トップが語る、「いま、伝えたいこと」

　日本人は何よりも安定とか安全が好きなようです。
　明治以降の日本の科学者というか学者は、論語でいう「子、怪、力、乱、神を悟らず」を守っているようにみえます。怪というのはフシギなこと、力というのは精神力、乱は乱倫、神は神秘的なことです。したがっていまだに還元論と物質論から出ようとしない科学者がほとんどで、それから出ると異端視されて自己の安全や安定が保てなくなるからです。
　それはマスメディアや一般の常識人も同様で、びっくり現象や神秘的なことが好きな私などは、ひかえ気味に発表していたんですが、１０年前は「オカルト好き」とか「ええかげんなことをいう」と、よく批判され足を引っぱられました。
　ところが、いまでは私の近著の『マンガで読む船井幸雄のスピリチュアルな世界』(２００５年１月グラフ社刊、マンガは赤池キョウコさん)が話題を占める時代となり、人々の意識は日本人の中でも急速に変りつつあります。
　これは、世界の科学の世界でも同様です。
　いま第一線の科学者の中で注目されているのは、『インテリジェント・デザイン・セオリー』です。インターネットを見ている限りは、この理論は正当な科学として認められたといってもよいようです。これは、アメリカの科学者たちから提唱されたセオリーですが、日本の第一人者は京大名誉教授の渡辺久義さん(平成９年総合人間学部退官)です。渡辺さんは次ぎのように言っています。

　しかし今、明らかに唯物論は北朝鮮体制と同じく、時代遅れである。私が水面下での世界的な十大ニュースの筆頭に上げたいのは、アメリカを中心とする「インテリジェント・デザイン」と呼ばれる理論ないし運動の飛躍的な発展である。これは比較的最近、科学者の間から起こってきた科学的文化大革命とも言えるもので、二年前から私はある雑誌の連載記事として紹介し続けているものである。これは要するに、科学の唯物論的前提にはそろそろ見切りをつけよう、自然界は盲目的な機械的要因だけでは説明が不可能で、「デザイン」すなわち意志、目的、計画といった要因が働いていることを科学として認めようではないか、という運動である。
　宇宙のデザインの事実が、生命体の分子レベルの機械構造からも、天文学の増大するデータからも、宇宙的な物理法則や物理常数の、生命を可能にするための驚くべき「ファイン・チューニング」(微調整)という事実からも、いよいよ否定することができなくなってきたようである。自然選択と偶然の変異を組み合わせて生命や生命の歴史を説明しようとするダーウィニズムは、これによって全く否定されることになる（転載ここまで）。

　また、アメリカのアリゾナ州立大学で心理学と精神医学を教えているゲリー・シュワルツ教授の「動的システム記憶説」が「シュワルツセオリー」として大きな注目を浴びています。これは１９８０年代はじめ、イギリスのルパート・シェルドレイク博士が発表して大論議をよび、’９５年ごろようやく決着のついたシェルドレイクの「形成的因果作用説」とともに、世の中の進化を論理的に説明する説として、ほとんど無条件に認められつつあります。シュワルツ博士がこの説を発表したのは、１９９０年代後半だったからでもあるのですが、科学の世界が唯物思考や還元論から脱皮した証拠ともいえます。
　シェルドレイク博士の説とシュワルツ博士の説については１月２１日の『「先週のびっくり」より』に紹介しますが、日本人でこの二人の説にもっとも詳しいのは、サイエンスライターの喰代栄一さんです。彼の著書やホームページと、英語の読める人はゲリー・シュワルツ博士と彼の研究パートナーのリンダ・ルセック博士のホームページをぜひお読みください。
　ともかく、科学の世界も変ってきました。ぜひ、アタマを柔かくしてください。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＝以上＝


　シュワルツさん
　　ルセックさん