トップが語る、「いま、伝えたいこと」

　あけましておめでとうございます。清々しいお正月をお迎えになられましたでしょうか。
　「一年の計は元旦にあり」と申しますが、皆様、目標はそれぞれ決められましたか。私の２０１７年は「物事をフラットに捉え、真逆にあるもの、意に沿わないことも両立させていくこと」をより深めていきたいと思います。
　年末にはせくらみゆきさんが、真（心）と魔（いきすぎたエゴ）の解説をしてくださいました。真と魔、文字だけでも究極の反対側に存在するもののように感じますが発音すると同じになります。言霊的に考えると同じような性質を持っていることになります。だから、この２つをあえて二極として対立させず、「魔を愛し、真にする」ように良い方向に補完できることと考えたいと思いました。

　父の提唱した「包み込みの発想」を改めて思い出します。包み込みの発想は、簡単に言うと、世の中にさまざまな見方やあり方が存在することを理解し、それを認めて受け入れる事ですが、これを究めていくことによって、自らが高次元の存在になり、高次元の環境や豊かさを引き寄せていくことができると考えられます。
　日常の現実にはしっかりと地に足をつけ、例えば、税金を払うといった現実の約束事には一喜一憂せず、感情をいたずらにぶれさせず淡々と対応していくことも忘れてはならないことです。実はこのあたりのバランスが難しいところですが、渋沢栄一がいうところの「常識とは、突飛なふるまいをせず、頑固でもなく、善悪と損得を見分け、発言と行動がすべて中庸であること。心理学的に人の心は知恵・情愛・意志の三つに分類できるそうだが、この三つが調和しているのが常識といえる」の言葉は、ものすごく大切なポイントで、決してじゃまにならないことだと思います。
　この日常を嘆いたり、悲観的になっていたら、高い次元にかかる足場は崩れていきます。「有意の人」であるみなさんと、私はこのあたりのことは上手にハンドリングして、軽やかに次なる次元を目指していく１年にしたいと思っています。

　それから今年は世界的に経済の１年になりそうです。トランプの当選を見事に当てた副島隆彦先生は、世界のゆるやかで大きな変化を「流れに抵抗しても仕方ない」とおっしゃっています。先日もこちらで触れましたが、『世界覇権国アメリカを動かす政治家と知識人たち』（講談社＋α文庫）は皆さんに是非読んでもらいたい１冊です。この本が書かれた１９９０年代後半にすでに萌芽していたポピュリズムの流れはもう止まりません。ポピュリズムをネガティブにとらえるのではなく、まず自分たちの日ごろの暮らしが一番大切だという考え方だととらえると、対処の仕方が分かってくると思います。
　２０１６年は英国の国民投票でのＥＵ離脱、米国の大統領誕生など世界にとって大きな動きがありましたが、２０１７年も３月にオランダ総選挙、４〜５月のフランス大統領選挙、８〜１０月のドイツ総選挙等、ヨーロッパにとって、そして世界にとって大きく影響を及ぼす流れを作る出来事が目白押しです。多分、ここでポピュリズムの流れが確認される結果になる可能性が高いと思います。そうなると、既得権益を享受している層の思惑通りにならないことになり、どこかで金融や経済が大爆発する可能性があります。私もなるべく時間を作って、超プロの先生と意見交換をしながら皆さんに最新の見方を発信していく１年にしたいと思います。

　そんな流れの中で、日本は安倍一強体制が続いていて政権が安定していることが強みになりそうです。しっかりと政治経済をコントロールして、他国の国益にばかり従わされることなく、独自の主張もある程度認められるように政治経済の運営をどのようにしていけるかが鍵になると思います。アメリカや中国などそれぞれの国益を益々強く主張してくることが確実ですが、クレバーになってうまく対立を避けながら、言うべきことはしっかりと言うことを政府には期待したいと思います。
　２０１８年になると追い込まれ解散になってしまうので、総理としてはできれば今年中の総選挙をしたいところだと思いますが、絶対に勝てる状況を作らない限りなかなか難しい選択を迫られることになりそうです。何が起こるか分からないので、世界のポピュリズムの流れ、つまり政治的に正しい言葉（ＰＣ：ポリティカル・コレクトネス）を使うよりは、まず自分たちの生活を守りたいのだという本音をぶつけ合えるような社会にしていくのが、激動の１年を乗り切るコツのような気がします。

　日本語で言えば、建前よりも本音で素直に話す方が大衆の心をつかめるのです。広義な意味でも嘘は通用しなくなってきています。本音で生きるということは結構難しい事でもあると思っています。今年はそれを目標にしていきたいと思います。どこかで、格好をつけている私を発見したら、どんどん厳しく指摘してください。どうぞ、よろしくお願いいたします。
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