トップが語る、「いま、伝えたいこと」
海外市場で金が最高値を更新しています。利下げ観測が出てきたということで、ニューヨークダウも今年の最高値に迫っているのですが、同時に金も買われて価格が上がっているという少し不思議な構図です。今回のインフレ前の状態、すなわちアメリカ経済に対する懸念は十分に感じているものの、金余りで資金の行き先がないのでこわごわ優良株を買っている。でも、同時に何か起こった時のために安全資産である金も買っておこうという心理が働いているのかもしれません。最近は、アメリカ株よりも日本株の上昇が注目されていたような気もしますが、利下げとなると元に戻って、アメリカは大きく上昇しても日本はそれほどでもないという状態が戻ってきたように思います。
国内の金価格も12月1日(金)には田中貴金属工業による小売価格は1グラム、10,719円で最高値を付けたという小さい記事がマーケット欄に載っていました。7日間の戦闘休止期間が終わり、イスラエル軍はガザでの攻撃を開始したというニュースも流れ、地政学的な懸念が大きくなっていることも背景にはあるのかもしれません。
まったく個人的な意見になりますが、最初は今度のイスラエルの行動はいままでと違った徹底的なものにならざるを得ないという感じがしていましたが、7日間の休戦が実現したことなどを考えると、双方とも落としどころを探っていることがうかがえ、このまま第3次世界大戦に突き進んでいくことはないのではないかと思います。
しかし、とにかく来年はアメリカ大統領選挙の年であり、アメリカでの分断がますます進むであろうということは容易に予想できます。それは、相対的なアメリカの力を弱めることになりますので、幕末に徳川幕府の力が弱まっていったのと同様で世界はこれから混乱期に入っていくことになります。トランプ大統領が再び選ばれるのかどうかはわかりませんが、どちらにしてもただではすまないという雰囲気は充満してきているような気がします。
ヨーロッパでは移民排除を訴える極右勢力の台頭が著しいですし、比較的落ち着いているとは言え、日本も決して盤石な内閣ではないことを考えると不安を感じます。
舩井幸雄の考え方は、そんな時代だからこそ私たちの集合意識をフル稼働させて、大難を小難にするような方向に世の中を動かすようにならなければいけないというものでした。
中東の世界平和を考えていく上では、私たちの力は大きくないのかもしれませんが、家庭の平和やそもそも自分の内面の平和を確立していくことは、個々の私たちが責任を持っている重要なことだと思います。ここをしっかりと直視して整えていくことが、ますます大事な時代になってきたと感じています。
本日、紹介する書籍は、副島隆彦先生の「金融恐慌が始まるので金は3倍になる」(祥伝社)です。毎年、同じ出版社から出し続けているエコノグローバリストシリーズも本書で26冊目。
財産をどのようにして守っていくべきだということを教えてくれる副島先生の真骨頂ともいえる力作を毎年楽しみにしています。金が最高値を更新しているという記事を紹介しましたが、副島先生は大胆にも1グラム3万円になることを予想しています。そして、できれば金貨で持つのがいいということや、具体的にどのネットショップで買うべきかまで懇切丁寧に教えてくれています。読者の立場に立った作家としては、見習わなければいけない姿勢だと思います。
今回は、アメリカの弁護士であり投資銀行家でもあるジム・リカーズ氏をアメリカの副島隆彦という風に捉えて、日本の専門知識のない読者にもわかるようにその重要な記事の解説をしてくれています。
副島先生のもう一つの真骨頂は持ってまわった言い方をせずに、素人でもズバリわかるように解説してくださるところだと思っています。私も勝手に副島先生の不肖の弟子を自任していて、政治経済金融の基本的な見方は副島先生から学びました。金は父が買っておくようにいったのに反抗してそれほど多くは買いませんでしたが、私のお金の先生であった故・竹田和平さんではありませんが、何かの時の備えとして金を持っておくことは大事なことだと思っています。
もう一つ、本書で気になったのは、今回の金融恐慌はアメリカの金利が上がっていくことで始まるのではないかという見方です。金融機関の方と話していると、投資バランスを考えると外債への投資がいま一番お勧めですという言い方をする人が増えてきているような気がしています。個々の営業マンには悪気はまったくないと思いますが、ひとつのサインとして彼らがそろって勧めるものが一番危ないのではないかという経験則のようなものをぼんやりとですが感じています。株式に比べて歴史も浅くて暴落時の対処方法も確立していませんので、一般的には株よりも安全資産とみられている債券が危ないかもというのは重要なヒントになるのかもしれません。
原点に戻って、副島本をじっくりと読み返してみたいと思っています。舩井幸雄も副島節が大好きでした。理由は、やっぱり単純明快に教えてくれるところだと思っていますので、先生独特のタッチを楽しみながら本書をお読みいただければと思います。
=以上=
2023.12.18:【いま 一番知らせたいこと 、言いたいこと】最強の介護施設 (※舩井勝仁執筆)
2023.12.11:【いま 一番知らせたいこと 、言いたいこと】「自由に我慢できること」が自由? (※佐野浩一執筆)
2023.12.04:【いま 一番知らせたいこと 、言いたいこと】金融恐慌が始まるので金は3倍になる (※舩井勝仁執筆)
舩井 勝仁 (ふない かつひと)
株式会社船井本社 代表取締役社長 1964年大阪府生まれ。1988年(株)船井総合研究所入社。1998年同社常務取締役 同社の金融部門やIT部門の子会社である船井キャピタル(株)、(株)船井情報システムズの代表取締役に就任し、コンサルティングの周辺分野の開拓に努める。 2008年「競争や策略やだましあいのない新しい社会を築く」という父・舩井幸雄の思いに共鳴し、(株)船井本社の社長に就任。「有意の人」の集合意識で「ミロクの世」を創る勉強会「にんげんクラブ」を中心に活動を続けた。(※「にんげんクラブ」の活動は2024年3月末に終了) 著書に『生き方の原理を変えよう』(2010年 徳間書店)、『未来から考える新しい生き方』(2011年 海竜社)、『舩井幸雄が一番伝えたかった事』(2013年きれい・ねっと)、『チェンジ・マネー』(はせくらみゆき共著 2014年 きれい・ねっと)、『いのちの革命』(柴田久美子共著 2014年 きれい・ねっと)、『SAKIGAKE 新時代の扉を開く』(佐野浩一共著 2014年 きれい・ねっと)、『聖なる約束』(赤塚高仁共著 2014年 きれい・ねっと)、『失速する世界経済と日本を襲う円安インフレ』(朝倉慶共著 2014年11月 ビジネス社)、『智徳主義【まろUP!】で《日本経済の底上げ》は可能』(竹田和平、小川雅弘共著 2015年 ヒカルランド)、『日月神示的な生き方 大調和の「ミロクの世」を創る』(中矢伸一共著 2016年 きれい・ねっと)、『聖なる約束3 黙示を観る旅』(赤塚高仁共著 2016年 きれい・ねっと)、『お金は5次元の生き物です!』(はせくらみゆき共著 2016年 ヒカルランド)がある。 |
佐野 浩一(さの こういち) 株式会社本物研究所 代表取締役社長 株式会社51コラボレーションズ 代表取締役会長 公益財団法人舩井幸雄記念館 代表理事 ライフカラーカウンセラー認定協会 代表 1964年大阪府生まれ。関西学院大学法学部政治学科卒業後、英語教師として13年間、兵庫県の私立中高一貫校に奉職。2001年、(株)船井本社の前身である(株)船井事務所に入社し、(株)船井総合研究所に出向。舩井幸雄の直轄プロジェクトチームである会長特命室に配属。舩井幸雄がルール化した「人づくり法」の直伝を受け、人づくり研修「人財塾」として体系化し、その主幹を務め、各業界で活躍する人財を輩出した。 2003年4月、(株)本物研究所を設立、代表取締役社長に就任。商品、技術、生き方、人財育成における「本物」を研究開発し、広く啓蒙・普及活動を行う。また、2008年にはライフカラーカウンセラー認定協会を立ち上げ、2012年、(株)51 Dreams' Companyを設立し、学生向けに「人財塾」を再構成し、「幸学館カレッジ」を開校。館長をつとめる。2013年9月に(株)船井メディアの取締役社長CEOに就任した。 講演者としては、経営、人材育成、マーケティング、幸せ論、子育て、メンタルなど、多岐にわたる分野をカバーする。 著書に、『あなたにとって一番の幸せに気づく幸感力』(ごま書房新社)、『ズバリ船井流 人を育てる 自分を育てる』(ナナ・コーポレート・コミュニケーション)、『私だけに教えてくれた船井幸雄のすべて』(成甲書房)、船井幸雄との共著『本物の法則』(ビジネス社)、『あなたの悩みを解決する魔法の杖』(総合法令出版)、『幸感力で「スイッチオン!」』(新日本文芸協会)がある。 |