中村陽子の都会にいても自給自足生活
このページは、認定NPO法人「メダカのがっこう」 理事長の
舩井幸雄は生前、中村陽子さんの活動を大変応援していました。
今年70歳になって、今私がやっていることが全部、いろいろな外圧や環境の悪化から子孫を守るためのことであることに気が付きました。舩井幸雄ドットコムの原稿にも、時々遺伝子組み換えやゲノム編集、放射線など、遺伝子操作をする技術を、推し進めている方たちがいること、日本政府もその先頭に立って、多くのお金を投入していることなど、紹介しています。ですが、私はとても楽観的な性格で、何があっても最後は自然が勝つと思っているので、落ち込むことはありません。
多分、原発や遺伝子操作などの最新技術を人類の幸福のためと思って進めている方たちも、人間の科学はまだ未熟で、自然界のほんの数パーセントしかわかっていない状態で、上手く行くとは本当のところ思っていないでしょう。科学の進むべき道はこっちの方向ではありませんから。
最近、この間違いを明らかに見せられたことを一つお話します。
まず、現在日本の国土の状況を説明しますと、カドミウム汚染された農地がかなりあります。場所は、戦中に弾丸の原料を掘り出すために全国に開いた鉱山と、セメント工場などの周辺です。さらに、これから汚染を拡げようとしています。それは、ウクライナ戦争の影響で化学肥料が高騰し不足しているので、汚泥で堆肥を作り農地に投入しようとしているからです。当然、日本の汚泥はカドミウムやヒ素などの重金属をかなり含んでいます。
国はこれを解決するために、重イオンビームという放射線でカドミウムを吸収しない「コシヒカリ環T」という品種を開発し、これを各地のお米を掛け合わせて、例えば、「あきたこまち」と掛け合わせて「あきたこまちR」という品種を作り、従来の「あきたこまち」を止めて全て「あきたこまちR」に切り替えようとしています。
問題はこれからです。先日、農水省と消費者庁の方たちに「あきたこまちR」についての質問会があり、参加してきました。質問の大半は安全性や交配の問題でしたが、私には一つ聞き流せない点がありました。それは「あきたこまちR」を栽培した田んぼはいつまでもカドミウム汚染されたままだということです。セシウムなどと違い半減期がないカドミウムは減りません。まして汚泥堆肥を投入していけばさらに汚染がひどくなります。
この質問に対して、人間の食べる米にカドミウムが含まれないことが目的なので、田んぼの汚染は関係ないというお答えでした。汚染された農地を子孫に残すことに問題を感じない農水の方たちに失望しました。元農水の方に聞くと、彼らは答えるべき内容のペーパーを渡されていて、それ以外は答えてはいけないことになっているそうで、お気の毒であると思いましたが、お答えが本心でないことを祈るばかりです。
ということで、このこと1つとっても、国が進めている科学の方向は全く間違っていることは明らかで、自然界からのしっぺ返しは必ずきます。それも間違ったことをやった人だけに来るのではなく、私たち全員にやってきます。その時のために私はがんばっているのだと気が付いたのです。
では、人間が研究するべき科学の方向とはどちらなのでしょうか。それは、老子の「天に機(からくり)有り」の機=自然の摂理を科学すること、ではないでしょうか。宇宙人が木村秋則さんの自然栽培に関心を持って接触しているようですが、まさに木村さんの意識と土とりんごの関係全体を科学しているのだと思います。
私もメダカのがっこうの農家の方たちと田んぼの生きもの調査を行ってきましたが、これは地球全体の生きものたちを意識するためにとても有効なことだったと思います。田んぼだけでなく周辺の環境改善をして、大地の呼吸を取り戻すと、のびのびとした作物が育つことを「大地の再生」で会得しましたが、これも田んぼの水脈を支えている周辺の樹や草の存在を見えるようになる感性の進歩が必要です。私もこの意識や感覚が退化してしまっており、復活にはもう少し時間がかかると思いますが、これが進むべき科学の方向だと思うので、感性を磨いていこうと思います。
自然からのしっぺ返しが来て、現在自分にウソをついて存在している現代社会の構造が壊れる時が来ると思いますが、今思えば、そんな時のために、米、麦、大豆が作れ、味噌、醤油、梅干し、たくあん、オイルが作れ、いざという時に病気を治せる食養と手当法を身につけておきたくて、メダカのがっこうの自給自足くらぶをやってきたのだと思います。
あとはシードバンクや、汚染した地球を浄化する炭も焼いて撒きたいと思っています。覚悟すれば心は楽になります。今回は70歳の心境をまとめてみました。バージョンアップしたらまた記します。
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首のタオルにシュレーゲル青ガエルが
いるので、とてもうれしそうな顔を
してい ます。
1953年東京生まれ。武蔵野市在住。母、夫の3人家族。3人の子どもはすべて独立、孫は3人。
長男の不登校を機に1994年「登校拒否の子供たちの進路を考える研究会」の事務局長。母の病気を機に1996年から海のミネラル研究会主宰、随時、講演会主催。2001年、瑞穂(みずほ)の国の自然再生を可能にする、“薬を使わず生きものに配慮した田んぼ=草も虫も人もみんなが元氣に生きられる田んぼ”に魅せられて「NPO法人 メダカのがっこう」設立。理事長に就任。2007年神田神保町に、食から日本人の心身を立て直すため、原料から無農薬・無添加で、肉、卵、乳製品、砂糖を使わないお米中心のお食事が食べられる「お米ダイニング」というメダカのがっこうのショールームを開く。自給自足くらぶ実践編で、米、味噌、醤油、梅干し、たくあん、オイル」を手造りし、「都会に居ても自給自足生活」の二重生活を提案。神田神保町のお米ダイニングでは毎週水曜と土曜に自給自足くらぶの教室を開催。生きる力アップを提供。2014年、NPO法人メダカのがっこうが東京都の認定NPO法人に承認される。「いのちを大切にする農家と手を結んで、生きる環境と食糧に困らない日本を子や孫に残せるような先祖になる」というのが目標である。尊敬する人は、風の谷のナウシカ。怒りで真っ赤になったオームの目が、一つの命を群れに返すことで怒りが消え、大地との絆を取り戻すシーンを胸に秘め、焦らず迷わずに1つ1つの命が生きていける環境を取り戻していく覚悟である。
★認定NPO法人メダカのがっこうHP: http://npomedaka.net/