トップが語る、「いま、伝えたいこと」

このページでは、舩井幸雄の遺志を引き継ぐ舩井勝仁と佐野浩一が、“新舩井流”をめざし、皆様に「いま、伝えたいこと」を毎週交互に語っていきます。
毎週月曜日定期更新
2023年11月6日
現代の駆け込み寺 (※舩井勝仁執筆)

 先週はいわゆる中銀ウィークで各国の重要な金融政策の決定する会合がありました。
 まず、日銀が金融政策決定会合を開き、YCC(イールドカーブ・コントロール:長短の金利差を調整すること。結局は長期金利の上限を実質的に日銀が決めていくという政策)を実質的に撤廃していこうという方向性を打ち出しました。ただ、1%をめどにYCCを続けるという発表だったのですが、日本では何となく1%程度に抑えるがその水準を多少超えても必ず日銀が長期国債を買い入れてそれ以下に抑えるかどうかは決定しないという意味だと理解されていますが、アメリカ市場では最初は何のことかさっぱりわからないと評判が悪かったようです。
 だから、一時的には1ドル151円台になるなどの混乱がありましたが、まあ何となく理解されてきて、翌日(時差の関係で日本では2日後の感覚でした)のFRBのFOMC(連邦公開市場委員会)で2回連続の利上げ見送りを決めたこともあり、為替も150円台に戻りましたし、株価も安心感からか日米ともに上昇しています。そもそも、YCC政策自体が長期金利を中央銀行が決めていくという禁じ手で、植田総裁はそれを何とか正常なものに景気に悪影響をそれほど及ぼすことなくやっていかなければいけないという課題を負わされているのですが、いまのところ比較的上手くやっておられるのではないかというのが日本市場関係者の評価のようです。
 ちょっと時間が経ってからですが、海外でも要するに禁じ手の長期金利のコントロールを徐々に止めていくということだという真意が伝わると安心感からか日本株への投資姿勢も多少はプラスになってきたようです。ただ、外国人からすると日本株はドルベースの投資でみると円安の影響で下手をすると損をする可能性があるということも気にしておかなければいけないことになります。金融政策というのは全部をコントロールするのは難しく、アメリカの場合は景気に悪影響を与えることには目をつぶってインフレを起こさせないことを優先しているように感じます。
 一方の日本は、為替安はある程度容認するが、景気に悪影響をあまり与えないことを優先しているようにも感じます。為替安になると輸入物価が上がってしまうので物価は上がってインフレ傾向は強まってしまいますが、企業努力の結果、消費者物価の上昇は世界的に見れば許容範囲に収まっています。逆にトヨタに代表される輸出企業は空前の好決算になっています。利益率でトヨタがテスラを抜いたことが話題になっていますが、世界的に進むEV(電気自動車)化に立ち遅れているなどの大きな課題も見えますが、レクサスに代表される高級車市場では強みを引き続き発揮しているようです。
 個人的には、コロナ禍で供給がひっ迫するようになって安易な値下げに走るマーケティングをしなくてもいいようになったことが大きいのだろうと思います。航空会社やJR各社も好決算をするようになりましたが、実感として出張の時に感じる交通費や宿泊費は確実に高くなっているように感じます。最初は痛みを感じていましたが、だんだんとそんなものだろうという感覚になってきているのが不思議ですが、黒田前総裁時代から10年以上かかってようやくデフレマインドが一掃されてきているということなら喜ばしいことかもしれないとも思います。

 今回は、松山照紀著『駆け込み寺の庵主さん 心のモヤモヤ「供養」します』(双葉社)を紹介させていただきたいと思います。著者は兵庫県姫路にある臨済宗妙心寺派・松壽山不徹寺の第25代住職ですが、私はお会いしたことも不徹寺(ふてつじ)に行ったことも残念ながらありません。9月に岡山で開催された柴田久美子先生の看取り士全国フォーラムにシンポジウムのパネリストとして出席させていただいたのですが、私は東京で所要があったのでご一緒させていただかなかったのですが、翌日に看取り士の皆さまたちが柴田先生も交えて不徹寺に行かれたというSNSを拝見して、そこで紹介されていた本書を知りました。
 不徹寺は江戸の元禄時代の頃に田ステ女(でんすてじょ)という丹波出身の女流歌人が開祖として開いたお寺で、ほぼ代々女性庵主によって守られてきました。現代の松山照紀庵主も檀家を持たない貧乏寺と書かれていますが、ケセラセラの精神で何とかなるとお寺の経営を楽しまれているようです。心の粗大ごみを捨てに行ける現代の駆け込み寺という役割を果たしていらっしゃり、多くの主に女性たちの拠り所になっていらっしゃるということが本書を読ませていただくと感じられます。柴田先生とのご縁は看護師をしていらっしゃるときに死生学を学ばれたということが書かれているので、そんなところから始まったのかもしれないなと予想しています。
 読後感は立場によってまったく変わってくると思いますが、とにかく心がホッとすることは間違いないと思いますので、とにかく理屈抜きに読んでみることをお勧めします。私の場合は昭和男子がいわゆる「夫源病(ふげんびょう)」をまき散らかしているというところが心にささりました。特に定年退職後に何もすることがなくなり妻にすがって生きているのに、特に家事を手伝うわけでもない旦那さんのことですが、自分のことを書かれているみたいで反省させられました。そんな病気の奥さまからみた対処法なども書かれているので面白いなあと思います。
 シングルマザーで祖母の介護まで抱えて看護師として一生懸命働きながら、働き過ぎて死病を患いました。そんな人生の転換点で禅を体験しに行ったときに、庵主になりなさいという天命を聞いて仏教の中でも一番厳しいと言われている臨済宗の雲水としての修業を3年半も続けました。そのうえで、福岡県のご出身で縁もゆかりもないのですが直感で姫路の不徹寺の庵主になり、SNSを駆使して発信をしながら多くの女性の駆け込み寺をやられているという庵主の人生を感じるだけでもいい体験になりました。たまには、俗世を離れてこんな世界を感じるのもいいものですね。本当にありがとうございました。
                            =以上=

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舩井 勝仁 (ふない かつひと)
株式会社船井本社 代表取締役社長
1964年大阪府生まれ。1988年(株)船井総合研究所入社。1998年同社常務取締役 同社の金融部門やIT部門の子会社である船井キャピタル(株)、(株)船井情報システムズの代表取締役に就任し、コンサルティングの周辺分野の開拓に努める。
2008年「競争や策略やだましあいのない新しい社会を築く」という父・舩井幸雄の思いに共鳴し、(株)船井本社の社長に就任。「有意の人」の集合意識で「ミロクの世」を創る勉強会「にんげんクラブ」を中心に活動を続けている。
著書に『生き方の原理を変えよう』(2010年 徳間書店)、『未来から考える新しい生き方』(2011年 海竜社)、『舩井幸雄が一番伝えたかった事』(2013年きれい・ねっと)、『チェンジ・マネー』(はせくらみゆき共著 2014年 きれい・ねっと)、『いのちの革命』(柴田久美子共著 2014年 きれい・ねっと)、『SAKIGAKE 新時代の扉を開く』(佐野浩一共著 2014年 きれい・ねっと)、『聖なる約束』(赤塚高仁共著 2014年 きれい・ねっと)、『失速する世界経済と日本を襲う円安インフレ』(朝倉慶共著 2014年11月 ビジネス社)、『智徳主義【まろUP!】で《日本経済の底上げ》は可能』(竹田和平、小川雅弘共著 2015年 ヒカルランド)、『日月神示的な生き方 大調和の「ミロクの世」を創る』(中矢伸一共著 2016年 きれい・ねっと)、『聖なる約束3 黙示を観る旅』(赤塚高仁共著 2016年 きれい・ねっと)、『お金は5次元の生き物です!』(はせくらみゆき共著 2016年 ヒカルランド)がある。
佐野 浩一(さの こういち)
株式会社本物研究所 代表取締役社長
株式会社51コラボレーションズ 代表取締役会長
公益財団法人舩井幸雄記念館 代表理事
ライフカラーカウンセラー認定協会 代表
1964年大阪府生まれ。関西学院大学法学部政治学科卒業後、英語教師として13年間、兵庫県の私立中高一貫校に奉職。2001年、(株)船井本社の前身である(株)船井事務所に入社し、(株)船井総合研究所に出向。舩井幸雄の直轄プロジェクトチームである会長特命室に配属。舩井幸雄がルール化した「人づくり法」の直伝を受け、人づくり研修「人財塾」として体系化し、その主幹を務め、各業界で活躍する人財を輩出した。 2003年4月、(株)本物研究所を設立、代表取締役社長に就任。商品、技術、生き方、人財育成における「本物」を研究開発し、広く啓蒙・普及活動を行う。また、2008年にはライフカラーカウンセラー認定協会を立ち上げ、2012年、(株)51 Dreams' Companyを設立し、学生向けに「人財塾」を再構成し、「幸学館カレッジ」を開校。館長をつとめる。2013年9月に(株)船井メディアの取締役社長CEOに就任した。 講演者としては、経営、人材育成、マーケティング、幸せ論、子育て、メンタルなど、多岐にわたる分野をカバーする。
著書に、『あなたにとって一番の幸せに気づく幸感力』(ごま書房新社)、『ズバリ船井流 人を育てる 自分を育てる』(ナナ・コーポレート・コミュニケーション)、『私だけに教えてくれた船井幸雄のすべて』(成甲書房)、船井幸雄との共著『本物の法則』(ビジネス社)、『あなたの悩みを解決する魔法の杖』(総合法令出版)、『幸感力で「スイッチオン!」』(新日本文芸協会)がある。
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