トップが語る、「いま、伝えたいこと」

　先週の悲観論から一転して相場は下値を確認したというような観測がなされるようになってきました。アメリカでは史上最高値も視野に入ったということで、本当に何が何だか分からなくなってきました。米中貿易摩擦も香港の問題もBrexitの問題も根本的には何も解決していないのに、それぐらいマネーの行き先がなくなっているのかなと思います。　根本的な問題が片付いていないのですから、またすぐに乱高下することになると思いますが、ドル高になりながら金が高くなるという矛盾したマーケットの動きが出てくるぐらいですので、まだもう少しは上昇基調が続くような気もします。
　それにしてもニュースでイギリスの議会の様子をみていると面白いですね。日本の国会中継は退屈だなと感じてしまいますが、さすが議論の本場は違うなと思います。立ち見で議会に参加している議員がたくさんいるのは、全員分の席がないそうで、日本人の感覚からすると信じられませんが、それよりも伝統を大事にしているということなのかもしれません。それにしても、ジョンソン首相という本音しか言わないリーダーが現れるのはイギリスの政治が過渡期を迎えているのかもしれません。
　ジョンソン首相が第二次世界大戦の時に、ナチスの圧倒的な攻勢の前に絶体絶命だったイギリスを不撓不屈の精神で勝利に導いたチャーチルのことを書いた『チャーチル・ファクター』（プレジデント社）という本があります。チャーチル首相が如何に変わったリーダーであったかということがよく分かってとても楽しかったのですが、ジョンソン首相もこのイギリスの変革期に、常識的な対応をしている場合ではないという点で共通点を持っているような感じがします。
　安倍総理もロシアのプーチン大統領と27回目の首脳会談をこなすなど、大変な努力をしていますが、世界の地政学的な様相がかなり変化してきていてなかなか思い通りになりません。悲願の憲法改正をやり切れるかどうかも含めて、やっぱり正念場を迎えているのだと思います。憲法の話で言うと、面白かったのは少し前の本になりますが、井上達夫、小林よりのり著『ザ・議論！ 「リベラルVS保守」究極対決』（毎日新聞出版）です。　いままでのように、リベラルと保守が接点を持たないのではなく、お互いに議論を噛み合わせていく努力はしなければいけないのだなという風に思います。
　そうすれば、日本の国会もイギリスの下院なみに面白くなるのかもしれません。ただ、議論をせずに阿吽の呼吸で互いの気持ちを折り合わしていくという日本的な合意形成のやり方も悪くはないと思いますので、そのバランスなのだと思います。

　Kan. さんのにんげんクラブ主催のワークプログラム「五風十雨〜見守るということ」の開催が決定し、こちらのコラムでもご紹介させていただきましたら、連日かなりの申し込みをいただいているようで、大変嬉しく思います。10月6日（日）に、神奈川のパシフィコ横浜会議センター5階で7時間というじっくりとしたプログラムになります。
毎回参加してくださっている人と先日少し話したのですが、「椅子の配置などのせいでしょうか、とてもゆっくりと安らげ、そして自分に向き合うことができました」という感想を言ってくださいました。実はこの方は前回の開催の際、超著名人のお席の隣だったそうで、あまりにも驚いて、もしやと思っていたものの、その方も自然に参加者に混じって最後まで席を立つことなく、気負いなくワークをされていた姿に「実に舩井さんのところらしいな」と思ったそうです。とても嬉しいことです。
　Kan.さんのワークプログラムは毎回、参加する人の一人一人のペースで言葉を受け止め、自分の内面に問いかけていくいい意味での「行きつ戻りつ」する時間がとても心地いいのです。前述の方も「その時だけわかったような気にならない。必ず自分の中に響き、その時は難しいと思っても後日じわじわと答えがやってくる。このじわじわ感が毎回『キタ〜』って感じでやみつきなんですよね」とおっしゃっていました。
　私も皆さんと同じ目線で、お話をうかがい、わからないことは素直にKan.さんに質問してみることにしています。「本当の愛とは、その人自身が自分で答えを見出させるよう辛抱強く寄り添うこと」と教えてくれた人がいましたが、皆さんにとってkan.さんからもそのような大きな愛を感じるひとときになると思います。一人のご参加でも全く問題なく、落ち着いた時間を過ごしていただけますので、どうぞ1度は体験していただきたいと思います。詳細は（https://pg.ningenclub.jp/kan/）までよろしくお願いいたします。
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