船井幸雄グループ社員の、日々もの思い、考へる
このページは、船井本社グループスタッフによるコラムページです。 「これからは“本音”で生きるのがよい。そのためには“本物の人間”になることが大事」という舩井幸雄の思想のもと、このページでは、社員が“本物の人間”になることを目指し、毎日の生活を送る中で感じていること、皆さまに伝えたいことなどを“本音ベース”で語っていきます。
名前:塚田 明彦
イリアール株式会社の塚田です。
先日、友人と一杯やっている時に「これ、どう思う?」と見せられたメールがあります。
@取引先の若い営業マンからのメール
「26日のお打ち合わせの件ですが、弊社の都合で、すいませんが27日に変更していただけませんでしょうか」
A一緒に食事に行く約束をしていて、遅刻しそうなお嬢さんから届いたメール
「殿 すみませぬ。姫はまだ早籠の中ですぅ〜。いましばらく、お待ちくださいませぇ〜」
共通することばは「すいません」と「すみませぬ」です。
@のメールの「すいません」は、聞かない日はないくらい、年齢を問わず日常生活の中でごく普通に使われています。ところがこのことば、ほとんどの辞書には記載されていません。
(WEBのgoo辞書には、すい‐ませ‐ん【済いません】「連語」「済みません」の俗な言い方。と記載されていますが・・)
元のことばの「すみません」は動詞の「済む」の否定形「済まぬ」の丁寧語で「済みませぬ」(Aのメールです)が変化したものです。
「あっ!すみません、間違えました」
「すみません、○○してください」
「すみません、○○していただき、助かりました」
謝罪・依頼・感謝の気持ちで使われます。
これが話しことばになると、使いやすいことばに変化します。
地域性もあり、私が子供の頃聞き馴染んだ、鹿児島弁では「すんもはん」。長く暮らした関西では「すんまへん」「すまんのう」etc・・その土地ならではの、暖かみのあることばがたくさんあります。
しかし、「すいません」に関しては地域性ではなく、「マ」行の音が連続すると発音しにくいので、「sumimasen」の最初の「m」を抜いて、「suimasen」と発音しやすく変化したと推測します。あまりにも一般的すぎて、使うなとは言い難いことばのひとつです。
ただし、あくまで話しことばであることが前提です。親しい人との会話であっても、多少でも気を使う必要がある場合は「すみません」。対外的に使うなら「申し訳ございません」と使い分ける必要があると思います。
謝罪と依頼の気持ちを込めて、丁寧に書いたつもりの「すいません」、茶目っ気たっぷりに書いた「すみませぬ」。時代や年代によって、同じことばが気持ちの伝達の道具として、いろいろ変化していくのはおもしろいものですね。
その夜は、「最近の若いやつはことばの使い方を知らん」とぼやきながら、娘さんからのメールに目尻を下げるオヤジと、ついつい杯を重ねて夜は更けていきました。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。
5周目:「自分にしかできないこと」
6周目:「自分にしかできないこと−その2」
7周目:「自分にしかできないこと−その3」
8周目:「「正しい日本語」を考える−その1」
9周目:「「日本語」を考える−その2」
10周目:「「日本語」を考える−その3」
11周目:「「日本語」を考える−その4」
12周目:「「日本語」を考える−その5」
13周目:「「日本語」を考える−その6」
14周目:「「日本語」を考える−その7」
15周目:「「日本語」を考える−その8」
16周目:「「日本語」を考える−その9」
2013.05.30: 我が家のきまり
2013.05.29: 「日本語」を考える−その10
2013.05.28: 環境設定=包み込み
2013.05.27: 船井勝仁の教え
2013.05.24: 人前で話すことの効用
2013.05.23: 我が師 佐々木了雲
2013.05.22: 鳳凰
2013.05.21: 偶然とは思えない3つのこと
2013.05.20: 感性
2013.05.16: 素晴らしい学校が長野にあった!
2013.05.15: ならば、どうする!
2013.05.14: 古道を行く
2013.05.13: 大掃除研修
2013.05.10: 水からのプレゼント
2013.05.09: +αのサービスを
2013.05.08: モチベーションの保ち方
2013.05.07: 小商い共生モデルはセレンディピティを引き起こす
2013.05.02: 笑顔の力
2013.05.01: 出雲大社と古事記と大国主大神(おおくにぬしのおおかみ)について