トップが語る、「いま、伝えたいこと」
しばらくご無沙汰しておりました……。
病気療養中の間、この『トップが語る、「いま伝えたいこと」』の原稿は、毎週、舩井勝仁社長にお願いしておりました。勝仁社長、本当にありがとうございました。
少しずつ、日常を取り戻してきておりますので、当面の間、月の第1週目を担当させていただくことにしました。あらためまして、よろしくお願いいたします。
さて、脳梗塞で約2週間入院しました。
よく聞かれるので、少々経緯をお伝えしますね。
最初は、「思ったことが、きちんと言葉にならない」こと、「思ったことが、(ワープロで)書けない」ことから始まりました。ちょうど、その前にインフルエンザで寝込んでおりましたので、「その影響かな……」と思っていたのです。
12月28日のこと。
やっぱりちょっと心配なので、家内にそのことを伝えました。その後、家内が、運営する「あたみ・パンダの森ほいくえん」の先生方につぶやいたところ、(実は、先生のお一人が“経験者”だったのです……)「すぐに病院に行った方がいいよ」と鶴の一声!
あわてて、近くの大学病院に行ったところ、即入院!
見事に年末年始は病院暮らしで、事実上、今年の正月は見事、なかったことになってしまいました。
入院中、看護師さんから、「水分補給」を何度も促され、あらためて「水分補給」の大事さに気づかされました。日本人の死亡原因の多くを占める脳梗塞や心筋梗塞。その最大のリスク要因のひとつに、体内の「水分不足」があげられるようです。
自身の生活を振り返ってみると、明らかに「水分補給」が足りない!よく考えてみると、日ごろ持ち歩いている水筒も、中身は「コーヒー」。これでは、「水分補給」にはならないわけです!もっとも、脳梗塞の原因は、他にもいろいろ考えられるのですが……。
脳梗塞や心筋梗塞には、血液中に含まれる脂肪が多い“ドロドロ血”や、高血糖の“ベトベト血”などといった血液の異常が大きく関与します。脱水状態ではこうした血をさらに濃縮させることとなり、脳梗塞や心筋梗塞を引き起こしやすくなります。
気温の変化も、血液の濃度に深く関係します。気温が高い時は、体内の熱を発散しようと血管が拡張することで血圧が低下しますが、汗をかくことで水分と塩などの電解質が失われ血液が濃くなり、血管が詰まりやすくなります。
なぜ脳梗塞の予防が水分でできるのかというと、脳梗塞は「脱水」によって発症するリスクがあるためです。脱水とは、身体の水分が失われている状態です。脱水になると血液の粘稠度が増して、ドロドロの状態になります。血栓(血液の塊)ができやすくなり、血栓が脳の血管に詰まると脳梗塞を発症します。脱水による脳梗塞を予防するために、水分摂取が必要となります。
脳梗塞予防のための水分摂取量は「体重60sの成人男性だと1.2L必要」と言われています。1.2Lは飲む水の量であり、食事でも水分摂取していることを前提としています。食事では野菜や煮物、スープなど、あらゆるものから水分を摂取しています。
ぼくたちの体の中には、たくさんの水分があります。体重1sあたりに含まれる水分量(体液量)は年齢によって違い、新生児でおよそ80%、成人男性で60%、成人女性で55%、高齢者では50%ほどと、年齢とともに減少していきます。
また、体内の水分量は、摂取と排泄により一定に調節されています。たとえば(比較的穏やかな環境で普通に生活している)体重70kgの成人男性では、1日のうちに2.5Lの水を摂取し、排泄するとされています。
体の調子は、入る水分と出る水分が一定に調整されていることでうまく整えられているため、このバランスが崩れると、体の不調をきたします。例えば、気温が高くなると汗をかくため出る水分が多くなります。出る水分と同じだけの水分が入らないと(補給できないと)、「脱水」の状態になります。
人は水があれば、食べ物が無くてもしばらくは生きながらえることができます。一方で、体内の水分量の5%を失うと脱水症状や熱中症の症状が現れ、10%を失うと筋肉の痙攣や循環不全が起こり、20%が失われると人は死にます。のどの渇きは、1%程度の水分が失われると感じるようになり、「脱水」と同じ状態になっているといわれています。
脱水は、血液中の水分も減少させている状態であり、血液がドロドロ状態になっています。
ドロドロの血液は血管内に「血栓」を作りやすくしますが、脳血管を詰まらせてしまうことで起こるのが脳梗塞、冠状動脈を詰まらせてしまうことで起こるのが心筋梗塞です。こうした疾患は冬に多く発生すると思われがちですが、実は暑い季節の脱水が要因となり発症することも多いのです。特に夏は寝ている間にもたくさんの汗をかきますし、血栓ができやすい状態なのです。
70sの成人男性は飲料として1.2Lの水分が体に入ってきている計算です。この数字を目安に、汗によって出てしまった量に見合った水分を摂取する必要があります。しかし、水分を摂取してもそれが体に浸透するのに20分ほどかかります。また、一度にたくさんの水分を摂っても、体はうまく吸収することができません。つまり、水分はこまめに少しずつ、のどが渇いたと感じていなくても意識的に摂ることが大切なのです。
就寝中の水分不足に備えて、夜寝る前と朝起きた後、それぞれコップ1杯ずつを飲むことを推進しています。そのほか、スポーツ中及びその前後、入浴前後は当然です。夏の日中など汗をたくさんかいた際には、塩分などの電解質の補充も忘れないようにしたいですね。注意点として、アルコールや多量のカフェインを含む飲み物には利尿効果があるため、かえって脱水、血液ドロドロを招くことになります。
水分補給の頻度は、1時間半〜2時間おきにコップ1杯(200ml)の水を飲むのが目安で、水を飲むタイミングは以下の6つです。
@起床後
寝ている間、体内ではコップ1杯分の水分を代謝し、汗をかいているので、起床後は脱水状態になっています。起床後は、できるだけ体に負担のかからない常温水か白湯を飲みたいですね。
A食事の30分前
食事中に水をたくさん飲むと消化酵素が薄まり、消化不良を起こす可能性があります。食事の30分ほど前に水を飲むと、食べ過ぎを防ぐ効果があります。
B喉の渇きを感じる前
喉の渇きは、体内の水分不足のサインです。水分不足を放置すると、脱水症状や熱中症などの健康被害につながる恐れがあります。
C運動前後
体重の2%の水分を失うと軽い脱水症状を起こすことがあります。運動の約30分前から
水を飲み始め、運動中は15分おきに水を飲むようにしましょう。
D入浴前後
入浴後は水分の蒸発により血管が詰まりやすくなります。入浴の前後にコップ1杯の水を飲むと、発汗が促され、汗で失われた水分を補えます。
E就寝前
水分が足りていないと就寝中に脱水状態が続きます。就寝30分前にハーブティーや白湯などのノンカフェインの飲みものを取ると、安眠効果や脱水予防にも効果的です。
入院中、暇なので、「水分補給」について、勉強しました。
ぼくは、健康についても講演やセミナーなどでお話するのですが、一番守れてなかったのは「自身の健康」でした。
いまは、コーヒーの代わりに水をボトルで持ち歩いています。
感謝

2025.05.05:【いま 一番知らせたいこと 、言いたいこと】あらためて、考えさせられました…… (※佐野浩一執筆)


舩井 勝仁 (ふない かつひと)
![]() 1964年大阪府生まれ。1988年(株)船井総合研究所入社。1998年同社常務取締役 同社の金融部門やIT部門の子会社である船井キャピタル(株)、(株)船井情報システムズの代表取締役に就任し、コンサルティングの周辺分野の開拓に努める。 2008年「競争や策略やだましあいのない新しい社会を築く」という父・舩井幸雄の思いに共鳴し、(株)船井本社の社長に就任。「有意の人」の集合意識で「ミロクの世」を創る勉強会「にんげんクラブ」を中心に活動を続けた。(※「にんげんクラブ」の活動は2024年3月末に終了) 著書に『生き方の原理を変えよう』 |
佐野 浩一(さの こういち)![]() 株式会社51コラボレーションズ 代表取締役会長 公益財団法人舩井幸雄記念館 代表理事 ライフカラーカウンセラー認定協会 代表 1964年大阪府生まれ。関西学院大学法学部政治学科卒業後、英語教師として13年間、兵庫県の私立中高一貫校に奉職。2001年、(株)船井本社の前身である(株)船井事務所に入社し、(株)船井総合研究所に出向。舩井幸雄の直轄プロジェクトチームである会長特命室に配属。舩井幸雄がルール化した「人づくり法」の直伝を受け、人づくり研修「人財塾」として体系化し、その主幹を務め、各業界で活躍する人財を輩出した。 2003年4月、(株)本物研究所を設立、代表取締役社長に就任。商品、技術、生き方、人財育成における「本物」を研究開発し、広く啓蒙・普及活動を行う。また、2008年にはライフカラーカウンセラー認定協会を立ち上げ、2012年、(株)51 Dreams' Companyを設立し、学生向けに「人財塾」を再構成し、「幸学館カレッジ」を開校。館長をつとめる。2013年9月に(株)船井メディアの取締役社長CEOに就任した。 講演者としては、経営、人材育成、マーケティング、幸せ論、子育て、メンタルなど、多岐にわたる分野をカバーする。 著書に、『あなたにとって一番の幸せに気づく幸感力』 |
