中村陽子の都会にいても自給自足生活

このページは、認定NPO法人「メダカのがっこう」 理事長の中村陽子さんによるコラムページです。
舩井幸雄は生前、中村陽子さんの活動を大変応援していました。

2023.09.20(第107回)
ママたちの凄いパワーと実現する能力の高さに感銘

 最近、オーガニック給食を目指して活動しているママたちの意識が変わってきました。誰かがやってくれるのを待つ姿勢から、自分で1から始める自立した動きにパワーアップしているのです。同時に自治体への働きかけも諦めずに続けていますが、すぐには変わりそうもない状況だと判断すると、怒ったり嘆いたりすることなく、自分たちで1から作り始めるのです。
ここ数か月の間に、出会った2つの例をご紹介します。

「夢プロ」のママたち
 半月ほど前、大阪から二人のママが訪ねてきました。「ゆめプロ」の岡本霞さんと上野知花さんです。岡本さんは乳飲み子連れで授乳をしながら説明してくれました。「ゆめプロ」って何のことかと思ったら、休耕地を畑に再生し、地域の給食オーガニック化を実現する!というプロジェクトのことでした。
 始めたきっかけは、代表の岡本霞さんが1人目のお子さんを1歳で保育園に預けた時、初めて出たおやつが添加物いっぱいのパンでびっくりしたことです。今の給食は、1歳の子どもにこのようなものを食べさせるのかとショックを受け、給食をオーガニックにする決心をしたそうです。
 何から始めたかと言うと、先ず、かなり荒れ果てた休耕地を借りて開拓し、じゃがいもや玉ねぎのような基本的な野菜を作り始めました。そしてできた野菜を地域の保育園に納入し始めたのです。栽培方法は自然栽培、マルシェに出店し畑イベントを開催しているうちにコアな仲間は20人ほどに、参加者は140名ほどになったそうです。
 次に手掛けたのは、「ほっとまるちゃん まめぱん」というプライベートブランドの立ち上げです。地元の有機農家の無農薬・無化学肥料の野菜と有機大豆で砂糖や卵や乳製品を使わずに作った米粉パンで、大人の親指大ほどの小さなパンです。子どものおやつとして、自分の子供に食べさせたい材料だけで作りました。見本で見せてくださったまめぱんは、ビーツ(赤)とジャガイモ(黄)と白菜(薄い緑)の3色まめぱんで、とてもかわいく、子どもが喜びそうなパンでした。このパンは地元の障害者施設に作ってもらっているので、障害者の方の自立支援にもなっています。
 彼女たちはこの事業化を始めています。企業や個人の協賛者を募集し、1口あたり月1万円でまめぱん30本を地域の子どもに届け、その企業の紹介動画を作成しSNS発信するのです。企業の社会貢献に働きかけることで、事業化を成功させようとしています。
 彼女たちの発想とガンバリと事業化能力、すごくないですか? メダカのがっこうは現在オーガニック給食のサポートセンターのようなことをしていますが、どうしたらいいかという相談はたくさん受けますが、事業化に成功したので良いモデルとして報告に来ました、というママたちは初めてで、本当に感心してしまいました。
 皆さんも「ゆめプロ」を応援してください。https://yumepro.org/

「オーガニックフェスタ井の頭」を開催するママたち
 今年のはじめ、三鷹のママがオーガニック給食の相談に来ました。寺澤亜由美さんです。彼女は通っている保育園に有機給食を入れるため、いくつかの自然食レストランに交渉するなど、実際の努力をしていました。何かを始めるには、先ず会を作りましょうと、「三鷹こどもの食と未来を守る会」という名前にしました。三鷹、武蔵野はメダカのがっこうの関係したママがたくさんいるので、早速集まってもらいました。
 そこで彼女は、この地域はオーガニックへの意識が高く、良いお店や人が集まっているので、オーガニックフェスタをやりたいという夢を話しました。それも食の分野だけでなく、衣食住すべてで子どもを育てるのに良いものを集めたいということで、今まで自分で調べて作った周辺のマップを見せてくれました。そこに集ったママたちは、その夢に共鳴し、オーガニックフェスタを井の頭公園で開くことになりました。開催日は、10月28日(土)29日(日)の2日間です。デザイナーやプロデューサーの仲間の助けもあり、素晴らしいチラシがすぐ出来上がり、参加店募集や、三鷹市とのやり取り、保健所とのやり取りなど、係が決まりすぐに取り掛かり、先日、参加店への説明会も無事成し遂げることができました。

 参加者から主催への立場の転換は、ママたちを大きく変えました。プラゴミゼロを目指し、お金がなくても、誰でも思ったらできるフェスタが実現しようとしています。武蔵野、三鷹、杉並、府中、調布の宝もののような素晴らしい方たちが集合します。まだまだ網羅できていませんが、みんなで手分けしてリサーチして、オーガニックマップを作成中です。これは当日参加者に配られます。また講演者も2日間で9名、素晴らしい方たちです。

 こちらも皆さんご参加ください。ボランティアや協賛金も募集しています。
 https://organicfesta.morinohito.net/


バックナンバー
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70歳にして、進むべき科学の方向を確信する/a>

23/10

井の頭公園に大地の再生の風が吹き始めた

23/09

ママたちの凄いパワーと実現する能力の高さに感銘

23/08

日本のお米の自家採種ができなくなる〜放射線育種米って知っていますか〜

23/07

フランスでオーガニック給食を可能にしたスクールシェフたち

23/06

オーガニック給食に全国的な協議会と超党派の議員連盟ができました!

23/05

子どもに食べてもらいたい理想の食を考えてみました

23/04

フードテック、代替母乳、細胞培養って知っていますか?

23/03

女性のみなさん!泣きましょう!男の本性を目覚めさせるために

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「大地の再生」実践マニュアル

23/01

1/18日本の有機農業技術大集合で感じたこと、わかったこと

22/12

オーガニック給食のオーガニックという言葉に込める意味

22/11

オーガニック給食を支える有機農業技術大集合

22/10

正義は勝つこともある

22/09

子どもたちのために立ち上がったカッコイイ首長さん紹介

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有機給食にトップダウンの時代がやってきた!

22/07

田んぼカフェでもシードライブラリー始めました。

22/05

食料危機が来ることは悪くない

22/04

食品表示をさせない問題について考える

22/03

最近気が付いた黒焼きの正体

22/02

子どもを元気にする「生命尊重食」=有機給食をいまこそ文科省にお願いしましょう!

22/01

有機給食へのはじめの一歩

21/12

国が推進するゲノム編集の進捗状況とOKシードプロジェクトの中間報告

21/11

私の炭生活

21/10

導かれて炭に目覚めた私の炭遍歴

21/09

秋にこそ楽しむマコモの浄化力

21/08

今は亡き稲葉光國先生の功績に感謝して

21/07

映画「食の安全を守る人々」

21/06

OKシードマークをご紹介します。

21/05

有機給食を支える技術と政策、育てる心

21/04

野菜の栄養価をみえる化したら…有機給食が実現する

21/03

ゲノム編集トマトの苗分け始まってしまいます!

21/02

こんな町に住みたい 元気な子が育つ自治体調べてみました。

21/01

有機給食と有機農業の素晴らしい関係が始まりました

20/12

日本人の遺伝子配列が教えてくれる伝統和食

20/11

種苗法改正案の慎重審議をお願いする活動に協力してください。

20/10

種苗法改正は11月強行採決の予定。反対の声を#で届けましょう!

20/09

有機給食全国集会のご報告

20/08

食べ物を変えたいママプロジェクト 一人から始めるママたち

20/07

そうだったのか種苗法改正

20/06

私のナウシカプロジェクト 自然再生葬編

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種苗法改正って何? 賛否両論の理由と、どうしてもわからない大きな矛盾

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WorldShift 不安から慈愛へ 〜コロナが教えてくれたShift〜

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私の安上がりシンプルライフ

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こんなに元気な子が育つ有機の和食給食

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みんな母親たちの味方です。敵はいません。頼りにしましょう!

19/12

自家増殖原則禁止とは(種苗法改正が次の国会で通ってしまうと大変です)

19/11

私の一番の味方でいてくれた母を偲んで

19/10

2019年12月2日〜12月12日 アメリカを変えたママがやって来る!日本のお母さんたちも、アメリカのママたちに続こう!

19/09

ゲノム編集について知っていてほしいこと

19/08

今一番の緊急課題。それは子どもの食を有機にすること!

19/07

人も自然も健康を取り戻すのはとても簡単です。

19/06

韓国の有機栽培面積が日本の18倍になっているのはなぜ?

19/05

不調の原因が一つ明らかになりました。小麦とパンを変えましょう!

19/04

やっぱり、人間の腸能力はすごい!

19/03

今年も醤油を搾って、来年のもろみを仕込みました。

19/02

種子法廃止後、最新状況をご報告します。

19/01

田の草フォーラムに来てもう一つの国を生み出す仲間になって!

18/12

第8回田の草フォーラムin東京 草と向き合う田んぼの達人が集合します!

18/11

千葉県いすみ市で全市で有機米給食が始まりました。

18/10

原発と自然エネルギーと火力発電や水力発電の関係

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40年前、子どもの命を支える食に立ちあがった人たち
―高取保育園、麦っこ畑保育園のお話―

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ガン細胞のエサを解明したコリン・キャンベル博士の研究

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18/06

食と農に大異変

18/05

家族の健康を守るためにできること

18/04

種子法廃止とTPPとISD条項の関係を知っていますか?

18/03

本当に恐ろしいのは大自然の逆襲です

18/02

改めて農薬の害を知ろう!

18/01

最近感動したことと考えたこと。

17/12

ダーチャを知っていますか? 種播く土地を持つ人間は最強です。

17/11

知ることは力になる 知っている国民になろう!

17/10

衆議院選挙の当選者に5つのお願いを出しました。

17/09

もう一つの国づくりと裏の世界

17/08

8月2日種子法学習会の報告とまとめと見えてきた方向

17/07

怒涛のように崩壊する日本の食の安全

17/06

拝啓 安倍晋三内閣総理大臣殿

17/05

種子法廃止につづいて品種の多様性と種子情報が奪われる!

17/04

日本の種と自家採種の権利が大変なことになっています!

17/03

野草の季節が始まりました。なぜ野草なのか。

17/02

自家採種を守っている農家たち

17/01

お米の優位性10項目

16/12

恐るべき田んぼの生産力

16/11

「食は命」を知っている料理人

16/10

田の草フォーラムのことで頭がいっぱい

16/09

米飴を作ってみてわかったこと

16/08

知恵と技を極めているじいちゃんばあちゃん(ご先祖様)のあとに続け!

16/07

炭の研究開始に当たり、3人の炭焼き名人に会ってきました。

16/06

炭の力を体験しました。

16/05

生きものいっぱいの田んぼへ行こう!(メダカのがっこう紹介)

16/04

野草を愛する人は自然を理解してほしい。

16/03

もし逆表示でなかったら農産物はどういう表示になるのか
―遺伝子組み換えの表示が消されていく―

16/02

遺伝子組み換え作物に対するメダカのがっこうの考え

16/01

塩で本当に心配しなければならないこと

15/12

日本人の乳酸菌の宝庫、たくあん・ぬか漬けは自分で作ろう。

15/11

梅干しは日本人の食養生の基本

15/10

砂糖や甘味料が自給自足生活と相容れない理由(わけ)

15/09

これぞ現代の最強サプリメントだ!
〜米・味噌・梅干し・黒焼きという高機能食品の恩恵に浴そう〜

15/08

日本人は昔から味噌という高機能サプリを持っている

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自家採種できる種を子孫に残すオイルプロジェクト

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赤峰勝人は現代の食医だ!――アトピーが治らないわけ

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今こそ、本物の米、味噌、梅干し、黒焼きが必要なわけ 

15/04

新潟県阿賀町に元氣な糀ばあちゃんあり(山崎京子さんの場合)

15/03

醤油造りのご先祖様

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次世代のために「なんでもやるじゃん」メダカのがっこうの理事Mさん紹介

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子育て介護を終えて、地球とみんなの元気のために生きる

14/12

東京から移住、田舎で子育てをするホームページビルダー

14/11

「自給自足くらぶ」でどんどん幸せに

14/10

都会にいても自給自足生活のおすすめ

Profile:中村 陽子(なかむら ようこ)
中村 陽子(なかむら ようこ)
首のタオルにシュレーゲル青ガエルが
いるので、とてもうれしそうな顔を
してい ます。

1953年東京生まれ。武蔵野市在住。母、夫の3人家族。3人の子どもはすべて独立、孫は3人。 長男の不登校を機に1994年「登校拒否の子供たちの進路を考える研究会」の事務局長。母の病気を機に1996年から海のミネラル研究会主宰、随時、講演会主催。2001年、瑞穂(みずほ)の国の自然再生を可能にする、“薬を使わず生きものに配慮した田んぼ=草も虫も人もみんなが元氣に生きられる田んぼ”に魅せられて「NPO法人 メダカのがっこう」設立。理事長に就任。2007年神田神保町に、食から日本人の心身を立て直すため、原料から無農薬・無添加で、肉、卵、乳製品、砂糖を使わないお米中心のお食事が食べられる「お米ダイニング」というメダカのがっこうのショールームを開く。自給自足くらぶ実践編で、米、味噌、醤油、梅干し、たくあん、オイル」を手造りし、「都会に居ても自給自足生活」の二重生活を提案。神田神保町のお米ダイニングでは毎週水曜と土曜に自給自足くらぶの教室を開催。生きる力アップを提供。2014年、NPO法人メダカのがっこうが東京都の認定NPO法人に承認される。「いのちを大切にする農家と手を結んで、生きる環境と食糧に困らない日本を子や孫に残せるような先祖になる」というのが目標である。尊敬する人は、風の谷のナウシカ。怒りで真っ赤になったオームの目が、一つの命を群れに返すことで怒りが消え、大地との絆を取り戻すシーンを胸に秘め、焦らず迷わずに1つ1つの命が生きていける環境を取り戻していく覚悟である。
★認定NPO法人メダカのがっこうHP: http://npomedaka.net/

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