トップが語る、「いま、伝えたいこと」

　いよいよアメリカの大統領選挙まで2週間余りに迫りました。衰えたりとはいえ、世界唯一の超大国のリーダーを選ぶ選挙ということは世界のリーダーを選ぶ選挙ですので、私たちの生活に大きな影響を与えるのは間違いありません。ザ・フナイや新・舩井メールクラブにご執筆頂いている先生たちはほとんどトランプの勝利を予想していますし、トランプが勝つことが私たちにとってはいいことではないかという意見をお持ちのように思います。
　おおまかには私も賛成なのですが、やはりトランプ大統領が世界のリーダーだった4年間はそれまでの社会とは明らかに違った社会だったとは感じています。オバマ大統領までは少なくともタテマエはアメリカが世界のリーダーなので、世界的な問題、例えばコロナ禍のようなことがあればアメリカがリーダーシップを発揮してどう対処するかの方法論を立てる体制ができましたが、トランプ大統領はアメリカ以外のことにはほとんど関心がありません。
　また、WHO（世界保健機関）が中国寄りの姿勢を見せていることに対して怒りを爆発させており、これもリーダーシップを取れない状態なので、残念ながら各国がバラバラに対処している状態になっています。日本や東アジアの国は幸いにも感染の広がりがおさえられているからいいのですが、インドやブラジルなど感染爆発している途上国にとっては、先進国が何もしてくれない由々しき事態が出現してしまっているのではないでしょうか。
　そんなことを考えると、一般のメディアの論調に乗せられて、トランプ大統領は負けるのではないかなと思ってしまうのですが、知り合いの識者や友人たちのうち、未来が見通せる能力があると思う人と話をしているとやはりほとんどの人が、トランプが勝つような気がすると言います。だから、4年前の反省を活かして今回は下手な予想はやめておこうと思います。極端な人だと、今回選ばれる大統領がアメリカの最後の大統領になるかもしれないという人もいますので、それぐらいダイナミックな時代に生きていることを感謝したいと思います。

　今年もあと２ヶ月あまりになりました。例年、何度か書かせていただいたことですが、私は新しい年を良い年にするためには「11月」がもっとも大事だと思っています。師走の声が聞こえ始める「12月」になると時間のスピードがやたら早く感じられます。あれもこれもと思っているうちに、クリスマスソングが街から流れ始め、焦っているうちに紅白を見ながら掃除、なんてことを体験された方も多いのではないでしょうか。そのためにも半月早い行動が、特に年末は肝要だと感じます。
　親しい友人の主婦の人から、理想は12月上旬にやってくる二十四節気の大雪の頃に大掃除から年賀状の手配まですべて終わらせることです、と教えてもらいました。今年は、特に春から夏の自粛期間がありましたから、1年のサイクルが、無自覚にどこかで錆びついていると、知らず知らずに詰まっている可能性もあります。それをほぐして解く時間も、加えて必要だと思っています。
　そんなことを考えているときに、感情コンサルの押野満里子さんから「未来の私は笑っていますか？　一瞬で心が軽くなる感情セラピー」（VOICE）という１冊をいただきました。前書きで「これまでの自己啓発本では、ありがとうを何回も言うとうまくいく　成功したいなら早起きをしよう 高級レストランで食事をするとセルフイメージが上がる　などがありますが、私も含めこのようなものを試しても違和感があり苦しくなった人のためにこの本を書きました」というところに思わず微笑んで、本章へとページを進めました。
　全編にわたって、心を軽くすることに特化してある感情セラピー、確かに3,000件以上のクライアントの悩みを救ってきた押野さんらしいヒントがぎっしり詰まっています。何かを無理して手放したり、自分を丸ごとリセットしましょうというようなことも書かれておらず、自己啓発本を読みまくり、セッションを受けすぎて、頭と心がパンパンになっている周りの知り合いの顔が何人か浮かび、ぜひ勧めたいと思いました。
　自分でできるマインドのケアについてもしっかり書かれていて、考えるのが得意なら「思考型ケア」苦手なら「感情ケア」というところは、カウンセリングの世界では常識でも、一般の人にわかりやすくおろしてきている本は珍しいと感じましたので、こちらは是非みなさんに読んでいただきたいところです。
　1年の棚卸し、仕事や家のことだけでなく、自分の内面も疎かにしないほうがいいと私も考えます。読みやすい１冊ですので、例年になく緊迫して心の休まらなかった2020年の心のケアをこの本でぜひお勧めします。
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