トップが語る、「いま、伝えたいこと」

このページでは、舩井幸雄の遺志を引き継ぐ舩井勝仁と佐野浩一が、“新舩井流”をめざし、皆様に「いま、伝えたいこと」を毎週交互に語っていきます。
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2026年1月5日
新年を“くまのプーさん”的に思う (※佐野浩一執筆)

 新年、おめでとうございます。
 本年もどうぞよろしくお願いいたします。
 思えば、去年の暮れに脳梗塞を発症し、約2週間の入院。そこから、数か月の自宅療養期間を経て、少しずつ少しずつ日常を取り戻してきました。ですから、去年のこの時期は、新年に対する思い、目標などをしたためたものが一つも残っていません。空白の期間なんですね……。
 おかげさまで、今年は元気に新年を迎えられました。すでに、これだけで感謝の思いがいっぱいです。では、「今年は新年に何を思う?」と心に尋ねてみると、突然「くまのプーさん」がイメージされたので、今回はプーさんの名言と照らし合わせながら、思いのままに書いてみたいと思いました。しばし、お付き合いくださいね。

 新年を迎えると、多くの人の心に、静かな期待と同時に、言葉にしづらい緊張が芽生えるものです。昨日と今日の違いは、実際にはほとんど変わらないはずなのに、「一年の始まり」という区切りが、人の心に特別な意味を与えます。心理学では、人は時間を連続ではなく「区切り」で認識することで、自分の人生を理解しやすくすると考えられています。新年はその最たるものであり、「ここからなら変われる」「やり直せるかもしれない」と、心の中で静かなリセットが起こる瞬間だとも言えます。
 しかし、この区切りは、ときに人を追い詰めることも事実です。「今年こそは変わらなければならない」「何か結果を出さなければならない」という思いが、まだ始まってもいない一年を重く感じさせることがあります。これは心理学でいう未来志向が過剰になった状態で、現在の自分が否定されやすくなっているサインでもあります。
 そんな新年の心に、やさしく別の視点を差し出してくれるのが、くまのプーさんの言葉なんです。プーさんは、未来を計画することよりも、「今日」をどう感じるかを大切にします。作中で語られる有名な言葉に、
“Today is my favorite day.”という一節があります。
今日は、ぼくのいちばん好きな日なんだ」というこの言葉は、新年だけが特別なのではなく、今日という一日そのものがすでに価値を持っていることを静かに伝えています。
 心理学では、幸福感は未来の達成よりも、「今ここ」に注意を向けることで高まりやすいとされています。プーさんのこの言葉は、現代で言うマインドフルネスの感覚そのものです。新年に一年後の自分を思い描くことは悪いことではありませんが、それによって今の自分を置き去りにしてしまうと、心は満たされにくくなります。
 また、新年は「努力」や「成長」が強調される時期でもあります。しかしプーさんは、努力を急がせることはありません。
“Doing nothing often leads to the very best of something.”
何もしないことが、いちばん大切な何かにつながることもあるんだよ
 という言葉があります。この一節は、休むことや立ち止まることが、決して怠けではないことを教えてくれます。
 心理学的にも、脳や心は常に前進している状態では回復できません。休息や余白があるからこそ、創造性や意欲は戻ってきます。新年早々に全力で走り出そうとするよりも、まずは心の呼吸を整えることが、一年を長く安定して生きるための土台になります。
一方で、「変わらなければならない自分」という理想像が強く浮かび上がってきたとき、その理想と現実の差に苦しくなる人も少なくありません。そんなとき、思い出したいのが、
“You can’t be brave if you’ve only had wonderful things happen to you.”
つらいことがなければ、勇気は生まれないんだ
 という言葉です。これは、困難や弱さを経験している自分を否定しなくていい、というメッセージでもあります。
 「自己受容」とは、理想の自分になることではなく、今の自分の状態を正しく認めることと考えたほうがよさそうです。プーさんは完璧なキャラクターでも賢者でもありません。それでも愛され、仲間に必要とされている存在です。その姿は、「今のままでも価値がある」という感覚を、読む人の心に自然と芽生えさせてくれます。
 プーさんの親友は、小さなブタのぬいぐるみピグレットと、人間の少年クリストファー・ロビンです。ピグレットはプーさんの一番の理解者で心優しい存在、クリストファー・ロビンは「100エーカーの森」の仲間たちのリーダー的存在。プーさんの物語の軸となる人物であり、特に深い絆で結ばれています。
 そんなプーさんが、人間関係についてもおもしろい表現をしています。
“A day without a friend is like a pot without a single drop of honey left inside.”
友だちのいない一日は、はちみつの入っていない壺みたいなものだよ
 という表現は、成果や目標よりも、人とのつながりが心の栄養であることを教えてくれます。心理学では、安心できる人間関係は「安全基地」と呼ばれ、人が挑戦したり変化したりするための出発点になるとされています。新年に何か新しいことを始めたいなら、まずは自分が安心できる場所や人を大切にすることが、実は一番の近道だということになるでしょうか。
 さらに印象的なメッセージがあります。
“Rivers know this: there is no hurry. We shall get there some day.”
川は知っているんだ。急ぐ必要はないって。いつかちゃんと、たどり着くんだよ
 という言葉です。この一節は、「早く結果を出さなければ」という焦りを、そっとほどいてくれるように思いますが、いかがですか?
 変化にはその人なりのペースがあるとされています。無理に急いだ変化は反動を生みやすく、長続きしません。川の流れのように、止まらず、しかし急がずに進むこと。それが一年を生きる上での、最も自然なリズムなのかもしれません。
 そう考えると、新年とは、人生を一気に変えるためのスタートではなく、人生とやさしく再会するための合図だと言えるかもしれません。
“If you live to be a hundred, I want to live to be a hundred minus one day, so I never have to live without you.”
 「もしきみが100歳まで生きるなら、ぼくは99歳と364日まで生きたいな。きみのいない日を過ごさなくてすむように
 という言葉に象徴されるように、プーさんの世界では、成果よりも存在そのものが大切にされています。
 新しい年の始まりに、何者かになろうと急がなくてもいいのかもしれませんね。今日という一日を感じ、今の自分を否定せずに生きること。その積み重ねが、いつのまにか一年を形づくっていきます。そうだとすれば、新年は人生を一気に変えようとする“瞬間”ではなく、人生とやさしく向き合い直す機会だと言えます。今日という一日を丁寧に感じ、「今日はいい日になるかもしれない」と思えること。プーさんの言葉が長く愛され続けているのは、人生におけるいろんな不安や期待に揺れる私たちに、「急がなくていい」「今ここでいい」と静かに伝えてくれるからなのだと思います。
 では、皆さん、よき一年を!

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2026.01.05:【いま 一番知らせたいこと 、言いたいこと】新年を“くまのプーさん”的に思う (※佐野浩一執筆)
舩井 勝仁 (ふない かつひと)
株式会社船井本社 代表取締役社長
1964年大阪府生まれ。1988年(株)船井総合研究所入社。1998年同社常務取締役 同社の金融部門やIT部門の子会社である船井キャピタル(株)、(株)船井情報システムズの代表取締役に就任し、コンサルティングの周辺分野の開拓に努める。
2008年「競争や策略やだましあいのない新しい社会を築く」という父・舩井幸雄の思いに共鳴し、(株)船井本社の社長に就任。「有意の人」の集合意識で「ミロクの世」を創る勉強会「にんげんクラブ」を中心に活動を続けた。(※「にんげんクラブ」の活動は2024年3月末に終了)
著書に『生き方の原理を変えよう』(2010年 徳間書店)、『未来から考える新しい生き方』(2011年 海竜社)、『舩井幸雄が一番伝えたかった事』(2013年きれい・ねっと)、『チェンジ・マネー』(はせくらみゆき共著 2014年 きれい・ねっと)、『いのちの革命』(柴田久美子共著 2014年 きれい・ねっと)、『SAKIGAKE 新時代の扉を開く』(佐野浩一共著 2014年 きれい・ねっと)、『聖なる約束』(赤塚高仁共著 2014年 きれい・ねっと)、『失速する世界経済と日本を襲う円安インフレ』(朝倉慶共著 2014年11月 ビジネス社)、『智徳主義【まろUP!】で《日本経済の底上げ》は可能』(竹田和平、小川雅弘共著 2015年 ヒカルランド)、『日月神示的な生き方 大調和の「ミロクの世」を創る』(中矢伸一共著 2016年 きれい・ねっと)、『聖なる約束3 黙示を観る旅』(赤塚高仁共著 2016年 きれい・ねっと)、『お金は5次元の生き物です!』(はせくらみゆき共著 2016年 ヒカルランド)がある。
佐野 浩一(さの こういち)
株式会社本物研究所 代表取締役会長
公益財団法人舩井幸雄記念館 代表理事
ライフカラーカウンセラー認定協会 代表
1964年大阪府生まれ。関西学院大学法学部政治学科卒業後、英語教師として13年間、兵庫県の私立中高一貫校に奉職。2001年、(株)船井本社の前身である(株)船井事務所に入社し、(株)船井総合研究所に出向。舩井幸雄の直轄プロジェクトチームである会長特命室に配属。舩井幸雄がルール化した「人づくり法」の直伝を受け、人づくり研修「人財塾」として体系化し、その主幹を務め、各業界で活躍する人財を輩出した。 2003年4月、(株)本物研究所を設立、代表取締役社長に就任。商品、技術、生き方、人財育成における「本物」を研究開発し、広く啓蒙・普及活動を行う。また、2008年にはライフカラーカウンセラー認定協会を立ち上げ、2012年、(株)51 Dreams' Companyを設立し、学生向けに「人財塾」を再構成し、「幸学館カレッジ」を開校。館長をつとめる。2013年9月に(株)船井メディアの取締役社長CEOに就任した。 講演者としては、経営、人材育成、マーケティング、幸せ論、子育て、メンタルなど、多岐にわたる分野をカバーする。
著書に、『あなたにとって一番の幸せに気づく幸感力』(ごま書房新社)、『ズバリ船井流 人を育てる 自分を育てる』(ナナ・コーポレート・コミュニケーション)、『私だけに教えてくれた船井幸雄のすべて』(成甲書房)、船井幸雄との共著『本物の法則』(ビジネス社)、『あなたの悩みを解決する魔法の杖』(総合法令出版)、『幸感力で「スイッチオン!」』(新日本文芸協会)がある。
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