トップが語る、「いま、伝えたいこと」
先週の後半になってやっと少し戻しましたが、相場の世界では岸田新総理の評価はあまり高くないようで、株価と債券価格と為替の全てが下がってしまうトリプル安という状態が久しぶりに出現しました。通常であれば、リスクが少ないと思われている債券価格が下がるとリスクが高い株価が上がり、逆に債券価格が上がると株価が下がるのですが、日本の金融資産がすべて売られているという状態、つまり日本売りの状態になったときにトリプル安が起こります。
1990年代の終わりから2000年代の初頭まで、小泉政権がりそな銀行に公的資金を注入して、不良債権の処理に決着をつけたというコンセンサスができるまでは、よくトリプル安の状態で日本経済は終わりだと言われていた状態でした。海外の若い投資家から見ると岸田総理は変われない日本のリーダーを彷彿させてしまったのかもしれません。ただ、深く考えて売られているというよりは、菅総理の退任で自民党が総選挙で勝利するというニュースで買い、新総理誕生ということで材料が出尽くしたので売ったということなのだと思います。
ちょうど、菅総理退任で買われた分をすべて吐き出した水準まで日経平均は下がりましたので、この上げ下げで儲けた投資家の思惑通りだったということになります。外国人にまんまとやられたと考えると、ちょっと悔しい気もします。でも、岸田総理が思惑に反して強い総理になられて、できれば長期政権を続けていただければ、株価等の日本の金融資産にとってプラスになるなあと思っています。新型コロナウイルスの第6波がどうなるのかがポイントのような気がしますが、こればかりは人智を超えた面もありますが、私たちの集合無意識の影響も大きいと思いますので、できるだけポジティブに考えたいと思っています。
ポジティブというと、その考え方を世の中に広めた父がこの世を去ってから早や8年近くになります。先日、父の生前の愛読者の方が、「今も舩井先生の本を読み返しています。本屋さんに行くと日々、精神世界や自己啓発の本が新しく並んでいますが、先生の教え以上の本になかなか巡りあえません」などと嬉しいことをおっしゃってくださいました。「物事の本質は平易であればあるほどいい。目安は小学5年生が聞いて、読んで理解できるレベルにある」という言葉を聞いたことがありますが、確かに「素直、勉強好き、プラス思考」という父の考えは、とてもシンプルで5年生なりにでも受け取れるだろうなと思えます。
もしこの考えに若くして出合ったなら、年齢を重ねるたびに経験とともにその教えに自分なりの解釈を加味して、より深いものになっていく、という点でもとても素晴らしい要素を内包していると感じます。私は、「過去オール善」という父の考えを何十年も考え続けています。これまでやって来たことは、すべて肯定しよう、それは結局「全てはうまくいっている」とすることによって、未来も「うまくいくことになる」ということだと思うのですが、次元論を考えるきっかけにもなりました。実はこの考えをお腹に落とすことによって、過去にも未来にも自在に行って、自分の思う現実をその時々で自由に実現させることができるという確信を深めました。
優花著「NEW WORLD〜あたらしい世界」(VOICE社)(※最新刊は「あたらしい世界 2021 宇宙の源ゼウ氏が語る2030年までの宇宙計画」(VOICE社))を読みました。宇宙ソムリエ優花さんに宇宙の始まりのエネルギーである「ゼウ」がおりてくるという設定で、マンガやイラストも多用され、さらっと読み進められる構成になっています。私が印象的だったのは「人類が地球とどう関わるか改めてみつめなおす時期。これまでは便利を求めるあまり心や命の問題が浮上。時間ができたからこそ、自然とつながりを取り戻せる」という箇所でした。
「過去オール善」は、自分の人生だけではなく、視座を高めて大きく時代をマクロに見ることだなと、この一文が、私の中で思いがけずリンクしました。他にも「所有するほど衰退する」という章など、ものも概念もどんどん手放し、身軽になった上で、自分の核にあるものをギフトとして共有していこうという考え、今の私の足元を新しく照らしてくれる内容でした。父の考えと同じく、人生の傍らに置いておきたくなる1冊になりました。
私のような中高年がついて行くのは難しいかもしれませんが、若い人たちを中心に確実に世の中は進歩しているように感じます。昭和の時代の常識がずいぶんいい方向に否定されて変化してきており、新しい時代が出現しつつあるようにも思えます。金融資本主義的な揺り戻しもまだまだあると思いますが、昔と同じことをただ繰り返していくのではなく、なんとか進歩の方向性を加味していければいいなあと思います。
小泉政権の時は、ただ単に競争を善とする新自由主義的な考えが最良だと思われていた時代でした。保守本流派閥の出身である岸田総理がただ単に守旧派として先祖返りをするのではなく、保守的な中に新しい日本的な萌芽が隠されていることを期待して、NEW WORLDの出現を楽しみたいと思います。
=以上=
2021.10.18:【いま 一番知らせたいこと 、言いたいこと】まずは、自分を大切に! (※佐野浩一執筆)
2021.10.11:【いま 一番知らせたいこと 、言いたいこと】NEW WORLD (※舩井勝仁執筆)
2021.10.04:【いま 一番知らせたいこと 、言いたいこと】いま、サーキュラーエコノミーが面白い! (※佐野浩一執筆)
舩井 勝仁 (ふない かつひと)
株式会社船井本社 代表取締役社長 1964年大阪府生まれ。1988年(株)船井総合研究所入社。1998年同社常務取締役 同社の金融部門やIT部門の子会社である船井キャピタル(株)、(株)船井情報システムズの代表取締役に就任し、コンサルティングの周辺分野の開拓に努める。 2008年「競争や策略やだましあいのない新しい社会を築く」という父・舩井幸雄の思いに共鳴し、(株)船井本社の社長に就任。「有意の人」の集合意識で「ミロクの世」を創る勉強会「にんげんクラブ」を中心に活動を続けた。(※「にんげんクラブ」の活動は2024年3月末に終了) 著書に『生き方の原理を変えよう』(2010年 徳間書店)、『未来から考える新しい生き方』(2011年 海竜社)、『舩井幸雄が一番伝えたかった事』(2013年きれい・ねっと)、『チェンジ・マネー』(はせくらみゆき共著 2014年 きれい・ねっと)、『いのちの革命』(柴田久美子共著 2014年 きれい・ねっと)、『SAKIGAKE 新時代の扉を開く』(佐野浩一共著 2014年 きれい・ねっと)、『聖なる約束』(赤塚高仁共著 2014年 きれい・ねっと)、『失速する世界経済と日本を襲う円安インフレ』(朝倉慶共著 2014年11月 ビジネス社)、『智徳主義【まろUP!】で《日本経済の底上げ》は可能』(竹田和平、小川雅弘共著 2015年 ヒカルランド)、『日月神示的な生き方 大調和の「ミロクの世」を創る』(中矢伸一共著 2016年 きれい・ねっと)、『聖なる約束3 黙示を観る旅』(赤塚高仁共著 2016年 きれい・ねっと)、『お金は5次元の生き物です!』(はせくらみゆき共著 2016年 ヒカルランド)がある。 |
佐野 浩一(さの こういち) 株式会社本物研究所 代表取締役社長 株式会社51コラボレーションズ 代表取締役会長 公益財団法人舩井幸雄記念館 代表理事 ライフカラーカウンセラー認定協会 代表 1964年大阪府生まれ。関西学院大学法学部政治学科卒業後、英語教師として13年間、兵庫県の私立中高一貫校に奉職。2001年、(株)船井本社の前身である(株)船井事務所に入社し、(株)船井総合研究所に出向。舩井幸雄の直轄プロジェクトチームである会長特命室に配属。舩井幸雄がルール化した「人づくり法」の直伝を受け、人づくり研修「人財塾」として体系化し、その主幹を務め、各業界で活躍する人財を輩出した。 2003年4月、(株)本物研究所を設立、代表取締役社長に就任。商品、技術、生き方、人財育成における「本物」を研究開発し、広く啓蒙・普及活動を行う。また、2008年にはライフカラーカウンセラー認定協会を立ち上げ、2012年、(株)51 Dreams' Companyを設立し、学生向けに「人財塾」を再構成し、「幸学館カレッジ」を開校。館長をつとめる。2013年9月に(株)船井メディアの取締役社長CEOに就任した。 講演者としては、経営、人材育成、マーケティング、幸せ論、子育て、メンタルなど、多岐にわたる分野をカバーする。 著書に、『あなたにとって一番の幸せに気づく幸感力』(ごま書房新社)、『ズバリ船井流 人を育てる 自分を育てる』(ナナ・コーポレート・コミュニケーション)、『私だけに教えてくれた船井幸雄のすべて』(成甲書房)、船井幸雄との共著『本物の法則』(ビジネス社)、『あなたの悩みを解決する魔法の杖』(総合法令出版)、『幸感力で「スイッチオン!」』(新日本文芸協会)がある。 |