トップが語る、「いま、伝えたいこと」
最近、直筆(じきひつ)の字を読むと「ほっ」とします。いつのまにかワープロ打ちの字がふえたからでしょう。
たしかに常識的にはワープロの方が早いし、まちがわないし、読みやすいと思います。
ただ味がない……ですね。できたら私はそんな手紙はもらいたくない。
それに大事な人に送るにはやはり失礼だと思います。
もっとも大事な人には便箋に縦書きで直筆で書くのが、いまでも常識だと思います。
最低限、横書きでも、やはり直筆で書くべきでしょう。
人の顔と同じくらい「直筆」には表情があります。おもしろいですね。その人の個性が現われてくるからです。
上手や下手は関係なく、これは楽しいものです。
最近は、「直筆」というコトバを知らない若い人もふえてきたようです。なげかわしいことだと思います。
意味も読み方も分らない人が若い人(?)にはかなりいるもようですね。
やはり世の中、変ったのでしょうね。コトバくらいは知っておいて欲しいですね。
上手、下手は別にして、字っていうのは、性格を現わします。
直筆の字を見て、上手なきれいな字だな、しかも几帳面らしいと思ったのは、『ザ・フナイ』の高岡編集長です。惚れぼれします。
この人に委せればまちがいないと思ったのが、『船井幸雄.com』を担当してくれている藤原さんです。
それに日ごとに最近、直筆の字が上手になるのは、私の熱海本社の秘書の相澤さんです。
おもしろいものですね。
味な字を書くのは、船井メディアの野々垣健五さんで、慣れてきますと、字を見るだけで彼らのその日の気分や体調まで分ってきます。
一般に、人間は30才ぐらいで人相見になるもようです。そして、いまの50才以上の人は、おおむね字相見なのです。
ワープロ文字が流行すると、これからの50才以上の人が、字相見になるかどうか分りませんが、この両方ができて、はじめてふつうの人は一人前と言われていました。他人のことがよく分ったのです。
もちろん80才になり、両方に長けている私は、人さまに直筆の手紙を要望しますし、ワープロ打ちの手紙をもらうと、はっきりと、「これからは直筆の手紙を欲しいのですが?」とお願いすることにしています。
それで、ワープロ打ちの手紙を送ってこられる人は、ほとんどいなくなりました。
もちろん、字が下手で、直筆ではどうにも読めないからと断ってワープロ打ちの手紙をたまにはいただきますが(?)。
ともかく手相やカラダの相より、字の相の方が人相とともに、だれにも分かりやすいのはいうまでもありません。
さて、最近、びっくりしたニュースは、GMの本拠があり、自動車というとデトロイトといわれた、アメリカの大都会が財政破綻したことです。
このような大都会にかぎらず、治安が悪くなり、町が荒れ出し、人口が減りつづけるのが分る町というのは、字相ではないが、町の相が悪くなり、危険です。
やはり「相」に現われますので、字の相(直筆の字)をよくするような努力が必要でしょう。
ここで話しはまた飛躍しますが、「カガミの原則」という原則があります。
ちょうど「カガミ」に映った自分の顔のように、「自分の心や直筆の字、気持ちも映っていく」という原則で、だから、「たえずカガミを見て、よい人相を確認しておくべきだし、よい人相であるべきだ」という原則です。
たしかに数年間以上も病気をして、なかなか好くならないと、自分でもあきらめるのか、最近カガミを見ると、私は自分では余り満足する人相ではなくなりました。
一事が万事、字も相も、カガミの原則のとおりだと思い、気をつけていますが、これは人だけでなく、犬や猫にも現われます。
だれにとっても心や気持ちがカラダに現われるよい原則だと思います。
直筆論議がいろんな面にずれていきました。
ただ言うことは一つ、心はカラダを現わすし、カラダは心に反映し、字にもなり、相にもなるということです。
さて、いまはどこへ行っても「お客さまは神さまだ」と言われます。
これはどんなビジネスもすぐ供給過剰になり、競争が激しいのと、やはりお客さまのおかげで生活が成りたっているからです。
それは超繁盛しているお医者さんや歯医者さんの世界でも一緒のようで、たとえば痛ければ歯医者さんからは、すぐに客が逃げ出すもようです。
そのような場合、歯医者さんの技量はもとより、お客さんにできるだけ直筆の手紙を出し、やさしいプラス発想のコトバをかけることが、もっとも効果があるもようで、ワープロの手紙は全く効果はないようです。
効果は手間に比例するようです。おもしろい時代になったものですね。
つい先日、繁盛する歯医者の条件を、ある私と親しい歯医者さんにきいたら、彼は、つぎのように教えてくれました。
@女客に人気がある。(若い男前がいい)
A技量がすぐれている。(特に痛いことや乱暴なことはしない)
Bたえずやさしいコトバをかけつづける。
Cできれば時々、上手な字で直筆のアイサツ状を出す。
D待たさない。
……これは男客にとっても同様のもようです。
まあこのようにして、世の中よくなって行くのですが、それでものんびりできない時代ですね。
E人気はほとんど効果がなくなりつつある……とも言っていました。
たしかに、このようにして激しいビジネス戦争の中で何年も働いてきた私にはよく分るのですが、
F特に効くのは、下手でもよい。直筆の礼状です……ということでした。
書くことに苦痛を感じない私は、いまでも毎日10−20通は直筆で手紙やFAXを送っています。
案外、人さまに嫌われない理由はこの辺にあるのかも知れませんね。
以上できょうは終ります。
「直筆がいかに大事か」を知ってもらえればと思って書き出したのですが、話が前後しました。いくらでも書きたいことが出てくるからです。
そのぐらい話題がある「直筆」を、ぜひきょうから大事にし、人間関係をよくすることにお活かしください。
=以上=
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