日日日是好日 〜熱海だより〜 -熱海秘書 相澤智子-
日々、船井幸雄やまわりの人たちと接する中で気づいたこと、学んだことなどを皆さまにお伝えしていきます。
皆さまこんにちは。
前回のこちらのコーナーで、船井が体験した量子医学や、「聖書の暗号」にも関係がありそうだと思われる『量子物理学』について書かせていただきました。
今回もこの量子物理学について、もう少し詳しく書かせていただきたいと思います。
現在、まだ勉強を始めたばかりですが、素人なりにわかったことをまとめてみました。よろしければお読みください。
私たちが普段使っている、携帯電話やパソコン、コンピュータなどいわゆるハイテクと呼ばれる分野の製品は、量子論による産物です。これらの製品に使われている半導体部品の原理が量子論の上に成り立っています。また、遺伝子やDNAの構造、原子炉での核分裂反応、太陽エネルギーを生み出している核融合反応も量子論に従って起こっています。
これに対し、アインシュタインの相対性理論は、宇宙を観測したり、ロケットを打ち上げるときなどに使われている理論です。
この二つが現代物理学の二本の柱となっています。
量子論はニールス・ボーアによって作られました。ボーアは1922年に量子論を築いた功績でノーベル物理学賞を受賞し、量子論の父と呼ばれています。
1927年、世界の著名な科学者たちが集まり「第5回ソルヴェー会議」が開かれました。そこでボーアは、「この世のモノは意識されて初めて実在し、観測者の意識が現実を創造する。また、それがどんなに奇妙で従来科学の基本理念を逸脱していても科学として受け止める」と宣言しました。
この宣言は、従来の科学者たちの度肝を抜く、常軌を逸した声明だったようです。これが、「コペンハーゲン解釈」として世に知られるようになり、量子物理学が科学体系として認知されるようになりました。
量子論は、「物質は常にあいまいな位置と速度を持つ」ことや、「未来は厳密なルールによってただ一つに決まっているのではない」ということを私たちに示しています。
相対性理論を作ったアインシュタインの信念は、「物理学は決定論である」というものでした。ニュートン以来、物質世界に対する物理学者の認識は、「最初の条件が決まれば、以後の状態や運動はすべて確定されるのだ」というものです。よってアインシュタインには、「あいまいさこそが自然の本質なのだ」という量子論は、受け入れられないものであったようです。ただし、アインシュタインは量子論を「でたらめだ」と言ったわけではなく、量子論は、完全かつ最終的な理論ではなくて、私たちがまだ知らない「隠れた法則」があるのだと考えていたようです。
アインシュタインの相対性理論と、ボーアによる量子論のどちらが正しいのか、それを検証する実験が、二人が亡くなった後に行われました。
実験の概要を簡単に述べます。
粒子にはスピンという性質があります。
スピンしていない一つの粒子が壊れて回転する二つの粒子が発生するという状況を考えます。このとき、片方の粒子のスピンは右回りが50%になり、左回りが50%になり、どのような場所にあってもスピンの大きさは常に等しく、互いの軸の向きは必ず反対になるということが確認されています。
この二つの粒子を離し、片方の粒子のスピンの向きを確認すれば、もう片方の粒子のスピンの向きが分ります。この二つの粒子を観察することで、遠く離れた二つの物体が瞬時に情報を伝えるかが分ります。
1982年、A・アスペは電子をつかって、電子1の向きを変えることによって、電子2のスピンの向きが瞬時(超光速)で変化するかを確かめようとしました。
アインシュタインの理論は、相対性理論の中で、「光速度を超えて物体が移動したり、情報が伝わることはない」と言っていました。しかしこの実験で、瞬間的(超光速)に二つの間で情報が伝わるということが確認され、ボーアの量子論が正しいという結果になり、科学に革命をもたらしました。
量子実験の中で判明した事実で問題なのは、人が見たり、意識することで、現実が変わる「観測者効果」です。これによると、私たちが現実だと思っているものがすべて「仮想現実」のようなものであるということを表わしています。
私たちが住む現実とは、一体何なのでしょうか。普段見ている光景も、自分の目の前にあるものも、幻想なのでしょうか。
この実験についてアメリカの著名な物理学者のゲーリー・ズーカフは『踊る物理学者たち』(青土社)の中で次のように述べています。
我々が生きている世界に関する通常の合理的な考え方には根本的な欠陥があることを、物理学者たちは合理的に「証明」したのである。
また、E・ラズロは各種の著作の中で、次のような主張をしています。
今出現しつつある量子物理学による現実は、まったく新しいものだ。その衝撃や驚きは一層大きなものになっており、私たちは科学の根本的な変容の真っ只中にいるのだ。
新しい科学「量子物理学」の枠組みで捉えなおすと、量子のまとまりが空間と時間を超えて瞬時に結びつけられるのと同じように、人々が経験する「意識の一体感」を科学の枠内で説明することが可能だということもわかってきた。
現在、宇宙は空間、時間、物質、エネルギーを超えて、あらゆるモノを包み込んだ全一体世界(ホールワールド)であるという洞察が生まれつつある。その媒体となるのが「宇宙に満ちている空間」という情報塊であり、万物はそこから発生し、顕現し、またそこに帰っていく。
今存在するもの、かつて存在したもの、これから存在するであろうものすべてが、そこから出現するのです。 (『宇宙論の超トリック 暗黒物質の正体』コンノケンイチ著 ヒカルランド刊より転載)
このことを知ると、「私たちすべての人はつながっている」という考えや、「みんなで一つの命を生きている」という考えも量子物理学的に見てもわかるような気がします。
また、E・ラズロ氏の言葉は、コンノケンイチさんも著書の中で述べていますが、仏教の言葉「色即是空、空即是色」という言葉の意味にもつながるように思います。昔の人はきちんと理解していたのかもしれません。
科学の世界が哲学的な世界にも発展していくことに驚きました。量子論は科学の面だけでなく、さまざまな考えに通ずるもののように思います。これからももっと勉強していきたいです。
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船井家の愛犬ゴンちゃんと一緒に。
1981年仙台市生まれ。6年間美容室に勤務後、一転して、2008年に船井幸雄グループに入社。学生時代から、船井幸雄の著書を愛読し、2007年の「船井幸雄オープンワールド」に参加。その後、すぐに「にんげんクラブ」に入会。2009年11月より、(株)船井本社の熱海本社にて、船井幸雄の秘書業務に携わる。現在、大好きな船井幸雄のそばで、いろいろな刺激を受けながら楽しく働いている。好きなものは、音楽鑑賞、ジブリ映画、犬。