トップが語る、「いま、伝えたいこと」

　１月１９日の父の命日に際しましては、いろいろなお心遣いやメッセージをいただき、本当にありがとうございました。当日は中矢伸一先生と船井総研ホールディングスの高嶋栄社長と一緒に熱海の父の墓参りをしてきました。偶然（多分必然です）、お墓でにんげんクラブのこだまゆうこさんとも会ってお線香をあげてきました。当日は強風が吹いていて私たちの３０分ほど前に墓参りに行っていただいた知人はどうしてもお線香の火をつけられなかったと言っていましたが、私たちのときはそのときだけ強風が収まり、普通に火がつきました。
　このメンバーで墓参りに行ったことを父が喜んでいるのが感じられたと同時に、強く父の存在を感じました。私も含めたこの４人にとても大切なメッセージを伝えたいと思っている父の意志が強く感じられました。私に何が言いたかったのかまだ完全に理解できてはいませんが、じっくりと感じて考えていきたいと思っています。
　前日の東京は雪で、交通機関の乱れもありましたので、空を見上げながら心配していましたが、熱海は、雪も降らずに静かにお参りすることができました。熱海駅から車で３０分ほどの空に近い、大変見晴らしの良いところに父は眠っています。お墓は、海を目前に眺められる場所に位置しています。メッセージの理解をする必要があるので、時には一人で訪れて１対１でしばし対話しようと思っています。

　話は変わりますが、年があけてからの相場が大変なことになっています。私個人の考えとしては、ＦＲＢ（米連邦準備制度理事会）の利上げは上手くやったと思っていましたが、想像以上に影響が大きかったようです。原油相場の急落とそれによる国家ファンド（ＳＷＦ：ソブリン・ウエルス・ファンド）の売りと中国経済の行方、特に過剰設備を解消することが急務と言われていますが、真の原因はやっぱりＦＲＢの利上げだと私は思っています。
　原油相場の下落は、石油の戦略商品としての価値が下がってしまったという大きな問題があります。中国の方は例えば、自動車の生産能力は５千万台分あるのに、 需要は約半分しかないというとんでもない状況になっています。１年ぐらい前の本になりますが、橘玲著『橘玲の中国私論』（ダイヤモンド社）はそんな実態が詳しく分かり、今でも参考になります。だから、もちろん原油相場も中国経済の減速も大きな影響があるのは間違いないのですが、それらの問題が表面化してきた原因もアメリカの政策金利の利上げです。
　負け惜しみと言われるかも知れませんが、私が予想していた以上に もっと相場は荒れるかもしれないと感じています。しかしながら、今年は選挙もあります。春以降は普通であれば相場は落ち着くし、政府はそういう政策を持ってくる期待ができるでしょう。矛盾しているようですが、日銀がその期待に応えずにそれでも株価が上がっていく政策が取れれば、アベノミクスは継続するのではないでしょうか。

　日経新聞などの報道を見ていると、ボールは日銀の黒田総裁ではなくＦＲＢのイエレン議長に投げられたと見ているようです。日銀に打てる手は限られており、売ったとしても以前のように大きな影響力をマーケットに与えることは無理だろう。ＦＲＢなら市場がびっくりするような球を投げられる可能性があるので、それが必要だと催促しているようです。
　私自身の予測としては、アベノミクスの失敗が明らかになって相場が崩れるケースが４０％、マーケットの期待通り日銀かＦＲＢもしくはＥＣＢ（欧州中央銀行）が何らかのサプライズの追加緩和を打ち出す確率が３０％、市場が勝手に自律反発するケースが３０％だと思っています。
　ここでもし、アベノミクスの失敗が明らかになってしまうとリーマンショックの再来になります。その流れを鑑みて、生活防衛の準備を真剣にした方がいいと思います。シュミレーションの参考になるのは植草一秀著『日本経済復活の条件』（ビジネス社）と塚澤健二著『そして偽装経済の崩壊が仕組まれる』（ビジネス社）あたりの本です。ご一読をお勧めします。

　前段で書いた父との会話ですが、日本はいよいよ正念場だから、正しく良質な情報を皆さんにしっかりとお伝えしろと叱咤激励されたように感じました。年明けから精神的な不調が続いていました。精神的に調子が悪いと飲み過ぎてしまいますのですぐに分かるのですが、やっと原因が分かりました。相場の予想を外しすぎていたからです。平気なつもりだったのにやはり大きなプレッシャーを感じていたようです。
　根が単純なので、原因が分かればとても元気になり走り出しそうになったのですが、色々なメッセージから落ち着きなさいと言われているようです。調べてみると１月５日から明日２６日まで水星が逆行しているようです。この時に起こりやすいと言われていることは、交通機関の乱れや遅延、意思疎通がうまくいかなくなる、判断ミスや勘違いが増える、株価や為替が乱高下する、通信障害（インターネット）等なのだそうです。いま世間を騒がせていることや、私自身のことでも思い当たることがたくさんありびっくりしています。
　明日１月２６日（火）の朝の６時５０分までが逆行期間なので、もう少しの辛抱です。それまでは慎重さと謙虚さを大事にしたいと思います。私の不調の原因は、経済は大体わかったという気持ちを持ってしまって謙虚さを忘れてしまったからでした。本当に反省です。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＝以上＝