トップが語る、「いま、伝えたいこと」

　なかなか米中貿易戦争の行方が見えません。楽観的な意見が出ると株価が上がり、そのそばから悲観的な見方が出て株価が急落するという繰り返しが続いています。ヘッジファンドが日本株を割安と見ている日経平均が２万円割れの状態にまで、上がり下がりを繰り返しながらずるずると下がっていくのではないかと見た方がいいのかもしれません。そして、２万円を切った段階で買いを入れると２万３千円ぐらいまでは一旦は上がっていくというシナリオが一番考えられるのかもしれません。
　ただ、相場で勝つには集団意識の裏を行くのが大事です。独自の時間感覚を持っている人が相場でも経営でも勝つのではないかという意見を聞くことがありますが、相場の流れが読めてその裏を行くのが勝利の方程式だろうと思います。ましてや、いまは高速取引とＡＩ（人工知能）取引が主流となっているので、先が読めません。極端に言うと、私が上記のような見方をここで書いたことをＡＩが読むと、その反対の流れに相場を持っていこうとすることさえ考えられます。
　何が言いたいかと言うと、投資は自己責任で、他人が書いたり言っていることを信用せずに自分独自のポジションを持つことが大事だと思います。塚澤健二先生のＴ２モデルのような従来のグラフという２次元から立体という３次元でものを見る分析手法が強いのは言うまでもありませんが、ＡＩを使えば１０次元の座標で分析するアルゴリズムを作ることも可能だという話を聞いたことがあります。あまり論理的な分析で相場に勝つ方法は素人にはドンドン難しくなっていると考えた方がいいと思います。
　元山口組系組長である猫組長の書かれた『暴力が支配する一触即発の世界経済』（ビジネス社）を大変興味深く読ませていただきました。トランプ政権のアメリカを巨大な暴力団の論理で読み解くと非常に分かりやすいということが書かれていて、トランプ政権の本質をこんなにうまく解説している本はいままで読んだことがありません。
　暴力が怖くない、つまり死ぬことがあまり怖くない世界に生きている裏経済の住人は儲け話があるとどこにでも出て行く習性があるので、彼らのいまの関心は北朝鮮だという話も、納得できるものがあります。案外、日本の強さはそんなアンダーグラウンドの力なのかなと思わされる本でした。
　どこまで、この見方に賛同できるかどうかは読まれた方がそれぞれ考え、感じればいいと思いますが、世界経済のまったく視点の違う見方に触れていただくのはとても役に立つと思いますので、ぜひ読まれることをお勧めします。

　船井本社グループのオフィス移転のお知らせをさせていただきます。現在の四谷から、今月末をもちまして、港区の三田の方にオフィスを引っ越すことになりました。新しい住所は、〒108-0014　東京都港区芝4丁目5-10　ユニゾ芝4丁目ビル8階　になります。
　四谷に来てから、お向かいの上智大学はニョキニョキとした近代的なビルを増やし、また映画「君の名は」で一躍有名になった須賀神社はみるみるうちに聖地になりました。もともと風情のある街でしたが、ここ数年で人の流れもはっきりと若返ってきたのを感じて面白かったです。
　ビル内に併設されていたセミナールームでは、いろいろなセミナーや講座を開催しておりましたので、にんげんクラブの会員様をはじめ、たくさんの方にご来場いただけたことも良い思い出です。このセミナールーム、「入るだけで気持ちが和み、心がスッと落ち着く」「平日の夜、仕事で疲れて駆け込んでも、今まで受講したどこのセミナー会場よりも集中ができ、内容が頭に入ってくる」と言ってくださる方が多く、うまくイヤシロチ化ができていたのかな、と思っていました。
　皇居にほど近いという立地の力もありますが、スタッフがイヤシロチのための準備は入念に、そして日々のメンテナンスも怠ることなくしてくれていました。四谷は父が亡くなってから初めて私が代表として構えるオフィスでしたので、そのように言っていただけるのが、ある意味目標の１つでもあったことを振り返ると、とても意を強くできるお声でした。これまでご愛顧いただき、本当にありがとうございました。
　次の新天地は、JR田町駅や都営地下鉄三田駅から徒歩数分の、父が船井総合研究所を上場させるためには不動産が必要ということで最初に購入した港区芝3丁目のビルにほど近い場所です。ちなみに、そのビルはいまでも船井総研の所有で、テナントにはトータルヘルスデザインの東京営業所に入居していただいています。なので、何か原点に立ち返るような、気持ちが引き締まるような想いを持ちつつ、私らしく気負わず気取らず、皆様とのご縁を真摯に大事にしていこうと思っています。そして、令和の時代にふさわしいイヤシロチの場を私なりに探求していきたいと思っています。
　新オフィスでのセミナー開催は未定ですが、イヤシロチ化には取り組んでいきたいと思っています。こちらでも何かお知らせできることがありましたらまた書かせていただきます。今後も何卒よろしくお願い申し上げます。
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