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トップが語る、「いま、伝えたいこと」

このページでは、舩井幸雄が(2014年1月19日の舩井幸雄の他界後は舩井勝仁が)いま一番皆様に知ってほしい情報をタイムリーにお伝えしていきます。
毎週月曜日定期更新
2019年7月22日
北海道の恩人 (※舩井勝仁執筆)

 お金の特性はとても強い増殖機能を持っているということです。資本主義が極まってしまって誤解を恐れずに極論を書くと、いまは金融業以外の産業はほとんど儲からなくなりました。お金を使って直接増殖させるのが一番効率良く、世界の常識では一旦お金持ちになると実業をやるという面では働かなくなり、金融投資や金融業を本業にすることでしか稼がなくなります。
 リーマンショック後の世界は金融破綻を避けるために、日米欧という先進国それに中国の政府がとにかく多くのお金を金融市場にばらまきました。才覚のある人は、この機会に財産を築いた人が多くいて、ますます金融市場のプレーヤーやそこに投入される資金量が増えている状態です。
 日本人の倫理観は世界的に見ると不思議でお金持ちになればなるほど謙虚になって社会の中で浮いた存在にならないように気を付けるので、一生懸命本業に汗を流すようになります。そんな感性を持っている日本人には理解しにくいのですが、世界的には金融市場には余ったお金が行き先を失ってうろうろしている状態です。だから、少しのニュースで相場が乱高下するようになっているのです。
 いまは、昔と違ってマーケットで儲けるために、売りから入ることも可能です。ヘッジファンドは元来、一般の投資家とは違って売りから入ることで異次元の儲けを実現してきた人たちです。でも、アメリカで世界中からお金が集まることもあり、どう見ても危ないとみんなが考えている株式市場が史上最高値を更新し続けています。先週も書きましたが、雰囲気がどうもバブルの頃の日本と似ているように感じるので、もしかしたら理屈はつかないのですが、ダウで4万ドル近くまで上がるのかもしれないと思っています。
 そんな直接的な金融至上主義の感性がない日本のマーケットは、ちゃんと調整を何回も繰り返しているので、それほど上がらずにこのまま推移するのだと思いますが、ちょっと気になるのは円高傾向になってきていることです。背景にはアメリカの利下げが確実視されていることもありますが、マーケットの潜在意識は世界一財政状況が厳しいので危ないと言われていますが、日本がやっぱり世界で一番安全だというコンセンサスはできているのだと思います。
 国力があった頃の日本は円高の危機を何度も乗り越え、それによってかえって競争力を高めてきました。いまは、そんな体力がないような気もしますが、米中が直接貿易戦争をしてくれている状態は、ある意味チャンスですし、悪化している韓国との関係も本質的に考えれば対米や対中関係に比べれば影響は格段に小さいので日本側から見ればそれほど気にする必要はないようにも思います。日韓友好は大事なのですが、言うべきことはしっかり言うことも大事なのかなと思っています。

 東京の梅雨明けもそろそろで、肌寒い日の後に猛暑がやってくるというニュースにうんざりしますが、できるだけタフに夏を乗り切りたいものです。心がスッキリするような本を紹介したいと思います。
 「鶴岡トシ物語〜北海道 栄養学校の母」(ビジネス社)。普段手に取らないジャンルの本なのですが、ここ数年お世話になっている東京農業大学網走キャンパスにおられた渡部教授からのお勧めだったので読みました。渡部先生は昨年、現在北海道文教大学の学長になっておられます。
 北海道文教大学の前身は、北海道女子栄養学校と言いますが、その創始者である鶴岡トシさん、鶴岡新太郎さんご夫妻の奮闘記といった1冊です。大正時代に裕福な鶴岡さんが、北海道の食料不足に苦しんでいる道民のために夫婦で移住し、私財を投げ打って、戦中、戦後に栄養指導に尽力しました。現在北海道の自給率200%超えは、このお二人の地道な努力のおかげだという有識者も多いそうです。
 道民のために奔走しているときに栄養失調で息子さんを亡くすとその悲しみを胸に、戦中、戦後すぐの食料品買い出しは想像を絶する苦労が続きます。生徒やその家族には栄養のある食事を工夫して提供する一面の裏に、自分たちは簡素な住まい、規則正しい和の粗食、学校の職員の慶弔ごとがあると、お祝いや香典を必ずふくさに包み、両手で丁重な言葉を添えて1人1人渡す場面など、清貧の中になんとも言えず品格を感じました。
 思えば、私が物理に関心を持ったのは子どもの頃読んだキュリー夫人の伝記が心に深く根ざしているからです。湯川秀樹さんの伝記における、湯川さんの研究のひらめきのプロセスは子ども心にハッとさせられた方も多いのではないでしょうか。私は、今でも煮詰まった時に思い出しては自分を奮い立たせるに材料になっています。
 大人になると、仕事に役立つジャンルの本を手に取ってしまいがちですが、たまには全く普段の生活からほど遠い分野のものにあえて触れてみると思わぬ刺激になるということを今回実感しました。伝記は、究極の自己啓発本なのかも知れない、そんなことを考えました。
                                           =以上=

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