トップが語る、「いま、伝えたいこと」

　４月になりました。日本中、さまざまな場所に行きますが、この時期の楽しみは満開の桜を楽しむことです。その中でも、東京は格別にお花見が盛り上がる気がします。江戸時代の庶民の娯楽としての花見ブームに乗って、八代将軍徳川吉宗は、「植桜推進策」を打ち立て、隅田川の桜堤、王子の飛鳥山、品川の御殿山などに桜を植えさせました。
　この春、東京の桜の開花は予想より１週間ほど後になりました。開花時期になると、すっと気温が下がり、すっかり準備の整った花のつぼみは心なしか身もだえしているように見えました。自然が自然の現象を受け入れるとき、どんな想いになるのか。そんな感慨をもちながら花冷えの中、木々を見上げていました。

　６月１５日〜１７日の日程でにんげんクラブ主催『悠久の伊勢に学ぶ会』の開催が決まりました。私も毎年とても楽しみにしているイベントで、今回も伊勢修養団にお世話になります。今年は、伊勢神宮の三節祭（６月・１２月の月例祭と神嘗祭）と称される由緒あるお祭りである、六月月例祭の午後１０時からの由貴大御饌の儀を奉観します。
　六月の月次祭では、浄闇の中、午後１０時と午前２時の二度にわたって由貴大御饌の儀が、翌日正午には奉幣の儀が行われ、皇室の弥栄、五穀の豊穣、国家の隆昌、並びに国民の平安を祈願されます。普段見られない外宮の月次祭を体験していただくとても貴重な機会をいただきました。
　伊勢市民でもなかなか参加できない夜の伊勢神宮での奉観で、かつ外宮にお参りする機会は本当にレアなものになります。月次祭に参加する人数に制限がありますので、限定５０名の募集となりますので、ご案内のチラシはにんげんクラブ会報誌やザ・フナイなどと一緒にお届けする予定ですが、ＨＰにアクセスしていただいて先に申し込んでいただいた方がいいかもしれません。２泊コースを選んでいただくと、外宮、内宮の両方の月次祭を見ていただけます。
　同行するのは、赤塚高仁さん、小川雅弘さん、私、それから岡山から畑田 天眞如先生です。天眞如先生は、ノートルダム清心女子大学の保江邦夫教授からご紹介いただきました。現在、ロングセラーになっている保江先生の最新刊『神様に溺愛される人の法則〜ついに、愛の宇宙方程式が解けました』（徳間書店）の中で、天眞如先生と湯川秀樹先生の邂逅について記されています。

　阿闍梨になるための修行をしていたころの若き日の天眞如先生が、京都の公会堂の講演で、人間の心は不思議な力があり、たとえば山の向こう側でも、友人が助けを求めるとそれを察知することができることができる　といった話をしたそうです。今でこそ精神世界やスピリチュアルな分野が珍しくない時代になりましたが、時代は昭和の半ばのことなので、まったく受け入れられず罵声を浴び、理系の学者は「非科学的なことを言って世を惑わすのはけしからん」と怒り狂われたそうです。

　講演が終わって近づいてきた老人が「あなたが話されたことは本当のことですから、何も気にされることではないですよ。あの人たちはかわいそうにまだそれがわかっていないだけですよ」と声をかけてくれたそうです。胸がいっぱいになった天眞如先生は、名前も聞けずにただただ、頭を下げるばかりだったそうですが、のちほど主催者に聞いたら、その人が日本で最初にノーベル賞を受賞した理論物理学者の湯川秀樹先生だったのです。保江先生の本の中でもとても印象的なエピソードの１つでした。
　天眞如先生は９０歳を過ぎたいまでもみんなの心が平和になり、それが世界平和につながるための祈りを安倍晴明ゆかりの岡山の阿部山や世界各地の聖地を巡って続けていて、講演をお聞きしていると自然と背筋が伸びてくるような、そんな話をしてくださいます。日本における社会教育団体の源流である伊勢の修養団でそんなお話を聞けるのではないかと私も心待ちにしております。
　２泊３日コースでは、私の大学時代の同級生で、現在歴女のカリスマとして本が売れに売れている白駒妃登美さんも講演をされる予定です。また、夜の懇親会には、赤塚、小川、舩井のトリオもご一緒して、みなさんと楽しくお酒を飲んで語り合いたいと思っています。
　いつも参加された皆様からはとても楽しかったと大好評をいただいているイベントですので、ぜひ心を洗いに伊勢の地にお集まりください。どうぞ、よろしくお願いいたします。
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