トップが語る、「いま、伝えたいこと」
人気コミック『PEANUTS(ピーナッツ)』に登場する犬のキャラクター、「スヌーピー」。ご存じない方は、おそらくいらっしゃらないのではと思います。
スヌーピーの生みの親は、チャールズ・M・シュルツさん。ミネソタ州の床屋に生まれ、小さい頃から漫画家になるのが夢でした。学校ではお世辞にも優秀とは言い難い人物だったそうですが、絵の才能はピカイチで、15歳のとき、スヌーピーの原型とも言える犬のキャラクターを作り出しています。しかしその後は出版社に漫画を送っても突き返される苦難の日々が続きます。
いまでこそ誰もが知る『PEANUTS』ですが、連載開始当初はたった7つの新聞紙で連載されていたのみでした。さらに、最初の1年間は大した評価が得られなかったそうです。
しかし本が増版されることで徐々にファンを増やし、シュルツさんが2000年2月12日にこの世を去ってからも世界中で愛される存在であり続けています。現在では75の国と地域の2400もの新聞紙で連載されているそうです。
さて、現代においては、人間関係に悩む人が後を絶ちません。人間関係にストレスを抱え、いつも身体に疲れを感じている方も少なくありません。そこで、今回は、おなじみの『PEANUTS』から、スヌーピーたちの名言をご紹介したいと思います。ただかわいいキャラクターたちが愉快なストーリーを展開するだけでなく、時折立ち止まって「うーん」と考えさせられる名言の宝庫でもあるのです。
そもそも、どうして人間関係に悩んだり、疲れたりするのかというと、「相手はどう思っているのだろうか?」「相手は喜んでいるだろうか?」「相手に嫌われていないだろうか?」と、自分よりも相手のことを意識しすぎることが原因であることが多いようです。
ですから、心理学的には、相手と自分を区別するための明確な境界線を持つことが大事だとされています。つまり、しっかりとした「自分軸」を持つことです。
ついつい、自分と合わない人と仲良しくしたり、気に入られようと思ったり、相手の意見に流されてしまったり、自分を繕ってしまったり……。もちろん、こういうことが必要な場面や機会があることは否定しませんが、それも度が過ぎると、人間関係をツライ、しんどい、疲れると感じてしまうことにつながります。
では、スヌーピーやチャーリー・ブラウンの言葉から、人間関係をよくするためのヒントを探ってみましょう。人生を前向きに歩むためのヒントが詰まっています。まずは、自分軸で生きられるようになるための、ひとつめのセリフ。こちらはいかがでしょうか?
I don’t have time to worry about who doesn’t like me.
ぼくのことを好きじゃない誰かのことでくよくよする時間はないんだ。
I’m too busy loving the people who love me.
ぼくは、ぼくを大好きでいてくれる人を大好きでいるのに忙しすぎるから。
*引用:完全版ピーナッツ全集(河出書房新社)
「誰かに嫌われたって大丈夫。それよりもあなたを大事にしてくれる人たちに目を向けて!」というスヌーピーからのメッセージ。たしかに、すべての人に好かれる人なんて、そもそも存在しません。「人の話を聴く」ことがお得意の岸田文雄首相だって、発足直後の内閣支持率は史上最低の45%。国民的英雄であるあの長嶋茂雄さんですら、アンチジャイアンツの方にとっては……。ましてや、個人の人間関係だと、直接触れ合うわけですから、いろいろあって当然です。無理して相手に合わせたり、自分を取り繕ったりせずに、自分を好きでいてくれる人、ありのままの自分を受け入れてくれる人との時間を、まず大事にすることが、自分を楽にする一番のポイントです。スヌーピーの言うように、よく思ってくれない人に大切な時間を割くのはもったいない……。たしかにそうです!
では、つぎのメッセージはこちらです。
A friend who understands your tears is much more valuable than a lot of friends who only know your smile.
君の笑顔しか知らない多くの友だちよりも、君の涙を理解する1人の友だちのほうがはるかに価値があるよ。
*引用:完全版ピーナッツ全集(河出書房新社)
仕事をしていると、どうしても浅く広い人付き合いも多くなります。また、SNS全盛時代のいま、まだ会ったこともない方とやりとりをし、こじれてしまって、心ないメッセージと向き合う機会も増えているようです。でも、狭くても深いお付き合いをすることのほうが、本来は自然であり、大事なのではないかと思うのです。自分を取り繕ってたくさんの人に愛されなくても、たったひとりでも本当の自分を理解してくれる人がいてくれると幸せですよね。
ちなみに、NPO法人・ネットワーク地球村の高木善之先生はつぎのようにおっしゃいます。「人にわかってもらえないのは当たり前。そう思うと、わかってもらえたとき幸せですよね!」たしかに、このほうが肩の力も抜けて、自然体でいられます。
一方、スヌーピーは、つぎのように伝えています。
I also love me!
ぼくもぼくを愛してる!
これは、最近流行りの「自己肯定感」につながる名言です。舩井幸雄も、著書「すべての答えは自分にあった」(徳間書店)に記していますが、「人はみな自分が大事です。人のことには、実はあまり興味がないというのが本質です」と。そもそもそうなんですね。もちろん、だから、相手も自分のことを大事に思っているのだから、大事にしないといけないという結論になります。
Be yourself. No one can say you’re doing it wrong.
自分らしくいて。誰も君が間違っているなんて言えないんだから。
*引用:完全版ピーナッツ全集(河出書房新社)
自分らしくいることは、時にとてもむずかしく思えたりしますが、どうやらこちらがもっとも自然なようです。他人軸を捨てて、「自分はこう思う」「自分はこうしたいからこうする」と自分軸で生きる……。それは、自分を大切にするだけではなく、結局は他人をも大切にする生き方につながっていきます。
人は人、自分は自分と明確に境界線を引くことは、とても大事なことでもあります。そうすると、自分と人を比べたり、競ったり、争ったりすることも少なくなっていくようです。また、自分の価値観を押し付けて、受け入れられないと疲れてしまう……という場面も避けられると思います。
最後にもう一つ、作者であるシュルツさんの人間関係の捉え方がとてもよくわかるメッセージを記しておきます。
Friendship isn’t about who you’ve known the longest. It’s about who came, stayed by your side, and never left you when you needed someone the most.
友情は年月の長さじゃない。友情とは君が本当に誰かを必要としたときに、来てくれて、側にいてくれて、そして君の元を去らなかった人のことなんだ。
*引用:完全版ピーナッツ全集(河出書房新社)
舩井幸雄は、先ほど紹介した著書「すべての答えは自分にあった」のなかで、「人は本来他人のことは気にならないようだ」と記しています。もっというと、「自分自身のこと以外は興味がない」ことに触れています。にもかかわらず、必要以上に人とのかかわりが求められる、あるいは強いられるように変わってきたため、「本質」から離れてしまっているのが現代の人間関係であるのかもしれません。いま一度、人の本質に立ち返り、まずは自分をもっと大事に思い、大事にできたらと思います。
この2年で、女性と若者の自殺者数が激増しました。全体としても、リーマンショック以来、微減を続けていましたが、昨年また増加に転じています。
どうか、「まずは、自分を大切に!」。「自分らしく……を大事に!」
「未来はきっとよくなる」
こちらは、舩井幸雄の名言であり、遺言です。
感謝
2021.10.18:【いま 一番知らせたいこと 、言いたいこと】まずは、自分を大切に! (※佐野浩一執筆)
2021.10.11:【いま 一番知らせたいこと 、言いたいこと】NEW WORLD (※舩井勝仁執筆)
2021.10.04:【いま 一番知らせたいこと 、言いたいこと】いま、サーキュラーエコノミーが面白い! (※佐野浩一執筆)
舩井 勝仁 (ふない かつひと)
株式会社船井本社 代表取締役社長 1964年大阪府生まれ。1988年(株)船井総合研究所入社。1998年同社常務取締役 同社の金融部門やIT部門の子会社である船井キャピタル(株)、(株)船井情報システムズの代表取締役に就任し、コンサルティングの周辺分野の開拓に努める。 2008年「競争や策略やだましあいのない新しい社会を築く」という父・舩井幸雄の思いに共鳴し、(株)船井本社の社長に就任。「有意の人」の集合意識で「ミロクの世」を創る勉強会「にんげんクラブ」を中心に活動を続けた。(※「にんげんクラブ」の活動は2024年3月末に終了) 著書に『生き方の原理を変えよう』(2010年 徳間書店)、『未来から考える新しい生き方』(2011年 海竜社)、『舩井幸雄が一番伝えたかった事』(2013年きれい・ねっと)、『チェンジ・マネー』(はせくらみゆき共著 2014年 きれい・ねっと)、『いのちの革命』(柴田久美子共著 2014年 きれい・ねっと)、『SAKIGAKE 新時代の扉を開く』(佐野浩一共著 2014年 きれい・ねっと)、『聖なる約束』(赤塚高仁共著 2014年 きれい・ねっと)、『失速する世界経済と日本を襲う円安インフレ』(朝倉慶共著 2014年11月 ビジネス社)、『智徳主義【まろUP!】で《日本経済の底上げ》は可能』(竹田和平、小川雅弘共著 2015年 ヒカルランド)、『日月神示的な生き方 大調和の「ミロクの世」を創る』(中矢伸一共著 2016年 きれい・ねっと)、『聖なる約束3 黙示を観る旅』(赤塚高仁共著 2016年 きれい・ねっと)、『お金は5次元の生き物です!』(はせくらみゆき共著 2016年 ヒカルランド)がある。 |
佐野 浩一(さの こういち) 株式会社本物研究所 代表取締役社長 株式会社51コラボレーションズ 代表取締役会長 公益財団法人舩井幸雄記念館 代表理事 ライフカラーカウンセラー認定協会 代表 1964年大阪府生まれ。関西学院大学法学部政治学科卒業後、英語教師として13年間、兵庫県の私立中高一貫校に奉職。2001年、(株)船井本社の前身である(株)船井事務所に入社し、(株)船井総合研究所に出向。舩井幸雄の直轄プロジェクトチームである会長特命室に配属。舩井幸雄がルール化した「人づくり法」の直伝を受け、人づくり研修「人財塾」として体系化し、その主幹を務め、各業界で活躍する人財を輩出した。 2003年4月、(株)本物研究所を設立、代表取締役社長に就任。商品、技術、生き方、人財育成における「本物」を研究開発し、広く啓蒙・普及活動を行う。また、2008年にはライフカラーカウンセラー認定協会を立ち上げ、2012年、(株)51 Dreams' Companyを設立し、学生向けに「人財塾」を再構成し、「幸学館カレッジ」を開校。館長をつとめる。2013年9月に(株)船井メディアの取締役社長CEOに就任した。 講演者としては、経営、人材育成、マーケティング、幸せ論、子育て、メンタルなど、多岐にわたる分野をカバーする。 著書に、『あなたにとって一番の幸せに気づく幸感力』(ごま書房新社)、『ズバリ船井流 人を育てる 自分を育てる』(ナナ・コーポレート・コミュニケーション)、『私だけに教えてくれた船井幸雄のすべて』(成甲書房)、船井幸雄との共著『本物の法則』(ビジネス社)、『あなたの悩みを解決する魔法の杖』(総合法令出版)、『幸感力で「スイッチオン!」』(新日本文芸協会)がある。 |