船井幸雄グループ社員の、日々もの思い、考へる

このページは、船井幸雄グループスタッフによるコラムページです。
日々仕事をする中で感じていることなどを自由に語ったページです(このページでは、便宜上、船井幸雄を“船井会長”と呼び、敬語表現を使わせていただいています。ご了承ください)。

船井幸雄グループ社員の日々もの思ひ、考へる あの社員の一日を公開!
世界遺産が数千円!! (テーマ:最近読んでオススメしたい本)
2008.1.23(Wed)
社名:(株)船井メディア
名前:長田 陽一

 私の読書傾向は文学、哲学、思想、経済などのいわゆる人文書系の書物を乱読する傾向があります。
 20世紀以降の多く著作のなかで引用され、基本的な文献や名著といわれ、その中で当然知っていることを前提とされるような古典的な文献を読んでいないことをずっと痛感していながら持前の不精で看過し続けてきました。限られた読書をする時間の中で、中途半端に最新の知識を追うのではなく、現代的な著作物をよく理解するための足場として、歴史にもまれ残ってきたいわゆる「古典」を現代的な視点を踏まえたうえで読んでみようと最近考えるようになりました。
 最近は哲学、思想系を中心に読んでいましたので、その中でも最も自分では苦手だと思われるいわゆるドイツ観念論系の最重要著作物、イマヌエル・カント著の「純粋理性批判」を手に取りました。各400頁、全三巻の大著です。その名にし負うごとく、読了には難渋を極め、一か月余りを擁しました。その際、未知の術語を調べるためにインターネットが大きな助けになりました。
 その内容は自分の能力にも紙数に限りありますので、既存の概説の助けを借り簡単に述べますと、カントの生きた今から300年前のヨーロッパではルネサンス以降に勃興してきた「科学的精神」があまりにも過激化、先鋭化していました。当時の思想界は人間の全ての知識は、我々の経験の結果であると考える経験主義と、人間は生得的に理性を与えられ、基本的な観念・概念の一部をもつと考える合理主義哲学(理性偏重主義と言えるかもしれません)の二者が支配的でした。一言でいうと、カントはその両者に異議を申し立て、それを統合し乗り越えしようとしました。本書では人間の理性を精緻に分析し、その限界をはっきりと定義し、理性そのもの取扱説明書として意義を有しているとも言えるかもしれません。
 300年前の状況は現在の状況と重なりあう場面も少なからずあるのではないでしょうか。例えば最新の物理理論である超弦理論などは統一場理論として期待されてはいますが、具体的な実験で証明することはできず数学的な理論づけのみで成り立つ実態のない高度な理論体系でしかない可能性もあります。
 また、日本では自然科学から発達した科学から、哲学的思想を排除し、技術的側面だけを高度に専門別にわけ教育、研究している実態から優秀な理系の知識人が簡単にオウム真理教に入信してしまうような状況があります。カントの批判はいまなお有効であるといえると言えないでしょうか。

 知ったように書いてはみましたが、原文はかなり難解です。しかし、有名な「神の存在証明」不可能性の論述はまさに壮麗でスケールの大きい思考の構築物のようで、まさに人間思考の歴史の世界遺産と言えると思います。
 それを体験するだけでも文庫本、わずか数千円で手に入り、しかも何度でも吟味できるのです。これほど安価で贅沢な喜びはそうないと思います。私の「最近読んでオススメしたい本」です。

『純粋理性批判』 上・中・下 岩波文庫 青
カント (著), Immanuel Kant (原著), 篠田 英雄 (翻訳)


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