トップが語る、「いま、伝えたいこと」
あんがい敏感な体質の私は、低気圧が来たり湿度が高いと、最近は弱点の口腔内が痛みます。
7月上旬までは梅雨のため湿度が高く、特に熱海の山中に自宅やオフィスがあり、ここは霧によく取り囲まれるため、この時期はいつもほど本を読めませんでした。
とはいえ、30冊くらいの本をここ1ヵ月間くらいにも読みました。そこで大体の発刊日順に私が参考になったと思う単行本を今月も6冊にしぼり紹介しようと思います。なおその前に7月23日発信の私のホームページに書いた2冊の本もぜひお読みください。よろしく。では紹介を始めます。
1.1冊目は、徳間書店刊の『アンデスに封印されたムー・レムリアの超秘密』(2010年12月31日刊 ジョージ・ハント・ウィリアムソン著 坂本貢一 訳)で、ゲリー・ボーネルが序文を書いています。名文です。惹きこまれました。
ところで私は、なぜかムーに惹かれるのです。これは何十年も前からのことです。
本書は、こんな見方もあるのか? ……と思えるような内容の本なのですが、ともかく希望を与えてくれますし、想像力をひきたててくれます。イメージ力の強化のためにも、学ぶところの実に多かった本です。興味のある方にはお奨めです。よろしければどうぞ。
2.2冊目は『もうやめよう! その法令遵守(コンプライアンス)という、アメリカで活躍している弁護士の増田英次さんの力作(?)です。2012年4月14日にフォレスト出版より発刊されました。
この題名を見ると、びっくりするような内容をイメージしますが、ポイントは同書「まえがき」に書かれたつぎのコトバ内にあります。
私は経営の専門家として本書の内容に、いろいろ教えられたのです。
では、まずその「まえがき」の一部を紹介いたしましょう。
私がこれから述べることは、「法令遵守も出来ないような企業は、今後は生き残れない。社会的責任をまっとうするためにも、自己防衛のためにも、これからは、法令遵守がますます必要なんだ」などという、ありきたりなことではありません。
そうではなくて、「もうやめよう! その法令遵守」と、まさにこの本のタイトルのとおり、今のような法令遵守の体制はさっさとやめようと提案しているのです。
でも、勘違いしていただきたくないのは、「法令は一切無視しよう」「やりたい放題やって、弱肉強食で、勝ち組だけがおいしい思いをしよう!」「貴社にコンプライアンス部門があったら、いうことはできるだけ無視して、儲けるだけ儲けよう」などというために、この本を書くわけではありません。
むしろ、「本当に尊敬される、そして、胸を張って利益を出せる会社を創ろう!」ということを述べていくつもりです。
このようにいうと、「えっ? 法令遵守をやめろといっておきながら、どうすればそんな会社に生まれ変わることができるの?」「そもそもそんなことは可能なの?」という疑問が当然わいてくると思います。
でも、大丈夫。あなたも、あなたの会社も、「大っ嫌いな!」法令遵守が自ずと好きになって、皆から尊敬されて、そして、胸を張って利益を出せる会社に生まれ変わることができるのです。少なくとも、そのためのヒントは確実に得ることができるでしょう。
では、その真髄とは何でしょうか?
ここでは少しだけキーワードを披露してみましょう。
それは、「変えるべきはルールではなく、個々の社員・経営陣のマインドである」ということです。
要するに、法令を守らせるためにあれやこれやとルールをいじったり、積み上げたり、がんじがらめに縛ったりするのではなくて、ルールを使う人(社員、経営者)の「マインド」、もっといえば、マインドの中に眠っている「魂」に火をつけるということなのです。なぜそれが必要なのか、どうしたらそれができるのか? それをこれから一つずつ具体的に話していきたいと思います。
第一章では、まず、「なぜ、ビジネスパーソンははコンプライアンスが大っ嫌いになってしまうのか?」という現状について分析します(転載ここまで)。
以上のような文体なのですが、本書には「本当に尊敬されて、胸を張って利益を出せる会社を創る方法」が具体的に述べられているのです。法令の思考停止が多いいまの日本社会では、リーダー層にとりましては、おおいに参考になる本だと思います。
3.3冊目は、レイモンド・ムーディとポール・ペリー著 堀天作 訳の『臨死共有体験』(2012年5月31日 ヒカルランド刊)です。
ムーディの『かいまみた死後の世界』によって、はじめて私が死後の世界のあることを確認してほっとしたのは、1975−1980年ごろだと思うのですが、この世界的名著(原題は、Life after Life)は、1975年に出版されたはずです。
それに対して本書は「死ぬ者と、そこに寄りそう者が臨死体験を分ち合う」という死後の生命の存在を、よりはっきりさせる事例報告の本といえます。
本書を読むと、「死」についてよく分りますし、人生とか人間についても深く理解できます。
特に検証がしっかりしていることもあり、ぜひ、「死」について考えたい時には一読をお奨めしたい1冊です。
4.4冊目は私と親しい渡部昇一上智大学名誉教授の著書です。
彼からよく聞かされたことのあるノーベル賞受賞の経済学者のハイエク博士について、その学説などと哲学、そしてそれらの検証について分りやすく著わした本です。
ちょうど日本で税と社会保障の一体改革が話題になっているいま、時宜をえた著述でもあるといえるでしょう。
その題名は『ハイエクの大予言』で、2012年5月17日に初版本が李白社から発刊されています。
私はもともとハイエク理論に共鳴をおぼえる人間です。
それは自由市場に政府が干渉すると、最近の日本のように、結局人間の自由が根こそぎ失われるという「大麻取締法の現実の姿」のようになることを知っているからです。
学生時代、マルクスの『資本論』にかなりふり回されたわれわれの年代層は、それを癒やしてくれたのが、1944年に出たハイエクの『隷従(れいじゅう)への道』(The Road to Serfdom)であることを知っています。
ともかく渡部さんのこの本は、ハイエクという人自体を、特にハイエクと親しかった人として余すところなく要点を語ってくれています。
最近、非常に心の洗われた本でした。
渡部さんと、同書をここで世に出してくれた李白社の岩崎旭社長に心からお礼を言っておきます。
5.5冊目は坂本政道さんの近著『ベールを脱いだ日本古代史』です。2012年6月15日にハート出版から発刊されました。
坂本さんというと、日本一の体脱名人で、本書もヘミシンクによって高次元意識と交信することによって書かれたものといえます。
歴史好きでSF好きな私は、著者をよく知っていますし、体脱の効果も分りますので、「そういうこともありそうだな」という姿勢のまま、この本をたのしく読みました。
日本歴史を総復習する意味でも参考になる本でした。
卑弥呼について……とか、邪馬台国は……とか、天照大御神……とはなどと考えながら読みますと、それなりに興味のつきない1冊でした。
特に大和王権の確立の経緯などは私のもっとも関心のあるところなので、異色の人である坂本さんの考え方におおいに魅せられた1冊でもありました。
6.6冊目は、『人は死なない』で一躍有名になった矢作直樹東大教授と、多分、日本でもっとも気功についての実務家で詳しい人と言えます中健次郎さんとの対談本で、題名は『人は死なない。では、どうする?』(2012年7月8日、マキノ出版刊)です。
中さんから送っていただいた本ですが、作家の田口ランディさんが推薦しています。
この本は「生」と「死」、そして「病気」や「老い」という人間にとってもっとも基本的なことで、高齢になればだれでもいやおうなく考えさせられることを、ともに1956年生れの若い(?)お2人の対談者が淡々と彼らなりの意見を語っています。
80才を目前にして、なおかつ体調のすぐれない日々の多いいまの私は、「私も元気で若かったなら、こんな風に言っただろうな」と思いながら読みましたが、それも含めて多くの気づきを与えられた対談本でした。
ともかく今回紹介した6冊の本の中で、この本は3−4回うなずきながら読み返しましたし、お2人の生まれ年である1956年より年輩者というよりも、若い人に読んでほしい本だ……と私は感じています。
気功のフシギな効力も分りますし、メディテーションがどんなものかも分る幅広い人生入門書と言ってもよいと思います。
以上、今月は簡単に6冊のポイントを紹介しました。いずれもよい本でした。
興味をお持ちの方は、できればこのうちの何冊かはお読みください。人生へのイメージが拡がり、アイディアが湧いてくる6冊でした。
=以上=
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