船井幸雄グループ社員の、日々もの思い、考へる

このページは、船井本社グループスタッフによるコラムページです。 「これからは“本音”で生きるのがよい。そのためには“本物の人間”になることが大事」という舩井幸雄の思想のもと、このページでは、社員が“本物の人間”になることを目指し、毎日の生活を送る中で感じていること、皆さまに伝えたいことなどを“本音ベース”で語っていきます。

書:佐野浩一
船井幸雄グループ社員の日々もの思ひ、考へる あの社員の一日を公開!
アラビアのロレンスとイギリス三枚舌外交
2024.3.19(Tue)
社名:(株)本物研究所 51コラボ事業部
名前:服部 真和

「アラビアのロレンス」という映画をご存じでしょうか? 最近あらためて見直してみてスケールの大きな作品だなと感嘆しました。CG全盛の時代、リアルな風景の中にとてつもない多くの人間を配置して撮影した映像は、正直スゲーの一言。「アラビアのロレンス」は、広大な砂漠を舞台に、イギリス人将校がアラブ民族とともに独立を目指して戦った実在の人物トマス・エドワード・ロレンスを描いた作品です。

映画史に残る名作として知られているのですが、日本で公開されたのが1963年、私が生まれた翌年です。公開されたときは、まだ私は赤ん坊。しかしその映画の名声はよく耳にして、10代後半に「アラビアのロレンス」を見た時は、その雄大な砂漠の風景と流れる音楽があまりにぴったりでその映像に酔いしれた記憶があります。砂漠=ロレンスの映画音楽というイメージは現在でも私にとっては変わらない感じです。今から60年以上も前の映画なので、今の若い人は「アラビアのロレンス」と聞かれても、知らない人が多いかもしれません。

この映画、ニュースを騒がしている、ガザ・イスラエル問題の原点であり発端となる時代の中東を描いています。第一次大戦後のイギリスの、いわゆる「三枚舌外交」により、この中東地域を複雑にしてしまい「世界の火薬庫」と言わしめ、それが今に引きずっていると言われています。イギリスは当時、敵対するオスマン帝国に対してアラブが反乱を起こせば、アラブの独立国家を認めるという「フサイン・マクマホン協定」を結びます。アラブはこの協定を信じて反乱を起こします。そこにアラブの英雄とたたえられたアラビアのロレンスがいました。先頭をきって反乱部隊に加わったのです。

しかし、その一方でイギリスは、戦後のオスマン帝国をイギリス、フランス、ロシアの三国で分割するという「サイクス・ピコ協定」を秘密裏で結んでいたのです。これ、矛盾しています。ロレンスはアラブの独立のために、ダマスカスに、イギリスより、いち早く入城し、国民議会を開くのですが、このダマスカス、「フサイン・マクマホン協定」ではアラブに、「サイクス・ピコ協定」ではフランスに、と約束されていたのです。これはおかしい。何を信じればいいんだとなりますし、そのために流した血は報われるのか?

さらに、当時高まっていたシオニスム運動で、イギリスはユダヤ資本から戦費を引き出すために、戦後パレスチナにユダヤ人居住区を作るという「バルフォア宣言」を出してしまいます。ユダヤ人にとってみれば、ローマに国を追われ離散したディアスポラ以来、約束の地への帰還は、2000年の悲願となるわけです。それによりイスラエルが建国されました。ここにユダヤとアラブの確執が起こり、今のガザ・パレスチナ問題につながるわけです。

こうした立場と利害を異にする人たちに、別々のことを言って幻惑させたイギリスの三枚舌外交が、今日の中東の不安定さを引き起こした原因の一つになっているのです。イギリスの自己都合な外交戦略は罪深いと思います。「アラビアのロレンス」はそうたことに、直接言及し描いていませんが(イギリスの傲慢でタヌキ的な感じは描いています)、あきらかに時代に翻弄された人物という印象を受けます。

そういう歴史的観点から映画を見ると、どの立場でどのように描くか、あるいは描かれたのかいうことにより、印象も変わります。先日、アカデミー賞のVFXを受賞し話題となった「ゴジラ -1.0」は、あきらかの特攻隊というのが根底にありました。これだって歴史の悲劇に翻弄された人物が、主人公でした。


2周目:「映画館へ行こう!」
3周目:「清々しいメロディに紡ぎだすハート」
4周目:「刺激的な人物がいた!」
5周目:「人の変化で時代を感じる」
6周目:「ひまわり大作戦」
7周目:「雑感」
8周目:「あらためて「プラス発想、素直、勉強好き」を・・・」
9周目:「想いは実現するということの私なりの解釈」
10周目:「宮沢賢治と手帳」
11周目:「防災の心得」
12周目:「書と陶の融合・・・私探しの旅に出て私になる」
13周目:「麻について」
14周目:「歩くことが楽しくなってきた」
15周目:「工夫をしよう!」
16周目:「アルゴ」
17周目:「私が過ごした本物研究所について」
18周目:「「笑いとばせ」という感性」
18周目:「「ありがとう」の言葉の力」
19周目:「美術館は妖怪ブーム」
20周目:「インフレ時代到来か?」
21周目:「20代の仕事の思い出」
22周目:「舩井幸雄が遺してくれたもの」
23周目:「まっ直ぐなやさしさ」
24周目:「山口敏太郎さんという方にお会いした印象」
25周目:「突出したことをしないでセミ・リタイアした男性」
26周目:「「精麻」で幸運を呼び込む」
27周目:「新春はこの人に注目!」
28周目:「20年前を振りかえる」
29周目:「新しいことをやるには……」
30周目:「月並みですが持続のコツ」
31周目:「やってみて気づく」
32周目:「運を味方にするサイトがオープン!」
33周目:「雑感」
34周目:「セルフ・ブランディングの時代を感じて」
35周目:「絶望と無気力の淵から立ち上がって・・・」
36周目:「今から、ワクワクしています!」
37周目:「スピ・サミ・レポート」
38周目:「3・3・3の原則」
39周目:「この人、イイね!」
40周目:「エジプトに行ってきました!」
41周目:「違和感を感じる自分」
42周目:「スピリチュル・サミットの季節が・・・」
43周目:「禅を新発見」
44周目:「道教」
45周目:「ゴッズ・オブ・エジプト」
46周目:「タオという宇宙観」
47周目:「ドラゴン・イン台湾」
48周目:「テレサ・テンは菩薩だった!」
49周目:「宮沢賢治の言葉に触発されて」
50周目:「新しい女性美の提案企画スタート!」
51周目:「響」
52周目:「イスラエルに行き感じたこと」
53周目:「不思議な施術体験、すごかった!」
54周目:「次元上昇」
55周目:「呪詛大国日本」
56周目:「遥かなるイスラエルへの旅」
57周目:「伊勢神宮の月次祭を奉拝して」
58周目:「古本屋で昔、買えなかった本に出合う」
59周目:「カバラの衝撃」
60周目:「女神の時代へ」
61周目:「フェニックス=火の鳥=鳳凰」
62周目:「不思議大好き!知られざる日本」
63周目:「今、最も注目される哲学者は何を語るのか?」
64周目:「奇想のクリエイティブ」
65周目:「熱き心の姿勢が多くの人に希望の火を灯す」
66周目:「チベット死者の書」
67周目:「100年以上前にチベットで修業した僧侶の話」
68周目:「世界にはすごい聖地があるもんだ」
69周目:「極限状態から起こる気づきの嵐」
70周目:「ミャンマーに行ってきました」
71周目:「ヴィパッサナー瞑想の聖地へ」
72周目:「魂が喜ぶ瞬間へ」
73周目:「イスラエルを巡る3つの謎」
74周目:「幸運は準備している人に訪れる」
75周目:「ゴーイチプレミア」
76周目:「協力と情報共有」
77周目:「オンライン化の波」
78周目:「魔術的要素があるという古代ルーン文字」
79周目:「数字の持つ神秘な側面」
80周目:「エジプトに注目」
81周目:「女神の知恵を取り入れていく時代へ」
82周目:「エジプトの息吹を感じる」
83周目:「聖書に隠された数の暗号の秘密とは?」
84周目:「カバラって複雑で難しいけど興味深い」
85周目:「紫微斗数(しびとすう)ってご存じですか?」
86周目:「コロナ禍の状況下、絶体絶命下で開かれた叡智の光がヒントになる?」
87周目:「私という謎と数の関係性」
88周目:「ケルト文明の謎に惹かれて」
89周目:「アーサー王伝説について」
90周目:「2つの「死者の書」と死んだらどうなるのか?」
91周目:「ケルト巡り」
92周目:「黒い聖母マリアとケルト」
93周目:「「カバラ」に興味を持った、そのわけは?」
94周目:「「不思議の国のアリス」というキーワードは外せない!」
95周目:「気軽に知的エンターテイメントを楽しむ」
96周目:「ベリーダンスは神々に捧げる踊り? 神託タロットに影響されて・・・」
97周目:「<学魔>と呼ばれる知の巨人からのメッセージ」
98周目:「「フール・オン・ザ・ヒル」、覚醒へ向かえ!」
99周目:「タロット、自由自在!」
100周目:「アーカーシャとゼロ・ポイント・フィールド」
101周目:「「不思議の国のアリス」は、ぶっち切りの逆転ゴール?」
102周目:「不思議な結晶の塩は何をもたらしてくれるのか?」
103周目:「黒い聖母子像の謎」
104周目:「デビルマンという傑作漫画について」
105周目:「善と悪の聖獣の終わりなき戦い」
106周目:「イエス・キリストの深奥のコトバに触れて」
107周目:「Belly dance inspired by tarot cards"The universe of Tarot."」
108周目:「古代インドの叡智を日常生活に取り入れる」
109周目:「健康維持のためのホリスティックな全体像を知る」
110周目:「サルバドール・ダリの表面と深層の秘密」
111周目:「アーユルヴェーダの辛味スパイスと「いちご」の幸福な出会い」
112周目:「新年、誕生日、私って誰?」
113周目:「フランケンシュタインの幻影」

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