トップが語る、「いま、伝えたいこと」
先週は、日銀やFRBが金融政策を決める会合を相次いで開催する中銀ウィークで市場の注目を集めました。日銀の金融政策決定会合では、マイナス金利の解除、YCC(イールドカーブコントロール。長短金利差を中央銀行が管理する政策で一般的には禁じ手といわれている。実質的に短期金利だけではなく長期金利も中央銀行が決めていた)政策の終了。それに日銀がETF(上場投資信託)を買う究極の金融緩和政策の終了を決定しました。約1年前に植田和男日銀総裁が就任した時から言われていた絶対に修正をしなければいけないと言われていた、いわば難しい宿題を今回の金融政策決定会合ですべてクリアしたと思えば、当たらずと雖も遠からず、といったところだと思います。
前任の黒田総裁とは違い、サプライズを起こしながら市場と対話をするのではなく、しっかりと市場との対話を行いながら政策を着実に実行している印象を与えているので、海外の投資家の評判もよく、そんな背景もあり日経平均株価は史上最高値を更新した後も順調に値を上げていっています。金融緩和政策を中止するだろうという見込みが強くなった段階で、市場はいったん円高株安に触れましたが、市場がそれを織り込んだ段階で、想定通りの金融政策を発表したので、大きなトレンドとしては円安株高の流れが継続していると考えていいと思います。
金融当局の次の課題は円安に対しての対応策を打ち出すかどうかというところですが、市場には1ドル160円程度ぐらいまでは許容するのではないかという見方もあり、インフレ傾向を定着させたいという目的のためには、賃上げもかなり実現したこともあり、そういうことも考えられるのかもしれません。個人的には、どこかの水準で円安是正ということで、かなり含み益の出ている米国債を財務省が外貨準備を多少取り崩してでも介入して売却するのはいいことだと思いますが、気になるのは、日本の株高を演出しているのが外国人投資家だという点です。2000兆円以上の金融資産を持っている、日本の個人が日本株を積極的に購入するようなトレンドにならないと本当の意味での株高は実現しないのではないかとも思います。
FRBはFOMC(連邦公開市場委員会)で利下げの見通しとそれでも年内に3回利下げをするというハト派的な、印象としては玉虫色の決定を発表しました。市場は利下げがなかなか行われないか、回数が減らされるというタカ派の政策への警戒感を持っていましたので、安心感から広く株が買われ、NYダウ平均株価も史上最高値を更新しました。また、日本の利上げ政策の時期が見えないこと等から日米の金利差を意識した円安ドル高も進みました。アメリカは、もしトラ(もしかしたらトランプ大統領の再選)からほぼトラ(ほぼトランプ大統領の再選)に移行したともいわれ、市場としては経済に対してフレンドリーな政策を期待しながらもリスクを感じ始めているというところなのだと思います。
今回紹介するのは森井啓二著「神の国 日本の美しい神社」(きれい・ねっと)です。タイトルにあるように、本書は神社について書かれたものです。神社自体は宗教施設ではありますが、あまり信仰心に関係なく多くの日本人が好んで訪れ、願掛けなどを行なっています。日本の侘び寂びの精神との関係の記述もありますが、実際に心地よく過ごすことのできる、民族のアイデンティティ的な部分と非常に合致した環境なのでしょう。
本書によると神社は主だったものだけでコンビニエンスストアの数を大きく超える、それだけ日本に広く馴染みのものであるようです。確かにグーグルマップなどを見れば、さながら郵便局のように全国どこへ行っても神社の存在が確認できます。実際は、観光として訪れる事が基本であり、参拝として訪れるのは少数派なのだと思います。さらに気になるのはご参拝の部分なのですが、鳥居から解説があり、そこに存在する意味や美しさ、潜る際に持つべき意識など。一礼や脱帽は知識にあったのですが、空腹時を推奨されるなど目から鱗の部分もありました。
参道、手水舎、神門、狛犬、境内の意匠。それぞれの持つ意味を意識すると、見えてくる世界が変わり、そこにあるモノをより鮮明に感じることができそうです。お賽銭の意味、神社によって変わる作法、祈り方。より美しく、正しく参拝する心の持ち様。紋、お守り、御神木。今後神社へ行く際には意識したいものも増えました。おまもり、おみくじ、絵馬の身近な3点についても当然触れられていて、ここは観光的に神社を利用される方には面白い項目になりそうです。
そこにあるのが当たり前であり、何気なく利用している神社、しかしそれについて詳しく知っている人は、利用者の割合から考えればあまりにも少ないはず。気持ちのいい場所、良い波動を感じられる場所で済ませてしまっても構わないのかもしれませんが、好奇心旺盛な私だと一度考えると気になってしまい、本書に取り掛かってみたのですが、なかなか難しく初見で理解するには難解です。
しかし【気楽に始めて気楽に長く続ける】のがコツという記述もあるので、基本的にはその精神で向き合ってみると、まずは楽しめるのかもしれません。
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2024.03.18:【いま 一番知らせたいこと 、言いたいこと】「問題は『外』ではなく『内』にある……」 (※佐野浩一執筆)
2024.03.11:【いま 一番知らせたいこと 、言いたいこと】ユダヤの成り立ち (※舩井勝仁執筆)
2024.03.04:【いま 一番知らせたいこと 、言いたいこと】いまのいまからでも人生は変えられる!(アドラーに学ぶ) (※佐野浩一執筆)
舩井 勝仁 (ふない かつひと)
株式会社船井本社 代表取締役社長 1964年大阪府生まれ。1988年(株)船井総合研究所入社。1998年同社常務取締役 同社の金融部門やIT部門の子会社である船井キャピタル(株)、(株)船井情報システムズの代表取締役に就任し、コンサルティングの周辺分野の開拓に努める。 2008年「競争や策略やだましあいのない新しい社会を築く」という父・舩井幸雄の思いに共鳴し、(株)船井本社の社長に就任。「有意の人」の集合意識で「ミロクの世」を創る勉強会「にんげんクラブ」を中心に活動を続けた。(※「にんげんクラブ」の活動は2024年3月末に終了) 著書に『生き方の原理を変えよう』(2010年 徳間書店)、『未来から考える新しい生き方』(2011年 海竜社)、『舩井幸雄が一番伝えたかった事』(2013年きれい・ねっと)、『チェンジ・マネー』(はせくらみゆき共著 2014年 きれい・ねっと)、『いのちの革命』(柴田久美子共著 2014年 きれい・ねっと)、『SAKIGAKE 新時代の扉を開く』(佐野浩一共著 2014年 きれい・ねっと)、『聖なる約束』(赤塚高仁共著 2014年 きれい・ねっと)、『失速する世界経済と日本を襲う円安インフレ』(朝倉慶共著 2014年11月 ビジネス社)、『智徳主義【まろUP!】で《日本経済の底上げ》は可能』(竹田和平、小川雅弘共著 2015年 ヒカルランド)、『日月神示的な生き方 大調和の「ミロクの世」を創る』(中矢伸一共著 2016年 きれい・ねっと)、『聖なる約束3 黙示を観る旅』(赤塚高仁共著 2016年 きれい・ねっと)、『お金は5次元の生き物です!』(はせくらみゆき共著 2016年 ヒカルランド)がある。 |
佐野 浩一(さの こういち) 株式会社本物研究所 代表取締役社長 株式会社51コラボレーションズ 代表取締役会長 公益財団法人舩井幸雄記念館 代表理事 ライフカラーカウンセラー認定協会 代表 1964年大阪府生まれ。関西学院大学法学部政治学科卒業後、英語教師として13年間、兵庫県の私立中高一貫校に奉職。2001年、(株)船井本社の前身である(株)船井事務所に入社し、(株)船井総合研究所に出向。舩井幸雄の直轄プロジェクトチームである会長特命室に配属。舩井幸雄がルール化した「人づくり法」の直伝を受け、人づくり研修「人財塾」として体系化し、その主幹を務め、各業界で活躍する人財を輩出した。 2003年4月、(株)本物研究所を設立、代表取締役社長に就任。商品、技術、生き方、人財育成における「本物」を研究開発し、広く啓蒙・普及活動を行う。また、2008年にはライフカラーカウンセラー認定協会を立ち上げ、2012年、(株)51 Dreams' Companyを設立し、学生向けに「人財塾」を再構成し、「幸学館カレッジ」を開校。館長をつとめる。2013年9月に(株)船井メディアの取締役社長CEOに就任した。 講演者としては、経営、人材育成、マーケティング、幸せ論、子育て、メンタルなど、多岐にわたる分野をカバーする。 著書に、『あなたにとって一番の幸せに気づく幸感力』(ごま書房新社)、『ズバリ船井流 人を育てる 自分を育てる』(ナナ・コーポレート・コミュニケーション)、『私だけに教えてくれた船井幸雄のすべて』(成甲書房)、船井幸雄との共著『本物の法則』(ビジネス社)、『あなたの悩みを解決する魔法の杖』(総合法令出版)、『幸感力で「スイッチオン!」』(新日本文芸協会)がある。 |