トップが語る、「いま、伝えたいこと」

　アメリカのトランプ大統領は初の外遊先にサウジアラビア、イスラエルを選びました。サミットが開かれるイタリアに行く機会を利用したものですが、いままでの大統領ではありえない選択をするのはさすがだと感じています。ただ、ＦＢＩ長官を解任した余波で特別検察官を任命され、ニクソン大統領を弾劾に追い込んだウォーターゲート事件を彷彿させる「ロシアゲート」の行方に注目が集まっているようにマスコミは報道しています。
　金融的な動きでも、久しぶりにＦＯＭＣ（米連邦公開市場委員会）の議事録に大きな注目が集まっています。ＦＲＢはバランスシートの圧縮（持っている資産を売却すること）を進めていく意向が表明されていて、それならば今年の利上げは３回ではなくて、６月に行われることは間違いないと考えられていますが、３月に行ったものと合わせてその２回にとどまるのではないかという見方が浮上してきています。雰囲気で言うとトランプ以前のように久しぶりにＦＲＢの意向が金融相場を動かしそうな雰囲気が出ています。さすがにトランプ大統領の奇抜な言動に振り回されないようになりつつあるのかもしれません。
　ただ、アメリカの株式市場は２１，０００ドルを超える最高値水準で推移しています。　マスコミはトランプ大統領の揚げ足取りに躍起になっていますが、ある意味低位安定しているトランプ大統領の支持率は下がる気配がなく、いくらマスコミにたたかれても、元々マスコミを信用しなくなった人たちに支持されているトランプ政権の実態をマスコミの報道で知るには無理があるようです。
　個人的には、まだまだトランプさんは余裕を持って政権運営しているようだと感じています。マーケットはそんな政権に対して、ＦＲＢ等の既存勢力がどこまで自分たちの常識を取り戻せるのか、そろりそろりと試し始めているように感じます。その動きを受けて、日本の株式も上げ基調でおっかなびっくりではありますが、近い将来２万円の壁を越えていく可能性は高いように感じています。　

　「舩井さん、最近面白いスピリチュアルのトピックはありますか？　いい霊能者さんがいたら教えてくださいよ」と、話題を持ちかけられることがしばしばあります。
　グループ会社を含めて、精神世界のコンテンツをいろいろと取り扱わせていただいてはいるのですが、正直私自身は目に見えない世界にはほとんど興味がありません。自分自身、この半生の中で人に話すと不思議だといわれる体験をいくつかしていますし、過去、著書にも書きました。ただ、目に見えない世界を、自然科学の範疇を超えてぶっ飛んで解説されると、私自身心がブロックしてしまうようなところがあります。わかりやすく自然の理をふまえながら、地に足のついた生き方のヒントをくださる方は好ましく思いますし、それから、「直感力」にすぐれた人はとても尊敬しますが、それ以上ではないというのが本音です。

　幼児教育や能力開発の七田式の創設者である故・七田眞先生のご子息、七田厚さんは、私が人間的に大好きな方です。聖心女子大学のシスター鈴木秀子先生が「力関係や肩書きなどが通用しない場面で、人がどんなひとのそばにいたいかといえばさわやかな人だ。そよそよと優しい風がさりげなく吹いているような風情の人のもとには自然と人が集まる」とおっしゃっていて、その言葉を聞いたとき、最初に厚さんのことを思い出したくらいです。
　そんな七田厚さんが七田式の原点『大切なことは、みな子供たちから学んだ　〜親の思いを強制しない勇気〜』（眞人堂）という本を上梓されたと知り、厚さんとご両親とのかかわり方を知りたくて早速読みました。
　父・七田眞先生の半生を追いながら、親子関係について考えていきます。厚さんの幼児期から社会人、事業継承をするまでのなかで、父がどのように行動しどのように声をかけてきたかを、現在の厚さんがその意味を読み解いていくような構成になっています。本文の中で紹介されている、眞先生の３人のお子さんにかけた３５の言葉がどれも本当に素敵でした。「自分で剥（む）くのなら、全部食べていいよ」「障子を破ってほしい」ほか、是非、本書を読んでいただきたいと思います。子どもの目線に立ちながらも、気負わず自分も成長していこうとする眞先生の親としての数々の奮闘振りが、たいへんほほえましく、そして子育ての終わった私にも響くものがありました。

　眞先生のことは父も大変尊敬しており、目に見えない世界に関してもたいへん造詣が深い方でした。しかし、いつも発信するものは「いきすぎない」バランスの取れたものがありました。私はそのスタンスを好ましく思っていました。今回、この本を読んでみて、本の主なテーマとは外れるかもしれませんが、七田眞先生の精神世界へのかかわり方を、文中の間に読み取ることができ、なにか意を強くするものがありました。
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