トップが語る、「いま、伝えたいこと」

このページでは、舩井幸雄の遺志を引き継ぐ舩井勝仁と佐野浩一が、“新舩井流”をめざし、皆様に「いま、伝えたいこと」を毎週交互に語っていきます。
毎週月曜日定期更新
2022年9月19日
美とマインドフルネス (※佐野浩一執筆)

 ときどき美術館などに行って、絵画や写真作品などを観ることがあります。
正直、自分の感性で「すごい!」「美しい」「面白い」と感じるものが、それぞれの作品の背景や評価からすると、ズレていたりすることもしばしば……。
「美的センス、ないんじゃないの……」と、思わず問いかけてしまう自分がいました。
 でも、いまは、たとえ無名のアーチストの作品であろうと、また世の中や歴史上での評価が芳しくないものであろうと、自分が美しいと思うものは、「美しい」でいいんじゃないかと思っています。
 コムデギャルソン創業者で世界的なデザイナーである川久保玲氏は、つぎのように語っています。
 「作品に対し『よかったですね』『綺麗だったですね』と皆から評価を受けたら、不安で仕方ないです。そんなにわかり易いものを作ったのかと、自己嫌悪に陥ってしまいます。」
 こうして、美を追求するデザイナーたちは、「同じではない」ことを誇ってきたわけですね。ですから、相対的な評価ではなく、自分だけの価値を持つこと。誰とも違う自分自身だけの何かが、かけがえのない幸せと成功に繋がっていくと考えているということです。これはまた、創る側の視点やスタンスとして、とっても学びになります。

 では、そもそも「美」とはどういうものなのでしょうか?
 ビジネス感覚でもそうですが、一般的には、どうしても「画一化した美意識」、つまり正しい美意識とはなにかを求めてしまいがちであるように思います。
 「何か“正しい美意識”の基準のようなものがあって、鍛えることで“正しい美意識”を得る」という考え方は、そもそも多様性や差別化という方向と矛盾しています。
 つまり“正しい美意識”というのはどこにもないんだと……。「名画=美しい」と思える感性に近づくということは、その感性は他との差別化が進んでいないということになります。自分が本当に思っていること、本当に感じていることを、自分自身で感じ取る力が弱くなってしまっているのかもしれません。つまり「なんとなく素敵に感じる」とか「なんとなく嫌な感じがする」といった、自分の心のなかに湧き上がる感覚をスキャンする能力を鍛えるというのであれば、それはとっても大事なことだと思います。でも、世の中で、あるいは美術史的に「傑作だ」といわれているようなものを、正しく美しいと思う感覚が鍛えられるかというと、それは決して鍛えられないし、そんなことをするべきではないように思えてなりません。
 
 さて、自然の豊かな場所を散歩しているとき、突然、目の前の雄大な風景の美しさに心を打たれることがあります。ランニングをしているときも、息を呑むような鮮やかな空や海を眺めていて、その美しさに圧倒されたりします。道端に咲く花も、また同じで……、思わずスマホのカメラを向けてしまうものです。
 そもそも私たちは、こうした瞬間に美しさを感じているものです。
 そこには、実は、説明できる理由や理屈などまったくありません。これが事実です。
 けれども、それを自信のない曖昧な言葉で表現したりはしません。
 まるで、「誰もが自分と同じようにそれを美しいと思うはずだ」と確信しているかのように、「これは美しい」と断言する、あるいは確信しているのです。心の中で……。
 これが、「日常の美」です。
 こんなふうに、目の前の何かの美しさが一般的な真実であると断言するには、とてつもなく大きな自信が必要なはずです。それは、ほかの物事と比べてみるとよくわかります。
 私たちは普段、どうしても自分を疑いがちです。
 「なぜなのか?」「どうしてなのか?」「それは本当に正しいのか?」
 けっこういろんな場面で、自分をそう問い詰めているかもしれません。
 なぜなら、いまのいまも、まだ「理由」や「理屈」「理論」などが、「感性」よりも優先される世の中だからです。それでは、実は、大きな未来への動きや流れについていけなくなることは、もう多くの人が気づき始めているはずなのですが……。

 美しいものに感動したとき、私たちは自分の判断に対して、自分の内面で、実は十分な自信を持っているので、それを裏付ける何かを必要としないのです。何らかの基準に頼ることなく、自分の意思で自由に判断する……。
 「これは美しい」。
 それだけです。
 客観的な根拠があるから美しいのではありません。何の理由もなく美しいと感じるからこそ、それは美しいのです。

 美しさに感動している瞬間は、先述したような疑いから解放されていることに気付きます。美に触れることで、自分の声に耳を傾けられるようになるからです。
 これ、ものすごく大事なことだと思います。
 繰り返します。
 私たちは、「これは美しい」というシンプルな言葉を、確信を持って口にしています。  
 でも、普段は、こんなふうに何かをはっきりと断言することは難しい……と思いませんか?
 職場でも家庭でも、これほど確信を持って何かを言い切れることはめったにないと思うのです。良いアイデアが浮かんでも、簡単にはそれを口にできないこともあります。
 でも、まばゆいばかりの空を見て感動する……、アーチストの美声やうまさに心を打たれる……といった体験をすると、自分の心の声に完璧に耳を傾けることができていると言えます。美しさにただ心を奪われていること以外に何も考えず、「これは美しい」と言うとき、私たちは自分を信頼する方法を学び直しているとも言えます。
 そうなんです。
 いろんな情報が飛び交っています。
 世の中の情報は、ほぼすべて「二項対立」……であるように感じます。
 余談気味になりますが、実際には分断がないかもしれないのに、分断があると思い込んだり、違いがないのに違いがあると思い込んだり、対立がないのに対立があると思い込んでしまうように動かされています。白黒はっきりつけたがって、グレーゾーンを意識できていなかったり、世の中を、いいものと悪いものに区別していたり、「二項対立」にどっぷり浸かっていますよね。
 こういう視点でとらえると、「美」の反対は「醜」。
 本当にそうでしょうか?
 「美」は、まさに「グラデーション」でとらえられます。
 なぜなら、すべてのものを「美」と「醜」で2つに分類できないからです。
 だからこそ、自分自身の「美」を大事にすること。
 これ、ものすごく大事なことだと思うんです。
 自分自身の根っこにある感覚とつながっているからです。
 そこに、自分自身が存在するからです。

 経営やビジネス、あるいはマインドフルネスに「美」を取り込むことが注目されています。……というか、月見にしろ、花火にしろ、花見にしろ…、もうずいぶん昔から、とくに日本人はそのことを知っていたのです。
 自分が自分自身に戻れる瞬間。
 それが、「美」を感じるときではないでしょうか?

 ふと、立ち止まる時間を大切にしたいですよね。
 速いのがあたりまえのこの時代。
 ゆっくりスピードを落とすことも大事な選択だと思います。
 「美」を感じる瞬間は、まさに「マインドフルネス」だと思います。
                             感謝

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舩井 勝仁 (ふない かつひと)
株式会社船井本社 代表取締役社長
1964年大阪府生まれ。1988年(株)船井総合研究所入社。1998年同社常務取締役 同社の金融部門やIT部門の子会社である船井キャピタル(株)、(株)船井情報システムズの代表取締役に就任し、コンサルティングの周辺分野の開拓に努める。
2008年「競争や策略やだましあいのない新しい社会を築く」という父・舩井幸雄の思いに共鳴し、(株)船井本社の社長に就任。「有意の人」の集合意識で「ミロクの世」を創る勉強会「にんげんクラブ」を中心に活動を続けた。(※「にんげんクラブ」の活動は2024年3月末に終了)
著書に『生き方の原理を変えよう』(2010年 徳間書店)、『未来から考える新しい生き方』(2011年 海竜社)、『舩井幸雄が一番伝えたかった事』(2013年きれい・ねっと)、『チェンジ・マネー』(はせくらみゆき共著 2014年 きれい・ねっと)、『いのちの革命』(柴田久美子共著 2014年 きれい・ねっと)、『SAKIGAKE 新時代の扉を開く』(佐野浩一共著 2014年 きれい・ねっと)、『聖なる約束』(赤塚高仁共著 2014年 きれい・ねっと)、『失速する世界経済と日本を襲う円安インフレ』(朝倉慶共著 2014年11月 ビジネス社)、『智徳主義【まろUP!】で《日本経済の底上げ》は可能』(竹田和平、小川雅弘共著 2015年 ヒカルランド)、『日月神示的な生き方 大調和の「ミロクの世」を創る』(中矢伸一共著 2016年 きれい・ねっと)、『聖なる約束3 黙示を観る旅』(赤塚高仁共著 2016年 きれい・ねっと)、『お金は5次元の生き物です!』(はせくらみゆき共著 2016年 ヒカルランド)がある。
佐野 浩一(さの こういち)
株式会社本物研究所 代表取締役社長
株式会社51コラボレーションズ 代表取締役会長
公益財団法人舩井幸雄記念館 代表理事
ライフカラーカウンセラー認定協会 代表
1964年大阪府生まれ。関西学院大学法学部政治学科卒業後、英語教師として13年間、兵庫県の私立中高一貫校に奉職。2001年、(株)船井本社の前身である(株)船井事務所に入社し、(株)船井総合研究所に出向。舩井幸雄の直轄プロジェクトチームである会長特命室に配属。舩井幸雄がルール化した「人づくり法」の直伝を受け、人づくり研修「人財塾」として体系化し、その主幹を務め、各業界で活躍する人財を輩出した。 2003年4月、(株)本物研究所を設立、代表取締役社長に就任。商品、技術、生き方、人財育成における「本物」を研究開発し、広く啓蒙・普及活動を行う。また、2008年にはライフカラーカウンセラー認定協会を立ち上げ、2012年、(株)51 Dreams' Companyを設立し、学生向けに「人財塾」を再構成し、「幸学館カレッジ」を開校。館長をつとめる。2013年9月に(株)船井メディアの取締役社長CEOに就任した。 講演者としては、経営、人材育成、マーケティング、幸せ論、子育て、メンタルなど、多岐にわたる分野をカバーする。
著書に、『あなたにとって一番の幸せに気づく幸感力』(ごま書房新社)、『ズバリ船井流 人を育てる 自分を育てる』(ナナ・コーポレート・コミュニケーション)、『私だけに教えてくれた船井幸雄のすべて』(成甲書房)、船井幸雄との共著『本物の法則』(ビジネス社)、『あなたの悩みを解決する魔法の杖』(総合法令出版)、『幸感力で「スイッチオン!」』(新日本文芸協会)がある。
数霊REIWA公式サイト 佐野浩一 本物研究所 本物研究所Next C nano(ネクストシーナノ) 成功塾説法 舩井幸雄動画プレゼント 高島康司先生の「日本と世界の経済、金融を大予測」 メールマガジン登録 舩井メールクラブ 佐野浩一note