
トップが語る、「いま、伝えたいこと」

去年11月ごろのことです。
私の親友の岩崎旭さんが見えました。
彼はいま李白社という出版社の社長をしていますが、昔は徳間書店の役員であり、徳間康快オーナーの片腕と言われたベストセラーを多く出した有名な出版人です。
ビジネス社の社長を経て、いま自らオーナーとして李白社を経営していますが、徳間時代から私は彼と一つの約束をしていました。
船井流経営法を「本にまとめる時は、岩崎さんに出してもらう」という約束です。
彼が見えた理由は「ぼちぼち、船井流経営法をまとめてくださいよ。そのポイントだけでも、教えてくれませんか?」ということでした。
私は経営者としては、よく失敗しました。それは多少の実験をしたかったからです。
しかし経営コンサルタントとしては過去40年、数万件の経営コンサルティングをしたと思いますが、一件も失敗していないと言えそうです。
客があり、仕事を引きうけ、お金をもらう以上は、失敗は許されないわけですから、失敗する可能性のあることを一切しなかったからです。
また、世のため人のためになり、なおかつクライアントのためになることしか、引きうけませんでした。
経験を多く積めば、これはそんなにむつかしいことではありません。そこでつぎのように岩崎社長に答えました。
「来年あたりからまとめましょうかね。約束どおり本は岩崎さんに頼みます。ただ考えてみれば、そんなに大したことないのです。
@自分が理解でき、納得でき、なおかつ成功するという確信が持てて、クライアントも理解し、納得し、成功の確信を持てることしか…コンサルティングを引きうけなかった。
A引きうけた以上、どんな小さなことにも生命をかけて全力投球してきた。全責任はとってきた。
B世のため、人のため、クライアントのためになることしか引きうけなかった。
岩崎さん、根本的なことはたったこの三つしかないですよ。これで本になりますかね」ということだったのです。
ところで、昨年末、大晦日の日に、彼から手紙がとびこんで来ました。
「いまコンサルタント流行(はやり)です。みそもくそもええかげんなコンサルタントをしています。船井先生のように、“生命がけで、責任をとる”なんてのは、いないようです。
ええかげんなアドバイスをしてクライアントに失敗させても平気です。
まず『くたばれ!!コンサルタント』という本を書いてくれませんか? それくらい出版人からみるとコンサルタント業界というかコンサルタントは、ええかげんですよ。
みんなで経営コンサルタントの草分けでもあるし、コンサルタント業を確立した船井先生の足を引っぱっているようなものです。
以下は企画書です。お正月に御検討いただければありがたいです」
というような文面と企画書が入っていました。
先週になって、岩崎さんの企画書を検討しました。たしかにいま繁盛しているのは「経済予測をする人」「易者、霊能者の類い」そして「コンサルタント」といっていいようですが、これらの人々はみんな無責任の代表みたいなものとも言えそうです。
しかし『くたばれ!!コンサルタント』には、びっくりしました。私としましては自分で業としてきた仕事に、こんな題での本は書けません。
『責任をとれ!!コンサルタント』か『がんばれ!!コンサルタント』か、それとも『船井流経営コンサルティングのコツ』か…いずれにしても、近いうちによい題名を考え、私のやってきたことを実例を出しながら論理的にもまとめていこうと思っています。
それにしても「くたばれ!!」には、びっくりしました。いまは、そんな人がコンサルタントを名のることで生きられるのだなと、あらためてびっくりしています。
昭和55年(1980年)ごろまで、経営コンサルタントというといかがわしい人間の代名詞だったのです。それを打開しようと私は船井総研を、昭和63年(1988年)に大阪証券取引所に株式上場したのですが、いままた、経営コンサルタントがいかがわしい代名詞になってきたとはなげかわしいことです。
経営は大事です。それにはコツがあります。いまの政治家や役人は経営も、そのコツも知らないようです。だから景気はよくならないでしょう。それだけに経営コンサルタントも必要で大事な仕事なのです。
=以上=

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ライフカラーカウンセラー認定協会 代表
1964年大阪府生まれ。関西学院大学法学部政治学科卒業後、英語教師として13年間、兵庫県の私立中高一貫校に奉職。2001年、(株)船井本社の前身である(株)船井事務所に入社し、(株)船井総合研究所に出向。舩井幸雄の直轄プロジェクトチームである会長特命室に配属。舩井幸雄がルール化した「人づくり法」の直伝を受け、人づくり研修「人財塾」として体系化し、その主幹を務め、各業界で活躍する人財を輩出した。 2003年4月、(株)本物研究所を設立、代表取締役社長に就任。商品、技術、生き方、人財育成における「本物」を研究開発し、広く啓蒙・普及活動を行う。また、2008年にはライフカラーカウンセラー認定協会を立ち上げ、2012年、(株)51 Dreams' Companyを設立し、学生向けに「人財塾」を再構成し、「幸学館カレッジ」を開校。館長をつとめる。2013年9月に(株)船井メディアの取締役社長CEOに就任した。 講演者としては、経営、人材育成、マーケティング、幸せ論、子育て、メンタルなど、多岐にわたる分野をカバーする。
著書に、『あなたにとって一番の幸せに気づく幸感力』

