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2005年1月28日
戦後60年、日本人は自立心をとりもどそう

 私は週刊新潮の『変見自在』というページが大好きです。
 ところで先週、ふと今年1月13日号の同ページを読みました。帝京大教授の高山正之さんの記事です。そこにはNHKと朝日新聞がマッカーサーをいまでも日本の恩人だと説えつづけている・・と書いてあるので、びっくりしたのです。「たしかに、朝日はそうだな」とも思いました。それとともに、連合軍の日本占領時、最高司令官として日本に君臨し、多くの日本人から救世主のように思われていたダグラス・マッカーサーのことが以下のように取りあげられていました。
 終戦後、今年は60年目。ともかく日本人にとって、1945年の敗戦は大革命のはじまりでした。その後、多くの変革が行なわれました。その基礎をつくったのはマッカーサーであったことはまちがいありません。ともかくここ60年、日本人が自立のできない人間になって生きてきた理由も彼の占領政策にあるように思います。欧米の知識人たちと本音で話しますと、「マッカーサーは、日本を二度と立ち上がれないような劣等国にしようとあらゆる政策を行なったようだ」という人がほとんどです。「しかも成功した」と。

(1)財閥を解体し、教育制度を変え、エリートが出ないシステムをつくった。
(2)憲法を変え、戦争放棄を宣言させ、国としていつまでもアメリカに従属しなければならないようにした。
(3)大麻を禁止し、水道に塩素を投入することを義務づけ、パン食と肉食を奨め、日本人の体力をガタガタにしようとした。
(4)権利意識を高め、労働組合を強め、日本人の一体化、能率化を阻害しようとした。・・・これらは成功している
・・・などなどを、多くの人々から散々きかされました。とはいえ天皇制を残し、アメリカの力で他の連合国を抑え、ともかく一つの国としての日本を残してくれましたし、私個人の立場からいえば、「自由のよさ」や「平等のありがたさ」を与えてくれた恩人でもあります。ともかく、日本人の立場からすると、日本のエリートたちからみて、日本のためにはマッカーサーは「よくない政策を行なった」というのが常識だと思っていたのです。そこで、いまも彼を「日本の恩人だ」と高く評価しているのがNHKや朝日新聞だ・・という高山さんの文章にびっくりしたのです。

 ところで「変見自在」の一部を紹介します。

 朝日新聞が「日本の恩人」と感激して書くマッカーサーは実はとても小物だった。
 彼の任務はただ一つ。ルーズベルトの言う「好戦分子は伝染病患者のように隔離されねばならない」(隔離演説)を実施することだった。そのために彼はまず海外にいた日本人すべてを引き揚げさせた。
 六百万人にも上った引揚者の中には外国市民権を持つ者や国際法で居住権を保障されているアイルランドなど中立国在住者まで含まれていた。
 日本は収容所列島と化すが、マッカーサーはそこの看守長でしかなかった。
 彼はそこで日本衰退のために手を尽くす。ラティモアの「アジアの解放」を参考に財閥を解体し、非工業国家化を急ぎ、日本のいいところすべてを解体した。しかし官僚機構には手をつけなかった。官僚が蔓延れば国は滅ぶからだ。
 共産党員も解放した。
 ゴルジェ・スイス大使が日本の安い時計が再び世界を席幕しないかと問うたが、彼は「労組を強力にしたから日本はやがて競争力を失っていく」と答えている。
 彼が描いた日本滅亡のシナリオの仕上げがあの憲法だった。九条で自衛権を剥奪し、北朝鮮みたいな小悪党国家にも手出しができないようにし、さらに「政府の行為によって再び戦争の惨禍が起きないよう」に見張れと前文で書く。
 政府は悪者という刷り込みで国民に政府不信感を持たせ、国家としての団結を永遠に奪う目的だ。
 彼が厚木に降り立って今年で六十年。そろそろ彼の呪縛から目覚めてもいいころだろう(転載ここまで)。


 ともかく、いまだに知的と評されている日本のマスメディアの一部が一方的にマッカーサーをたたえているのはやはり問題でしょう。一日も早く日本人は、歴史の真実を知るとともに、その理由も知りマッカーサーが与えたよいところを活かし、悪いところは消し、勇気をもって自立に向けて進まねばならないでしょう。

                                  =以上=

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