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注目されていたFOMC(米連邦公開市場委員会)が終わり、予定通り0.5%の利上げが決定され実施されました。市場が危惧していた0.75%の利上げがなかったことで一旦はアメリカのダウ平均は1,000ドル近く上がったのですが、その翌日には1,000ドル以上下げて終わるという乱高下を演じました。日本はゴールデンウィークのお休みが続いていてマーケットが閉まっていたのですが、連休の谷間の5月6日(金)の寄り付きは下げて始まっています。
アメリカの金融当局はインフレの原因のひとつが好調な為替相場にあると思っているのかもしれません。だから、ひとつの指標として株価を下げることを意識しているような感じもします。年初に36,800ドル弱の最高値を付けたのですが、それが5月5日(木)の終値では33,000ドルを少し切るところまで売り込まれています。市場の声で、3万ドルを切るところまで下がる可能性があると言われていて、アメリカの株式は本格的な調整局面に入ったようです。
今年のアメリカはバイデン大統領の政権運営の最初の試金石となる中間選挙の年です。通常の力のある政権ならば選挙の年には株価が上がるものですが、どうも今回はこのセオリーは当たりそうにありません。
バイデン大統領が既にレームダックになってしまっているような気もしますが、株価よりもインフレを何とかすることを優先せざるを得ない状況になっていると考えるのが妥当だと思います。日本も夏に参議院選挙がありますので、通常ならば株価が上がる年になるはずですが、やはりアメリカにつられて弱含みで推移しています。日本のマーケットは外国人投資家が主役になってしまっているので、アメリカの動きにどうしても引っ張られる向きがあるのですが、幸い、最高値更新とは縁が全くなかった静かな相場だったので、比較的下げ方もゆっくりな気がします。
岸田総理は連休を利用してアジアとヨーロッパ歴訪に向かいました。このタイミングでロシアが突然、岸田総理を含む政治家やジャーナリスト、それに大学教授など63人の入国禁止を発表しました。その原因は岸田総理がローマ法王に謁見したからではないかという観測が出ています。(出典:無料メルマガ「宮崎正弘の国際情勢解題」令和四年(2022)5月6日(金曜日)通巻第7322号)今回のウクライナ侵攻の背景にはカソリックとロシア正教の宗教的な対立が背景にあるという見方ですが、そういう意味では、岸田総理はプーチン大統領が嫌がるという意味では正しい行動を取られているのかもしれません。
ちょっと脱線しましたが、話を戻すと、岸田総理はイギリスの金融街シティで講演して、日本人の持つ資産を貯蓄から投資に誘導する政策を採ることを表明しました。これが実現して、日本の株式市場の主役が日本人個人投資家になると日本の株式は海外の相場に振り回されずに独自の動きをある程度できるようになるのではないかと感じました。ただ、そのためには間違っても金融所得課税などの増税戦略は採らないでいただきたいと思います。そして、消費税を上げないこともとても大事なポイントですので、その辺を見極めて投票したいと思っています。
インフレ退治を優先するということを考えていて、エコノミストの増田悦佐先生が2014年に出版された「戦争とインフレが終わり激変する世界経済と日本」(徳間書店)のことを思い出しました。1914年に勃発した第一次世界大戦からの百年間は戦争とインフレの時代だった。しかし、リーマンショックからの回復基調が明らかになってきた2014年当時、いくら金融緩和処置をしてもインフレにならない世の中が来て、デフレが当たり前の時代になった。そして、歴史を振り返ってみるとインフレの時代は戦争が起こり、デフレになると不況にはなるが平和な時代になってきたようだ。だから、2014年からの百年間は平和の時代になるのではないかという見通しを述べられた本だったと記憶しています。
それでは困る人たちがいるので、コロナ禍を起こし、プーチン大統領が戦争を始めるように仕掛けている勢力がいて、久々にインフレを何とかしなければならない事態に世界経済は追い込まれているのかもしれません。日本も為替安や資源高などでインフレ傾向が強まってきていますが、企業努力などで諸外国に比べればマイルドなもので収まっている気がします。日銀の黒田総裁が言うように、日本のデフレの真の原因はなかなか埋まらない需給ギャップで、それが根本的にはほとんど解決していないので本格的なインフレにはならず、だから金融緩和措置を続けるのだというのは正解なのではないかと感じています。
戦争の20世紀も第一次大戦と第二次大戦の間は束の間の平和な時代がありました。逆に21世紀の平和の時代も束の間の戦争の時代があったという風に歴史が推移すればいいなあという希望的な思いを持ってはいけないでしょうか。少なくとも日本はそんなに激しインフレになっていないことに感謝しつつ、平和を続けていくための叡智をぜひ結集していきたいものだと思っています。
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舩井 勝仁 (ふない かつひと)
![]() 1964年大阪府生まれ。1988年(株)船井総合研究所入社。1998年同社常務取締役 同社の金融部門やIT部門の子会社である船井キャピタル(株)、(株)船井情報システムズの代表取締役に就任し、コンサルティングの周辺分野の開拓に努める。 2008年「競争や策略やだましあいのない新しい社会を築く」という父・舩井幸雄の思いに共鳴し、(株)船井本社の社長に就任。「有意の人」の集合意識で「ミロクの世」を創る勉強会「にんげんクラブ」を中心に活動を続けた。(※「にんげんクラブ」の活動は2024年3月末に終了) 著書に『生き方の原理を変えよう』 |
佐野 浩一(さの こういち)![]() 株式会社51コラボレーションズ 代表取締役会長 公益財団法人舩井幸雄記念館 代表理事 ライフカラーカウンセラー認定協会 代表 1964年大阪府生まれ。関西学院大学法学部政治学科卒業後、英語教師として13年間、兵庫県の私立中高一貫校に奉職。2001年、(株)船井本社の前身である(株)船井事務所に入社し、(株)船井総合研究所に出向。舩井幸雄の直轄プロジェクトチームである会長特命室に配属。舩井幸雄がルール化した「人づくり法」の直伝を受け、人づくり研修「人財塾」として体系化し、その主幹を務め、各業界で活躍する人財を輩出した。 2003年4月、(株)本物研究所を設立、代表取締役社長に就任。商品、技術、生き方、人財育成における「本物」を研究開発し、広く啓蒙・普及活動を行う。また、2008年にはライフカラーカウンセラー認定協会を立ち上げ、2012年、(株)51 Dreams' Companyを設立し、学生向けに「人財塾」を再構成し、「幸学館カレッジ」を開校。館長をつとめる。2013年9月に(株)船井メディアの取締役社長CEOに就任した。 講演者としては、経営、人材育成、マーケティング、幸せ論、子育て、メンタルなど、多岐にわたる分野をカバーする。 著書に、『あなたにとって一番の幸せに気づく幸感力』 |
