トップが語る、「いま、伝えたいこと」
相変わらずアメリカの株価が絶好調です。日本をはじめとするアジア諸国は中国を除いて、コロナ対応を失敗しているので株価は上がらないが、ワクチン接種が進んだ欧米ではコロナを克服したので株価は上がる。金融緩和処置が終わっていく可能性が高いのはリスクだが、それを乗り越えるだけの力強さを秘めているので大丈夫だ。まあ、数字で確認すると少なくとも台湾をはじめとする東アジア諸国はアメリカよりもはるかにコロナの感染を防いでいるのですが、何でもいいから株価を上げる理由を考えているようにも聞こえます。でも、実際に指数によっては最高値を更新していっています。
日本はワクチン接種も進まないし、オリンピックへの対応もちぐはぐさが目立ち、政治に対する信頼感も醸成されていないので買えないということになっているようです。でも、要するに市場の主要プレーヤーであるアメリカのウォール街の人たちから見れば、わざわざ日本のマーケットに投資をする理由がないので見送っているというところかもしれません。国の税収が、法人税が伸びたことでコロナ禍にも関わらず過去最高になったということも報じられていますので、日本企業もかなり上手く対応しているのですが、それが投資家に伝わっていないということになると思います。
ただ、証券会社や証券市場の関係者にとっては由々しき問題かもしれませんが、まじめな投資家や企業関係者にしてみれば、実態を伴わない噂だけで理由が説明できない高値に株価が上がってしまって、それが後から分かって適正価格にまで急落するよりも、長い目で見れば適正価格で業績を伴いながら徐々に株価が上がっていく方が望ましいと言えるのだと思います。山が高ければ谷も深くなります。それよりも、堅実な相場の形成ができている日本株の方が、投機ではなくじっくりとした資産形成を目指す個人投資家には歓迎すべきことだと捉えてもいいと思います。
逆に外国人が買い上げていかない隙に、割安銘柄をしっかりと探して投資していくような、最近徐々に増えてきた心ある人たちが運用している国内の投資信託を買っていけばいいかもしれません。実は、個人金融資産を世界一持っているのは日本人です。別に外国人に買ってもらって乱高下させられるのを待っているよりも、じっくりと堅実に構えていればいいのだと思います。
懸念は原油などの商品価格が上がっている事です。景気が急回復する連想で買われているのだと思いますが、日本はこれらの大半を輸入に頼っているので商品価格が上がることは実体経済に悪影響をもたらします。ただ、これもまだ許容範囲だと言えるかもしれません。でも、中には原油価格が100ドルを超えると予想する向きもありますので、気をつけたいところではあります。
梅雨真っ盛り、もう少ししたらカラッとした夏がやってくることが頭でわかっていても、湿気が多く、バランスを取りにくい季節、みなさんどうお過ごしですか。マスクをしている時間が長く、公共の場でのおしゃべりを控えるとなると、生命活動のある部分が閉ざされたような、頭と心に鉛を詰め込まれたような気持ちになる方も多いのではないでしょうか。
毎年にんげんクラブで開催している kan.さんの講座。示唆に富んだ珠玉の言葉はついその場で手帳に書き留めてしまいます。その手帳を見返していて、心に清涼な風が吹いてくる箇所がいくつもあったので、このような季節だからこそみなさんにシェアしたいと思います。
ご紹介したい言葉は、「清風万里」です。いつでも人の世はああだこうだ混沌としているように見えるけれど、実はどの日も清涼で爽やかな風が吹いている、という意味だとkan.さんがどこかで解説してくださいました。Kan.さんは、にんげんクラブが主催したワークショップで受講者にこのように問いかけられました。
「みなさんは生きていて、日々、世の中のどこを見ていますか。殺伐した一喜一憂する世の中の動きやしんどい自分の感情を見つめ続けるか。ピュアな風が吹いているその空気を見るか。それは同時に起こっていることなのです」。
Kan.さんはしっかり寝ることほど、免疫をあげ、代謝をアップさせ、そして人生をよりよく生きるアクションはないと繰り返しお話しされていました。「人間は朝生まれて夜死ぬのです。やり残したことなく、夜、今日の自分は去るという心構えがあれば人生は変わります。1日生きるということは1日で完結するのです。なので、就寝は軽んじてはいけない重要な生の儀式なのです」。私の思いも少なからず入っているので、正確な一言一句ではないことはお許しいただきたいのですが、いまこうして書いていても胸が熱くなるシンプルで足元を照らしてくれる教えだと感じます。
Kan.さんは本当のことは自分で生きないとわからないということを繰り返しおっしゃいます。起きている時間は清涼な風を感じ、眠るときは真剣に寝る。これだけでも、この混沌としたいまを生き抜ける気がする私です。
=以上=
2021.07.19:【いま 一番知らせたいこと 、言いたいこと】勝手に良くなる (※舩井勝仁執筆)
2021.07.12:【いま 一番知らせたいこと 、言いたいこと】サスティナブルとエシカル消費 (※佐野浩一執筆)
2021.07.05:【いま 一番知らせたいこと 、言いたいこと】1日で完結する命 (※舩井勝仁執筆)
舩井 勝仁 (ふない かつひと)
株式会社船井本社 代表取締役社長 1964年大阪府生まれ。1988年(株)船井総合研究所入社。1998年同社常務取締役 同社の金融部門やIT部門の子会社である船井キャピタル(株)、(株)船井情報システムズの代表取締役に就任し、コンサルティングの周辺分野の開拓に努める。 2008年「競争や策略やだましあいのない新しい社会を築く」という父・舩井幸雄の思いに共鳴し、(株)船井本社の社長に就任。「有意の人」の集合意識で「ミロクの世」を創る勉強会「にんげんクラブ」を中心に活動を続けた。(※「にんげんクラブ」の活動は2024年3月末に終了) 著書に『生き方の原理を変えよう』(2010年 徳間書店)、『未来から考える新しい生き方』(2011年 海竜社)、『舩井幸雄が一番伝えたかった事』(2013年きれい・ねっと)、『チェンジ・マネー』(はせくらみゆき共著 2014年 きれい・ねっと)、『いのちの革命』(柴田久美子共著 2014年 きれい・ねっと)、『SAKIGAKE 新時代の扉を開く』(佐野浩一共著 2014年 きれい・ねっと)、『聖なる約束』(赤塚高仁共著 2014年 きれい・ねっと)、『失速する世界経済と日本を襲う円安インフレ』(朝倉慶共著 2014年11月 ビジネス社)、『智徳主義【まろUP!】で《日本経済の底上げ》は可能』(竹田和平、小川雅弘共著 2015年 ヒカルランド)、『日月神示的な生き方 大調和の「ミロクの世」を創る』(中矢伸一共著 2016年 きれい・ねっと)、『聖なる約束3 黙示を観る旅』(赤塚高仁共著 2016年 きれい・ねっと)、『お金は5次元の生き物です!』(はせくらみゆき共著 2016年 ヒカルランド)がある。 |
佐野 浩一(さの こういち) 株式会社本物研究所 代表取締役社長 株式会社51コラボレーションズ 代表取締役会長 公益財団法人舩井幸雄記念館 代表理事 ライフカラーカウンセラー認定協会 代表 1964年大阪府生まれ。関西学院大学法学部政治学科卒業後、英語教師として13年間、兵庫県の私立中高一貫校に奉職。2001年、(株)船井本社の前身である(株)船井事務所に入社し、(株)船井総合研究所に出向。舩井幸雄の直轄プロジェクトチームである会長特命室に配属。舩井幸雄がルール化した「人づくり法」の直伝を受け、人づくり研修「人財塾」として体系化し、その主幹を務め、各業界で活躍する人財を輩出した。 2003年4月、(株)本物研究所を設立、代表取締役社長に就任。商品、技術、生き方、人財育成における「本物」を研究開発し、広く啓蒙・普及活動を行う。また、2008年にはライフカラーカウンセラー認定協会を立ち上げ、2012年、(株)51 Dreams' Companyを設立し、学生向けに「人財塾」を再構成し、「幸学館カレッジ」を開校。館長をつとめる。2013年9月に(株)船井メディアの取締役社長CEOに就任した。 講演者としては、経営、人材育成、マーケティング、幸せ論、子育て、メンタルなど、多岐にわたる分野をカバーする。 著書に、『あなたにとって一番の幸せに気づく幸感力』(ごま書房新社)、『ズバリ船井流 人を育てる 自分を育てる』(ナナ・コーポレート・コミュニケーション)、『私だけに教えてくれた船井幸雄のすべて』(成甲書房)、船井幸雄との共著『本物の法則』(ビジネス社)、『あなたの悩みを解決する魔法の杖』(総合法令出版)、『幸感力で「スイッチオン!」』(新日本文芸協会)がある。 |