トップが語る、「いま、伝えたいこと」

　猛暑もようやく少し和らいでくる兆しが見えるようになってきました。この原稿は金曜日の朝に書いているのですが、マーケットの注目は日本時間で金曜の夜に予定されているパウエルＦＲＢ議長の講演に集まっています。ここで、利下げに対してどんな発言をするかで当面の相場の行方が決まるからです。
　それにしても中央銀行のトップというのは難しい立場にありますね。異例の二期目の役割を果たしている日銀の黒田総裁の気苦労は本当に大変なものがあると思いますが、こちらも総理大臣と同様になかなか代替の人がいないという気がしなくもなく、安倍総理と黒田総裁が退任された後に大きな変化があるような気もします。
　一度だけ、日銀の白川前総裁のご講演を聞いたことがあります。とても楽しみに出かけたのですが、結論から言うと一般論に終始して何も面白い話は聞けませんでした。当たり前ですが、日銀のトップの発言を市場は固唾を飲んで注目しているわけですから、面白いことを話せるわけがありません。マーケットはそれでもニュアンスからその意図をくみ取ろうとしますので、ますます慎重になるのだと思います。表面上はその辺にまったくこだわらず言いたいことを言っているトランプ大統領のプレッシャーを受けながらの講演は本当に大変だと同情したくなります。
　このブログを読んでいただいている皆さまは結果を知っていることになりますが、想像するとそれほどサプライズな発言ができるわけはなく、大筋では市場の期待通りの発言をされることになると思います。市場がそれをどう解釈するかは分かりません。すでに折り込み済みなのでたとえ利下げに前向きな発言をしたとしても下げるかもしれませんが、無難にこの山を乗り越えるのだと思います。
　ただ、秋に向けて相場のマグマがどんどん溜まっていくような気もしています。私は無理やりの楽観論で、何とか今年中の大暴落は避けて欲しいなあと思っていますが、それが起こる可能性も十分考えられますので、兆候には気をつけていなければと思っています。知り合いの識者の方々が、相場にだけというわけではありませんが、いろいろな世界の現状にかなり危機感を持っているというお話を教えてくれることが多くなりました。いよいよ大峠を迎えるのかもしれないという覚悟を決めておくのは大切なことかもしれません。

　待望のKan.さんの秋のセミナーが決定しました。タイトルは「五風十雨」。五風十雨とは、五日に一度風が吹き、十日に一度雨が降り、日本の四季にあった豊作になるちょうど良い天気という意味です。またこの言葉は、世の中が平和で安泰であることの意味でも使うそうです。逆読みをすると、とても意識力の強い参加してくださる皆さまがそのような想いをもっていただくことがとても大切なのかなと思ったりもしています。
　このタイトルを初めに聞いた時、とてもKan.さんらしいと感じました。Kan.さんの経歴は、このコラムを読んでくださっている皆様はすでにご存知の通り、「偉業」ともいうべきとても人間離れしたものなのですが、私はお会いする機会を重ねていくごとに何かほっとするものを強く感じます。
　シスターで文学博士の鈴木秀子先生が、以前、「究極の人間のあり方の目標は、地位や肩書きではなく、気がつけば他の人がそっと側に寄りたくなるような人。涼やかなたたずまいで、かつ温かい風を吹かせている人を嫌いな人はいませんよね」とおっしゃっていたのを、Kan.さんにお目にかかる時、いつも思い出す私です。
　きっと、その穏やかで安心感のあるたたずまいはご自身の中で「五風十雨」のサイクルがしっかりと根付いているからでしょう。また今回のサブタイトルは「見守ること」とついています。この意味はまだ詳しく伺っていないのですが、当日のトークにとっておきましょうか。
　また、当日、会場では会報誌の連載をまとめた『Kan.さんに訊く。Vol.２』を発売いたします。こちらは、編集者の児玉裕子さんが一般人の目線で、Kan.さんに日常生活の中でよりよく生きていくためのテーマを質問していくのですが、ことごとく人生における概念を覆すようなKan.さんの発言がとても面白いです。
　「他の出版社のご著書では読めない濃いものになっていてびっくりしました。何冊自己啓発本を読んでも何も変わらないと嘆いていた連れ合いに勧めてみたら、びっくりするくらいのハマりようで、これは『聖書のようにいつも手元に置いておかなくては』と持って行ってしましたので新たに注文しました！」という感想をvol.1を読んでくださったにんげんクラブの会員さんより頂いております。
　是非『Kan.さんに訊く。Vol.１』もお読みいただきたいと思います。セミナーは、 2019年10月6日（日）にパシフィコ横浜５階会議センターで開催します。時間は11：00 〜18：30といつものように少々長丁場ですが、きっといつも通りあっという間でしょう。お申し込み、お問い合わせをお待ちしています。
→ https://pg.ningenclub.jp/kan/
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