トップが語る、「いま、伝えたいこと」
私は富士山が大好きです。
この富士山を主として画き、それを「ろうけつ(臈纈)染め」に仕上げている画家兼染色家の友人がいます。
中村今代さん(80才)が、その人で、すばらしい人間性の方なのです。富士河口湖町の住人であり、河口浅間神社の鳥居のそばに御自宅があります。
私は「ろうけつ染め」の富士山の絵を、お世話になった人に贈りたくて、先週、その出来上り具合を見るために中村さん宅を訪ねました。
「ろうけつ」というのは、漢字で分るように「月と日を一緒に地球上の植物で包みこんで一体化した染め」というのが私の解釈ですが、半永久的な染めと言ってもいいし、独特の風味があるので私は大好きなのです(中村さん宅の電話番号は0555−76−7453です)。
ちなみに平凡社の百貨辞典には、つぎのように説明されています。
ろうけち(臈纈)
蝋染の古名。〈ろうけつ〉ともいう。蝋で帛布の部分を覆って防染することにより、模様を染めあらわした染色品。中国では新疆(しんきょう)の民豊県ニヤの東漢墓(2−3世紀)から蝋染の木綿布が発見されており、非常に早い時期にこの蝋の技法が流入していたことがうかがわれる。〈一切経音義〉にみる西国の〈蝋点纈〉とは、おそらくこうしたものを指したのであろう。隋・唐代には絹地の蝋染が発達し、日本にも飛鳥・奈良時代に伝えられた。正倉院伝世の臈纈にみる特徴は、蝋で模様を置くのにスタンプのような型が用いられていることで、こうした型を1種あるいは2種組み合わせて単位模様とし、これを並列あるいは散らし模様としてあらわしたものが多い。また、単位模様をさまざまに使いわけ、併せ用いて、より大きな図様を構成する場合もあり、〈臈纈屏風〉のように、立木の下に象や羊を配した絵画的なものもつくられている。こうした大模様の場合には、型のみでなく筆による修正が行なわれていることも見のがせない。染色は単色染のものが多いが、色を重ねながら蝋を置き加えていったと思われる多色染のものもある。
奈良時代を過ぎるとまもなく、日本では臈纈の技術は衰微し、以後近代に至るまで中絶してしまう。これはおそらく平安時代の貴族の服飾形態からくる織物偏重の風潮と、また遣唐使の廃止により、公の交易が閉ざされるにつれ、蜜蝋のような染色素材の流入が絶たれたことに起因するものと思われるが、その経緯は明らかでない。近世になると、江戸後期の小袖の雛形本のなかに〈ろうぞめ〉と記されたものがみえ、若干蝋染が行われていたと思われるが、その作例は今日まったく残っていない。したがって一般には、いわゆる蝋染の普及は明治以降と考えられている。近代の蝋染は奈良時代の臈纈とはまったく系統を異にし、ジャワのバティックから新しく技術を学びとったものである。臈纈との大きな違いは、蝋置きに型を用いるようなことをせず、蝋を筆につけて模様を自由に描いていく傾向が強い。その技法は現在も染色作家たちによって活用されるほか、手芸的な皮染などにも応用されている(転載ここまで)。
ところで、この中村さん宅へ着いた直後、2人の男性が私を訪ねて見えました。通称「山の神社」で知られている富士吉田市の新屋山(あらややま)神社の氏子の代表の方たちで、「船井先生のおかげで、山の神さまへの参拝客が、何倍にもふえました。きょう、先生が中村さん宅にお出でになると聞いたので、お礼に参りました」と挨拶されてびっくりしました。
私は富士山の近くに行った時は、時間の余裕がある際には、時々ですが「超イヤシロチ」であり、気持ちもよくなる二つの「お宮さん」にお参りします。一年に1〜2回あるでしょう。
一つは河口湖浅間神社です。
あと一つは、山の神社の「奥の宮」です(これは富士山の頂上のほぼ真東で、富士山の二合目くらいにあります)。
この二つの「お宮さん」に行きますと、大体よいことがありましたので、そんなことをブログに載せたことがあるのを思い出しました。
それで「山の神社」に参拝客が増えた……ということですが、ともかく挨拶に見えられた場所が河口湖浅間神社の境内といってもいい中村さん宅だっただけに、そのシンクロニシティに、よりびっくりしたのです。
私は去年3月から体調を崩して困っていたのですが、たしかに、この日を境に私の体調が目に見えてよくなって来ましたのでこの日の霊顕があったのかも知れません。
ちなみに、新屋山神社のホームページ(http://www.yamajinja.com/)には、たのしいことがいろいろ書かれています。
金運神社として特に「奥の宮」は有名なもようです。
もし、今度富士山の近くに行かれた時は、よろしければぜひこれらのところも訪ねる計画をしてみてください。ともかく二つのお宮さんといい、中村さん宅といい、行っている人は、よい人ばかりのようなのです。よろしく。
=以上=
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