トップが語る、「いま、伝えたいこと」
ところで先日私が週刊新潮の高山正之さんの「変見自在」の記事のファンだということを、このブログにのせたところ、「そこにはどんなことが書いているのだ」という問い合せがかなりありました。
そこで2月28日号の週刊新潮の高山さんの記事の一部だけをここに紹介することにします。
日本は敵
英国の旅行家ガートルード・ベルはシリアを旅したとき、無口なベドウィンが夜ごと集まって嬉しそうに騒ぐのに気付いた。
話題は地の果てで行われていた日露戦争だった。
彼らはなぜか最新の情報を持っていて、日本軍の勝ち戦を「まるで自分たちの部族の勝利のように喜びあった」と彼女の「シリア縦断紀行」にある。
エジプト紙「アル・モヤド」は「イスラムは日本と同盟すべきだ」と書き、詩人ハフェズ・イプラヒムは「日本人は東洋にかつての日々を取り戻し、黒い人にも褐色の人にも同じ権利認めさせた」と詠んだ。彼は「日本の乙女」という詩も書き、長い間イスラム圏の教科書に載っていた。
FBIには「イスラム系組織は日本を白人との戦いのために再臨した預言者と呼んだ」「マルコムXは俺が入りたい軍隊はただ一つ日本陸軍だと言った」という記録が残る。
イ・イ戦争の激戦地ホベイゼに行ったとき護術のイラン兵士が赤い布を額に捲いていた。「神は偉大なり」と書かれていた。
鉢巻に似ていると言ったら「日本に倣った。イスラム聖戦士は武士と同じだ」と胸を張った。
追撃砲弾が降ってきたらイランの武士はさっさと逃げてしまったが、どのイスラム圏でも日本人で損をしたことはなかった。
世紀が変わって自衛隊の部隊がイラクのサマワに派遣されると朝日新聞は「日本はブッシュにカネを出した。イスラムの敵だ」と書いて、大地に突き立てた銃剣にヘルメットを被せた「墓標」を一連の記事のイラストにした。
1世紀間、イスラムの民の敬意を集めていた日本人をこの新聞は「殺せ」とメッセージした。
この手法は前にも朝日の紙面で見たことがある。(転載ここまで)
このブログとかコラムのような文章は紹介するのがむつかしいし、書くのもむつかしいのです。
高山さんは旗色がはっきりしていますし、単行本にもなっているからこれは分りよいのですが、ともすれば誤解されたり、何を書こうとしているかが分らないことがあります。
私はHPを立ちあげた時、毎週定期的に発信しようと思ったわけではありません。
ただ、それが毎回一定の読者数を積み重ねていくのを見て、自分の思いつくまま、読者サービスの気持で書きはじめたので、最近は体調が芳しくなく、時々そのことを書きます。読者からも心配されたり、お見舞いが来たりします。ただブログ総数が減るので読者がどんなことに興味があるかないかがすぐ分ります。ありがたいことです。
そういう意味でいくらIT時代だとはいえ、ブログの発信者にそれだけの心づもりが必要だと思っております。
きょうはちがった意味で一度、私のブログで薦めたいと思っていたことを書きます。種々雑感です。
それは2013年2月18日、増田俊男事務所発行(定価5,000円)の小冊子です。
中身は私にとりましては、値打ちがあると思うのですが、読む人によれば、小パンフレットですから100−300円がページ数からみて常識でしょう。
ただ、私には1万円でも安いと思って毎号読んでいます。著者自身が世界中を常に走り回り、現実の声をかなり上手にまとめて伝えてくれています。それもかなり的確です。
ただ、少し自慢がすぎるのは著者の親友の私としては気になるところですが、同パンフを入手するのは、その気になれば、公表されていますからすぐ読めるでしょう。
ただ、余りPRするのも問題なので、毎月5,000円で最新号が出ていますので、少し過去をふり返ってお読みいただければ、「増田俊男というのはエネルギッシュで正直な(昔は知りませんが)よい男だな」と思われることだけは私の口から言っておきます。
ただ2月18日号は『「日本時代」到来! 沈むアメリカを救う日本!』という題名になっており、きわめて政治、策略的な内容です。
要するに現実家としての私は、このような内容にいまもかなり興味があるのだな……ということですね。
それと、もう一つ書きたいのは、私のところへは毎日メールやFAXが多く来るのです。メールは時間がないからほとんど読みません。
FAXは10通に1通くらいの割で読み、返事も書きます。それを見ていますと、最近送られてくるFAXは、個人的に興味のあることというか、自分個人の本当に興味のある内容が多くなりつつあり、ここからは人々の生の声がびんびんと伝わってくるから楽しいのです。
とかくこの世は生きにくい。ただこのように夢と希望を持ち、工夫すれば幸せに生きられるという答の見本が、最近の親しい人へのFAXにあるように思います。
もちろん私の興味もそちらの方へ行っているのでしょう。
なお、本ブログのさいごに最近私が読んで気に入った本を1冊だけ紹介して今回の種々雑感を終ります。
その本は増田悦佐著『デフレ救国論』(2013年2月28日 徳間書店)で、サブタイトルは「本当は怖ろしいアベノミクスの正体」となっています。
私とほぼ同意見などで、目次だけを紹介しておきます。なるほどと思われるでしょう。
はじめに
第1章 「デフレこそが諸悪の根源」という大ウソ
・経済とは本来波があるもの
・解決できない問題はないと信じ込む人たち
・“飛べるぞ”と思い込ませれば飛べるという発想
・啓蒙主義がもたらしたフランス革命の悲劇から学ベ
・プラグマティズムといういびつな考え方
・レジーム・チェンジを唱える危険な状態
・プラグマティズムが招く怖ろしい世界
第2章 インフレを推進してだれが得をするのか
・貸し手に有利なデフレの世の中
・おカネを借りるときにこそ露わになる貧富の差
・インフレで得をするのは特権的なグループだけ
・インフレ政策は格差をより広げる
・穏やかなインフレは決して健全ではない
・デフレ=不況ではないという当たり前のこと
・1930年代大不況はデフレでなく、GMが元凶だった
・市場競争状態を保つことの重要性
・デフレは新しいビジネスの“種を蒔く”時期
第3章 デフレは日本に経済発展をもたらすという真実
・とうに理論破綻しているデフレ恐怖論
・「とにかくデフレ脱却せよ」と洗脳される国民
・都合の悪いデータはひた隠されている
・非正規雇用が増加している本当の理由
・雇用問題はデフレのせいではない
・円高でも貿易黒字をつづけてきた日本
・世界中のモノを安く買えるという恩恵
・資本財、中間財は価格競争には巻き込まれない
・デフレだから売り上げが減るわけではない
・経済成長・技術開発が活発な国は必ず交易条件が悪化するものである
・日本のGDP成長率は世界2位という厳然たる事実
第4章 亡国を招くインフレターゲット
・思惑とは正反対の結果を招いている各国の金融政策
・政策ではコントロールしがたい流通速度
・道徳的なお説教なのか、ショック療法なのか
・アベノミクスは日本大沈没を招きかねない
・市場は、動きを望んでいるだけ
・蔓延するアメリカ型資本主義の悪影響
・企業の利益率は減り、経済規模全体が拡大するのが理想
・なぜアメリカでは設備投資が急減しているのか
・企業利益率も極貧生活者も史上最高というアメリカ社会
・日銀総裁はどうあるべきか
・戦時とデフレ時とを混同してはならない
第5章 大きな政府は日本を急激に悪化させる
・大きな政府は戦時にしか通用しない
・いったん大きくなった政府は絶対に元には戻れない
・官僚のレーゾンデートル
・デフレにより解放されたカネで豊かになれる人がいる
・史上最大のケインズ政策を実行した中国の悲惨な現状を見よ
・資源浪費バブル破裂の直前にある中国
・アテがはずれた都市開発業者
・列島強靭化計画はデフレより断然怖ろしい
・影響を与えることと、コントロールすることの違い
第6章 インフレが導く悲惨な未来
・国債は日本国民が抱える借金ではない
・最大の貸し手国家日本がインフレ政策を採るのは異常なことだ
・自国通貨安政策で最後に勝つのはアメリカだけ
・資産を目減りさせる政策をなぜよしとするのか
・日本国債を持ちつづける機関投資家の本音
・アベノミクスで国債金利急騰の恐怖が迫る
・インフレ回避国のほうが労働分配率は高い
・悪辣なアメリカ経済の実態
・ウォルマートを見れば、アメリカの末期症状がわかる
・スウェーデンと日本を同じにする愚
・北欧の高福祉・高負担国家では暴力・犯罪が急増している
第7章 デフレが日本企業を世界へと押し上げる
・デフレ時に開花したエンタテインメント産業
・新たな活動パターンを生み出したデフレ
・AKBはデフレの申し子
・創造性を必要としないインフレ期
・資本財・中間財に特化して勝ち残る日本企業
・本当は低くない日本企業の労働生産性
・自国通貨安にしても、製造業が繁栄するわけではない
・サムスン、現代グループ以外は壊滅状態にある韓国
・消費者を不幸にする市場寡占化
・ガリバー企業による寡占を許さない日本の土壌
・エリートが大衆を指導すべきだという発想の愚
・国債暴落、金利暴騰、国家破綻という最悪のシナリオ
・世界不況の震源地は中国
・変調をきたすアップルが世界経済を脅かす
・デフレこそが日本企業を鍛え上げる
おわりに(目次転載ここまで)
それではきょうは、最近の世相からの雑感を終ります。
=以上=
2013.03.18:【いま 一番知らせたいこと 、言いたいこと】いよいよ何がおこるか分らない
2013.03.11:【いま 一番知らせたいこと 、言いたいこと】計画的
2013.03.04:【いま 一番知らせたいこと 、言いたいこと】種々雑感