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このページでは、舩井幸雄が(2014年1月19日の舩井幸雄の他界後は舩井勝仁が)いま一番皆様に知ってほしい情報をタイムリーにお伝えしていきます。
毎週月曜日定期更新
2013年10月14日
責任を取るということ (※舩井勝仁執筆)

 先週に引き続き、安倍総理の経済運営について舩井幸雄の意見をご紹介していきたいと思います。
 父から見るとアベノミクスの結果起こっていることは次の3つです。

@お金の価値がなくなった(円安になった)。
A物価高になり処民(処(ところ)の民ということでこの表現が正しいと思っています)が、困窮するようになった。
B思いつきで政策を考え、希望的観測でうまくいくと思い込んでいるが、世の中そんなに甘いものではない。政策が上手くいかなかった時、どう対応したらいいかをまったく考えていないように見える。

 アベノミクスが採用しているリフレ政策は、最先端のマネー資本主義の施策なので、それがもたらす結果は貧富の格差を広げるという極まった資本主義の抱える矛盾をドンドン追求する手法です。
 円安で株高になったわけですから、輸出大企業や株式投資をしているような富裕層は好景気を感じられるので支出を増やしますが、それが給与アップまでつながっておらず、処民にしてみれば、一生懸命貯めてきた預貯金の価値は世界的に見れば、円安で目減りしてしまい、物価も確実に上がってしまったのですから、徐々に生活は苦しくなっていきます。これで消費税まで上がってしまうのですから、本当に生活が追い詰められてしまうことになることは、誰の目から見ても明らかです。

 だから、大企業に対して給料を上げるようにお願いをして辻つまを合わせようとしていますが、大胆な金融緩和と思い切った財政出動というアベノミクスの最初の2本の矢は、政府や日銀がその気になれば実現可能な政策ですが、賃上げも含めて3本目の矢である民間投資を喚起する成長戦略は政府の思惑だけではいかんともしがたく、これを実現するためには綿密な施策が絶対に必要になるのですが、思いつきと希望的観測に終始し、そんなことではとても実現可能だとは思えないのです。
 もし、本気で賃上げを実現しようとするなら、安易に法人税の引き下げをするのではなく、経営者に対して賃金の引き上げを迫るような凄みのある政策が出てこなければならないはずですが、誰も責任を取りたくないし痛みも共有したくないので、口先だけの議論に終始しています。グローバル資本主義の考え方を安易に取り入れていくことと、企業に賃上げを迫っていくことは正反対の政策なので、それを実現するためには命がけの覚悟が必要なのです。
 そして、金融緩和と財政出動にだけ頼っているとリフレ政策の怖さである、マネーの流れが制御不可能になるという事態が起こる可能性がドンドン高まっていき、戦後の日本人が額に汗して営々と築いてきた資産を、目に見えない日本的な良さも含めてすべて失おうとしているのが現状起こっていることだと、冷静にみれば判断できるのです。表面的には民間投資を喚起すると調子の良いことを言っていますが、そこの実現可能性がまったく感じられないのが歯がゆいところです。

 アベノミクスがいかにも軽く思われるのは、それを推進している政治家の覚悟がまったく伝わってこないからではないでしょうか。
 安倍総理は発言としては不退転の決意で実行すると言っていますが、オリンピック誘致のスピーチで福島の汚染水の状況は完全にコントロールされていると言い切ってしまったように、それがその場だけの根拠のない発言だったと世界中の心あるマスメディアから見ぬかれてしまいました。安倍総理は嘘つきであるというレッテルが貼られてしまったのです。
 それは、アベノミクスを推進している現在の内閣のメンバーである大臣達にも言えることで、その場凌ぎの発言に終始し、本当に命がけで国の行く末を考えているという迫力がまったく伝わってこないというのが、何とも物足りないのです。また、経団連などの大企業側の経営者も覚悟を持って経営している感覚はまったく伝わってこないので、本当にこの国は大丈夫なのかというのが父の懸念になっているのです。

 リーダーの役割は命がけでメンバーの生活と安全を守ることです。いろいろな批判はありますが、世界のリーダーは最低限必要なノーブレス・オブリージュ(高貴なものは命がけの責任を負う義務がある、いざというときは真っ先に命を捨てる覚悟を持つ)を持っていますし、戦後の日本のリーダーも金権政治に陥っているなど悪い面は多々ありましたが昭和の頃までは当たり前のようにみんなが覚悟を持っていました。
 政治家や官僚、経済人を含めていまのこの国を引っ張るリーダーが、この高貴なるものの責任、つまり自分が辞めれば責任を取ったことになるのではなく、命をかけないと責任を取ったことにならないということが肌感覚で分かっていないことが、父からみたら心配でたまらず、それを一番象徴しているのが安倍総理の軽い発言だと感じているようです。
 アベノミクスがアホノミクスにならないよう、私たちが選んだリーダーをしっかり支えていく気概を私たちからまず持たなければ、この国は救われないのかもしれませんね。
                                            =以上=

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2013.10.14:【いま 一番知らせたいこと 、言いたいこと】責任を取るということ (※舩井勝仁執筆)
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