トップが語る、「いま、伝えたいこと」
4月28日にこのHPで静岡県の三上元湖西市長の電話の件を書きました。
「50%ぐらいの人が原発賛成のもようなので」と彼は言っています。5月13、20日号の「フライデー」にこのことは大きな記事になりました。
私は5月6日には、朝日新聞の原発についての世論調査が、いかにでたらめかを、やはりこのHPで書きました。
きょう載せるのは、最近私のところへ来た私の知人のインベストメント(株)(TEL:03−5412−0096)の塚澤健二さんからの発信レポートです。
了解を得ましたのでそのまま載せます。
レポートの題名は「電力問題と電源別発電単価と海外の自然エネルギーの買い取り単価」です。
結論として「日本は風力は3円/kwhです。電力会社は風力発電を建てさせないと言っているようなものです」となっています。
以下、塚澤さんのレポートをそのまま掲載します。
船井幸雄様
T-modelコラムBy T-model Investment 塚澤健二
「安くてクリーンな原発」は「高くて危険な原発」へ
2011年4月4日、読売新聞朝刊で「世論調査結果によると、国内の原子力発電所の今後のあり方について、「現状を維持すべきだ」と答えた人が最も多く46%だった。以下、「減らすべきだ」29%、「すべてなくすべきだ」12%などと続いた。調査は電話方式で1〜3日に実施。回答率は62%で1036人の有権者の回答を得た」と報道。
また、同じ4月4日JNN (TBS系)では、「世論調査結果(調査実施は2〜3日)で「『これまで通り稼働しながら安全対策を強化すべき』と答えた人が最も多く」とし、「いったん停止させ対応を検討すべき」と「原発は停止させ別の発電方法をとるべき」との声がそれぞれ15%程度だった」と伝えている。チェルノブイリ原発事故と並ぶ「リスク7」となった福島第一原発が毎日、放射性物質を撒き散らし、今すぐ健康被害とならないとはいえ「原発維持」が約半数とはあまりに違和感を感じる世論調査。
4月22日、自由報道協会主催で行われたソフトバンク社長孫氏の「エネルギー政策の転換に向けて」の講演で紹介された「ツイッター国民投票サイト」による『日本の原発は今後どちらの方向に舵をとるべきか?』では、縮小・全廃96%(8500人)、維持・推進4%(400人)」と縮小・全廃が圧倒的多数。孫氏も「多くの人々の民意を反映している」データと語っているように当然の結果の世論調査。それにしても、何故大手マスコミの世論調査と大きく異なっているのか?
日本国民はその意味と意図を深く考えなければならない。
孫氏は、『2010年エネルギー白書』ではエネルギーコスト(kwh)が太陽光49円、風力10〜14円、水力8〜13円、火力7〜8円、原子力5〜6円と原子力が最も安く示されているが、「どうゆう根拠で誰が計算したのか?」「原発は安いと思い込ますために平たく言えばプロパガンダ、ある種の洗脳」と疑問を呈する。
なぜなら、日本電力会社が80年以降、新設した原子力発電の設置許可申請書で原価計算すると15〜20円/kwhであり白書の約3倍。また、フランスの試算では、原子力の事故発生確率で保険コストを加えて計算すると45円〜60円とその約3倍に跳ね上がる。最近作られたフィンランドの原子力発電所の事例でも、当初予定3500億円(14円/kwh)+追加コスト(廃棄物処理コスト、事故保険コスト)=1.5兆円(60円/kwh)。『2010年エネルギー白書』で最も高いと示される太陽光をも超えている。
一方、近年、世界では太陽光発電が伸びているのに何故、太陽光発電の技術で先行する日本では停滞しているのか? についても言及。世界と日本で大きく異なるのは「全量買い取り制度」。買い取り価格は、ドイツが42.9〜54.9円(20年間)、スペイン41.6円〜44.2円(25年)、イタリア52.3〜63.7円(25年)、フランス71.5円(20年)、EU平均58円。それに対し、日本は10〜12円と極めて安い価格。買いたくないという意思が見え見えだが、不思議なことに東日本大震災が起きた3月11日の午前中に買い取り価格40円(20年)の『全量買い取り制度』が閣議決定されたのも何か因緑めいている。
2010年、米国では原発と太陽光のコストが初めて逆転した。福島第一原発事故を契機に「安くてクリーンな原発」は「高くて危険な原発」へと変化、世界では今後、原発コストはさらに上がり、太陽光はさらに下がるためエネルギーの主役は交代する? 孫氏は「原子力が最も高いコストになるかもしれないのに、危険な原発を誰が欲しいというのか?」といかに大手マスコミの世論調査が不自然であるかを憤る。そして、『2011年3.11がエネルギー政策転換の日』になると語り、私財10億円で『自然エネルギー財団』を創設している(転載ここまで)。
私が言いたいのは、孫さんの調査報告の「原発の縮小、全廃96%、維持、推進4%」に対して、読売新聞などのマスメディアの世論調査の結果が、すべて現状維持が50%くらいであることです。余りにも差がありすぎます。
最近の政府、東電、マスメディアの発表は、国民に多くの不信感を与えています。
これらの世論調査も、どうしても信用する気になれない……という人が多くいます。
ともかくトップとか意志決定する人は、4月28日の『船井幸雄.com』で私が書いたように、現在のような「安全・安心の確信のもてない原発」はすぐに止めるのが、正しいのです。そういう点では浜岡原発の停止は、まともな意志決定です。
また、原発はきょう紹介した塚澤さんの数値にもありますように、決して低コストではありません。真実を知ってほしいのです。
ここで、もう一度4/28と5/6の私の発信文を読みますと、「なぜマスメディアがこのような世論調査を発表するのか分る気がする」とも多くの人が言います。多くの人々は真実について気づいているようです。
現在は恣意的に国民を引っぱって行ける時代ではなくなりつつあります。
心して、日本のリーダーは国民を安心させ国民に信用されるように発信し、行動してください。たのみますよ。
=以上=
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