日日日是好日 〜熱海だより〜 -熱海秘書 相澤智子-

このページは、2009年11月から(株)船井本社 熱海本社で船井幸雄の秘書として勤務することになった相澤智子(あいざわ さとこ)によるコラムページです。
日々、船井幸雄やまわりの人たちと接する中で気づいたこと、学んだことなどを皆さまにお伝えしていきます。
2012年7月10日
無駄なことをしない船井会長

   40年前の船井(真ん中)
 皆さまこんにちは。

 先日、熱海に虹が出ました。
 ある日の夕方、仕事帰りの会社の先輩から、「空を見て!虹が出てるよ!」と電話がかかってきました。
 空を見上げると、うっすら大きな半円状の虹がすぐ頭上に出ていました。
 嬉しくなって、私も熱海の社員の一人に思わず電話をしてしまいました。すると、「ちょうどいま、私も連絡しようとしていたところです!^^」と言われました。
 少し離れたところに住む友人からも、「虹が出ていたよ」
とメールが届きました。
 みんなが同じことを考えて、おもしろいなぁと思いました。

 空を少し眺めていると、虹はあっという間に消えてしまいました。
 嬉しいことは誰かに伝えたくなりますね。みんなで共有すると、感動は倍増します。
 みんながつながっているようで、幸せな時間に感じました。

 ある日、船井会長から、「君はここ2、3年の体調が悪くなってからの僕しか知らないから、僕がどういう人間かあまり知らないだろうね」と言われました。
 
 考えてみると、私は船井が船井総研の社長をしていたときのことや、第一線でバリバリ仕事をしていた頃のことはあまり知りません。その頃の船井のことは人からの話を聞いたり、書籍で読んだりするだけで、私が知っているのは今の熱海にいる船井がほとんどです。

 今、私が接している船井は、とても穏やかで優しい人です。いつもニコニコ笑顔で、まわりの人にも優しい気遣いをしてくれます。何か仕事をすると、船井は必ず「ありがとう」と一言声をかけてくれますし、船井から届くFAXにも、「いつもごくろうさん」などと、うれしい一言が添えられています。読んでいると嬉しくなり、また頑張ろう!という気持ちになります。船井は、そこにいるだけで、みんながほっとしてしまうような存在で、まさに「ホトケの船井」です。

 しかし、今から何十年も昔の船井は、今とは違い「ケンカの船井」と呼ばれ、まわりからは恐れられる(?)ような存在だったようです。今の「ホトケの船井」からはまったく想像ができません。  
 船井には私が知らない一面がたくさんあるのだと感じました。

 船井は、「僕がどういう人間か君に教えるね。まず僕は、『ムダなことを一切やらない人間』なんだ。いつも忙しくやることがいっぱいあるから、なるべく時間を有効に使うんだよ」と教えてくれました。
  
 たとえば、船井はパソコンの前には20分しか座らないそうです。
 パソコンは朝10分、夜10分だけ使い、用事が終れば無駄にダラダラ使うことはないそうです。メールは受信のみで返信はせず、来たメールを確認するだけにしています。
 最近船井は、10年間使い続けた自宅のパソコンを新しく買い替えたそうです。「やっぱり10年も経つと性能が良くなるね。でも、何だか早すぎて困るよ^^」と、ちょっと嬉しそうに言っていました。

 携帯電話は1日5回くらいしか使わないそうです。電話は自分からかけるだけで、それ以外のときは電源を切っています。そうしないといろんな人からかかってきて、あっという間に自分の時間がなくなってしまうそうです。

 「今の若い人は、スマホやパソコンに時間をとられて、ムダな時間ばかり過ごしているように見えるよ。時間がもったいない。もっと勉強をした方がいい」と船井は言っていました。今の若者がやっているツイッターやフェイスブックなども、船井にとってはムダなことに思えるのだと思います。他の人がいま何をしているかとか、誰かとつながりを持って情報を得たりすることは、便利だったり、楽しい部分もありますが、考えてみると無駄な部分もあるのかもしれません。船井はよく、「どっちでもええ」という言葉を使いますが、そのとおりかもしれないな…と思いました。

 船井は外出するときも無駄がありません。
 いつもすっきり小荷物で、長年使っているカバン一つでどこにも出かけます。
 外泊する時も同じくカバン一つで出かけます。着替えはどうするのかというと、宿泊先で自分でYシャツなどを洗濯し、前の晩に乾かして次の日に来るのだそうです。汚れたものを持ち歩かなくてすむし、荷物も軽くなるので効率的です。いつもすっきり清潔な船井です。
 新幹線に乗る時は、いつも決まった時間に自宅を車で出発し、駅に向かいます。
 駅に着くと待合室で出発時間まで待ち、5分前にホームに向かい、新幹線が来るのを待ちます。船井の行動はいつもムダがなく、落ち着いています。
 船井の同行で一緒に出かけるとき、改札口で私が切符を間違えてもたもたしていたとしても、船井は待ったりすることはありません。スタスタスタ…っと、自分のペースであっという間に先に行ってしまいます。船井は小さなことにいちいちペースを乱されることはなく、マイペースというか集中しています。

 先日、船井の奥様が昔の写真を整理されていて、その写真を少し見せてもらいました。そこには、今から40年くらい前の、船井がまだ30代の頃の写真もありました。
 若い時の船井は、今とはまた違った雰囲気が出ていて、別人のようでした。
 今は、穏やかさがお顔にもにじみ出ていますが、若い時の船井はとてもキリっとした表情で、周りに何人か写っている男性たちの中でもひときわ存在感があり、とてもオーラを放っていました。「なるほど、これが『ケンカの船井』だった頃の会長か…」とはじめて見る船井にびっくりしました(船井に「これは載せていいよ」と言われた写真を載せました)。

 中には、船井と、奥さまと、大阪万博に行ったときの写真もありました。
 大阪万博は、1970年に行われたものなので、今から42年前の写真になります。
 写真には、小学校の時の船井会長の長男や、幼稚園くらいの年の船井勝仁船井本社社長も写っていました。写真の奥さまは、今の船井の娘のゆかりさんそっくりでびっくりしました。
 船井に、「奥さま、とっても可愛いですね」と言うと、「そうだね^^」とにこにこ笑っていました。

 写真の中には、船井のお母様が写ったものもありました。優しそうな笑顔のお母様でした。「こんなの残ってたんだね、はじめて見たよ」と写真を眺めていました。
 船井はいままで忙しく仕事をしてきたので、ゆっくり写真を見たりすることはあまりなかったそうです。事務所で見たそれらの写真を、船井は自分のノートに挟んで、自宅に持って帰っていました。なんだか嬉しそうに見えたので、私も嬉しくなりました。

 船井は、自分で写真を撮ったりすることはないそうです。出張などでいろんな場所を訪れても、写真を撮ってもらうことはあっても、自分で撮ったことはないと言っていました。船井は記憶力がいいので、あまり写真は必要ないのかもしれません。
 
 先日、昔の写真を眺めて懐かしそうだった船井ですが、「僕は無駄なことはしないからね、一度見たら何度も同じ写真を見たりしないんだよ。見たら、ハイ、終わりだよ」と言っていました。長々思い出に浸るタイプではないようです。やっぱり船井はおもしろい人だなと思います。
 
 船井は、仕事で世界中の国やいろんな街を訪れましたが、お土産を買ったりすることもなかったそうです。「僕はお土産なんかも無駄なことに感じるよ」と言っていました。
 一年中いろんなところを走り回っていたので、いちいちお土産など買う気にはならなかったようです。
 船井は忙しく、次に次に考えることがたくさんあるので、お土産を買って思い出を楽しんだりすることはあまりないのかもしれません。

 「僕は同窓会にも行かないね。昔のことを『あの時はこうだった』などと話すのは、とても無駄な時間に思えるよ」と言っていました。これは、自分もそうなのでなんとなく分かるような気がします。昔の同級生に会っても、何を話したらいいんだろう…と私も思ってしまいそうな気がします。

 ある日、熱海事務所にいらっしゃっていたお客様と「船井は無駄なことをしない」という話をしていたとき、こんなことを言われたことがあります。その方はお医者様の方でした。

 「船井会長が『ムダがきらい』とおっしゃっていることは、何となくですが、私も分かるような気がします。
 私も、まわりの人は大事に思っていることでも、自分にとっては無駄だなと感じることがときどきあります。
 たとえば、私は外科の手術をすることがあるのですが、通常、手術の前にはスタッフの人たちと『お願いします』という挨拶をするんです。しかし、私にはそれが無駄なことに思えるのです。
 なぜかというと、手術を始める瞬間には、『ココだ!』というタイミングがあるんですよ。静かに集中して患者さんと一体化していると、パッと始める瞬間が分かるんです。そのタイミングに始めて手術を進めると、宇宙の流れに乗るようにスムーズに進むんです。
 しかし、『お願いし…』と挨拶している間にも、そのよいタイミングを逃してしまうのですよ。そのため、私には手術前の挨拶は無駄なことに感じます。
 ちょっと分かりづらいかもしれませんが、『瞬間』やタイミングはあると私も思います。
 船井会長は『生命がけ』で仕事をされてきた方ですから、無駄なことはせず、一瞬一瞬を大事に生きてこられたのでしょうね」とおっしゃっていました。
 
 その言葉を聞いて、なるほどなあと思いました。『生命がけ』で仕事をするというのは、『いまこの瞬間』に自分にできることを全力でやるということなので、船井は無駄なことはしないのだろうと思いました。

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Profile:相澤智子(あいざわ さとこ)

船井家の愛犬ゴンちゃんと一緒に。

1981年仙台市生まれ。6年間美容室に勤務後、一転して、2008年に船井幸雄グループに入社。学生時代から、船井幸雄の著書を愛読し、2007年の「船井幸雄オープンワールド」に参加。その後、すぐに「にんげんクラブ」に入会。2009年11月より、(株)船井本社の熱海本社にて、船井幸雄の秘書業務に携わる。現在、大好きな船井幸雄のそばで、いろいろな刺激を受けながら楽しく働いている。好きなものは、音楽鑑賞、ジブリ映画、犬。



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