本主義』(角川新書)のような考え方もあるので、出張で短時間だけ訪れた私の感覚ではわからない強さを秘めている地域もあるのだと思います。
 スローライフと言えば『腐る経済』(講談社)という衝撃の本を出された渡邉格・麻里子さんといういまは鳥取県智頭町在住のご夫婦の『菌の声を聴け タルマーリーのクレイジーで豊かな実践と提案』(ミシマ社)という本も大変面白く読めます。いつも相場のことを当欄では書かせていただいていますが、バランスをとることが大事だとも思いますので、スローライフに興味を感じられるのなら読んでいただければと思います。

 世間では参議院の選挙戦が行われていますが、SNSではかなり極端な意見を発信している人や、中には候補者の方でも他の候補者に対して一方的な誹謗中傷をぶつけている方も散見されるように感じます。法律に違反しない範囲ならばそれも選挙ですが、フィルタリングバブル(好みに合う情報ばかり表示されること)の影響をかなり受けていることをちゃんと考慮することは大事だと感じています。今週はそんなことも考えながら東京大学准教授の植原亮先生の『科学的思考入門』(講談社現代新書)をご紹介させていただきたいと思います。
 専門家でもない我々は、そもそも科学に対して正しくアプローチする方法を正確に理解しきれておらず、科学に対して要らぬ不信感を抱いてしまう、そんな方も多いのではないでしょうか。本書はそんな科学に対するハードルを取り払い、『ふだん使い』できる実用性を持たせ、その上で理論的な深さも備える事ができるように書かれたものです。
 そのようなテーマである為、(おそらく専門家からすれば非常に基礎的な)科学とはどのようなものであるかを解説する事に、根本的な部分から思考を改善する方法を教えてくれます。『科学とは説明するものである』という言葉が一章に登場します。我々が非科学的だと思い込んでいるものについても(多少の屁理屈と感じる要素はありますが)説明する事ができるようで、その為の方法について、一般的に想像される数字などではなく、文字による説明のみでも科学的思考は成立する事が解説されています。
 必要な過程、排除すべき要素、それらについての流れが解説されているので、特に専門的な知識がなくとも理解する事が可能です。基礎から応用への発展、深さと解説された部分についても文章が理解しやすく明快である為に潜っていく事が可能になります。本書を読むだけでは、当然科学の専門家になれるわけではありませんし、専門的で高度な技術が身に付くわけでもありません。
 しかし科学についての解説を受ける際にそれを理解する事、それに納得する事が可能になる。最も大きな部分は科学という言葉に対するハードルを下げてくれる、我々のようにデマや陰謀論と呼ばれかねないスレスレの情報と接する機会が多い人間には特に、情報の取捨選択を助けてくれるという意味でも、本書はその点において一読の価値があるのは間違いないものであるように感じました。
 大学時代にオーストリア出身のイギリスの哲学者カール・ポパー博士の勉強をさせてもらったことがあります。科学的方法論とは徹底的に批判していくことだというのが基本的な考え方で、舩井幸雄のプラス発想の逆のものだなと感じたことを覚えています。いまなら、両者の考え方を包み込むことができますが、SNS上の極論の中には40年前の私レベルのものもあるような気がしていますので注意が必要なのかもしれないと感じています。
                    =以上=

バックナンバー
2025.07.28:【いま 一番知らせたいこと 、言いたいこと】現代の赤ひげ先生 (※舩井勝仁執筆)
2025.07.21:【いま 一番知らせたいこと 、言いたいこと】右腕から見た舩井幸雄 (※舩井勝仁執筆)
2025.07.14:【いま 一番知らせたいこと 、言いたいこと】科学的思考 (※舩井勝仁執筆)
2025.07.07:【いま 一番知らせたいこと 、言いたいこと】株主総会を終えて (※佐野浩一執筆)
舩井 勝仁 (ふない かつひと)
株式会社船井本社 代表取締役社長
1964年大阪府生まれ。1988年(株)船井総合研究所入社。1998年同社常務取締役 同社の金融部門やIT部門の子会社である船井キャピタル(株)、(株)船井情報システムズの代表取締役に就任し、コンサルティングの周辺分野の開拓に努める。
2008年「競争や策略やだましあいのない新しい社会を築く」という父・舩井幸雄の思いに共鳴し、(株)船井本社の社長に就任。「有意の人」の集合意識で「ミロクの世」を創る勉強会「にんげんクラブ」を中心に活動を続けた。(※「にんげんクラブ」の活動は2024年3月末に終了)
著書に『生き方の原理を変えよう』(2010年 徳間書店)、『未来から考える新しい生き方』(2011年 海竜社)、『舩井幸雄が一番伝えたかった事』(2013年きれい・ねっと)、『チェンジ・マネー』(はせくらみゆき共著 2014年 きれい・ねっと)、『いのちの革命』(柴田久美子共著 2014年 きれい・ねっと)、『SAKIGAKE 新時代の扉を開く』(佐野浩一共著 2014年 きれい・ねっと)、『聖なる約束』(赤塚高仁共著 2014年 きれい・ねっと)、『失速する世界経済と日本を襲う円安インフレ』(朝倉慶共著 2014年11月 ビジネス社)、『智徳主義【まろUP!】で《日本経済の底上げ》は可能』(竹田和平、小川雅弘共著 2015年 ヒカルランド)、『日月神示的な生き方 大調和の「ミロクの世」を創る』(中矢伸一共著 2016年 きれい・ねっと)、『聖なる約束3 黙示を観る旅』(赤塚高仁共著 2016年 きれい・ねっと)、『お金は5次元の生き物です!』(はせくらみゆき共著 2016年 ヒカルランド)がある。
佐野 浩一(さの こういち)
株式会社本物研究所 代表取締役会長
ライフカラーカウンセラー認定協会 代表
公益財団法人舩井幸雄記念館 代表理事
あたみ・パンダの森ほいくえん 学園長
株式会社ヴォイス 代表取締役会長 他
1964年8月5日、大阪生まれ。大阪府立北野高等学校、関西学院大学法学部政治学科卒業。
大学卒業後13年間、私立中高一貫教育校の英語科教員として従事。2001年4月、株式会社船井総合研究所に入社。舩井幸雄より「人づくり法」の直伝を受け、企業幹部向け研修「人財塾」として体系化、その主幹を務め、経営者向け、社内研修向けに150回以上の講演、研修を実施した。2003年4月、株式会社本物研究所を創設し、代表取締役社長(現在会長)に就任。商品の「本物」、技術の「本物」、生き方、人づくりの「本物」を研究、開発し、広く啓もう、普及活動を行う。また、2008年にライフカラーカウンセラー認定協会を、2012 年5月には株式会社51 Dreams’Companyを、2015年9月に株式会社51コラボレーションズを設立。(2023年本物研究所と合併)さらに、2015年1月、舩井幸雄の思想、哲学を世に広めるために、公益財団法人舩井幸雄記念館を設立し、代表理事となる。2021年2月には、株式会社51メディカルを創業。そして、2022年11月、小規模保育事業B型として、「あたみ・パンダの森ほいくえん」を設立。学園長に就任。
2026年6月にヴォイスグループ5社を経営統合し、代表取締役会長に就任。現在に至る。
著書に、『あなたにとって一番の幸せに気づく 幸感力』(ごま書房新社)、『ズバリ船井流 人を育てる自分を育てる』(ナナ・コーポレート・コミュニケーション)、『私だけに教えてくれた 船井幸雄のすべて』(成甲書房)、『本物の法則』(ビジネス社)※船井幸雄との共著、『あなたの悩みを解決する魔法の杖』(総合法令出版)、『幸感力で「スイッチオン!」』(新日本文芸協会)、『SAKIGAKE 新時代の扉を開く』(きれい・ねっと)※舩井勝仁との共著、『幸せになる働き方の法則』(創藝社)、『舩井幸雄の魂が今語りかけてきたこと』(ヒカルランド)※矢山利彦氏、舩井勝仁氏との共著がある。
講演は、年間講演、研修多数。会社経営、学校経営、幹部育成、健康、食育、カウンセリング、話し方など、幅広いテーマで多数の講演を行っている。
健康の超プロ4名が語った「じぶんでつくる健康未来図」の動画をプレゼント 数霊REIWA公式サイト 佐野浩一 本物研究所 本物研究所Next C nano(ネクストシーナノ) 成功塾説法 舩井幸雄動画プレゼント 高島康司先生の「日本と世界の経済、金融を大予測」 メールマガジン登録 舩井メールクラブ 佐野浩一note