トップが語る、「いま、伝えたいこと」

　先日、声優で占い師の富士川碧砂先生と対談をさせていただきました。めちゃくちゃマルチな方で、真言宗阿闍梨、香司、和柄研究家として、和の開運法も伝えていらっしゃいます。富士川先生といえば、もともとフジテレビ「とくダネ！」のレギュラー占いコーナーで大人気の占い師でいらっしゃいましたが、あの「突然ですが占ってもいいですか？」に出演されて、話題沸騰。現在、占い師としては、予約は２年待ちとも伺っています。
　その富士川先生が強調されていたのは、「オキシトシン」が来年のキーポイントになるということでした。日常生活においても、仕事や経営においても……。
　そこでピンときたのが、佐賀の矢山クリニックの矢山利彦先生。先生は、もう長年、オキシトシンの有用性を説き、患者さんの治療やメンタルケアに活かしていらっしゃいます。私自身は、矢山先生のお顔を拝見するだけで、元気になれる気がします。なぜなら、先生は、「師匠の舩井幸雄先生の生き方に学ばせてもらったんだ…」と、ニコニコ、大きな声で、前向き、プラス発想でいらっしゃるからです。きっと、矢山先生はいつもオキシトシンをたくさん分泌される習慣をお持ちなのでしょうね。
　また、本物研究所の商品勉強会で、「コパイバマリマリ」などの商品メーカー、株式会社サポートジャングルクラブの吉野朝社長も、「『合谷（ごうこく）』（親指と人差し指の骨が交わった所から、やや人差し指よりのへこんだところ）を押しているとオキシトシンが分泌される」とお話されたのです。ちなみに、 「合谷」ははあらゆる不調に効く最強のツボだとも言われています。
　こんなシンクロニシティを感じつつ、今回はその「オキシトシン」の効用についてお伝えしたくなったのです。結論から言うと、「オキシトシンは幸せ感の特効薬」ということです。
　オキシトシンは、脳の下垂体から分泌されるホルモンです。女性が妊娠・出産・授乳する時に多く分泌されます。心を癒やし、幸せな気分にする効果があるため「愛情ホルモン」として有名です。
　実は、オキシトシンは、哺乳類の雌のみでなく、雄も持っており、そのホモログ（進化系統上で同一の祖先から派生した、類縁性の高い器官や組織、遺伝子などの一群。塩基配列が非常に類似し、共通の遺伝子から由来している可能性が高いことをホモロジー＝類縁度が高いという）を含めれば、昆虫、魚類、爬虫類、鳥類まで持っているペプチド（タンパク質とアミノ酸の仲間）なんだそうです。
　つまり、オキシトシンは哺乳類に至るまでの進化の過程で保存され、進化に合わせてその作用も進化してきたと考えられ、生物が生きる上で、また「種の保存」ということからも非常に重要なホルモンなのだと考えられます。
　２０００年以降、２０年のオキシトシン関連論文数は、なんとそれ以前の２０年の約２倍に上るそうです。このことからも、近年、研究者の間でも関心が高まっていることがわかります。
　オキシトシンは「抗ストレスホルモン」として、ストレス反応の軽減や、痛みを緩和する効果もあるようです。マッサージが「気持ちいい」と感じるのは、体へのコンタクトでオキシトシンの分泌が増加する一方、ストレス関連ホルモン（ACTH）の分泌が低下するためだとされています。
　ちなみに、その「オキシトシン」の効果をまとめると、以下のようになります。

・幸せな気分になる
・学習意欲と記憶力向上
・脳や心が癒され、ストレスが緩和する
・心臓の機能を上げる
・不安や恐怖が減少する
・感染症予防につながる
・他者への信頼の気持ちが増す
・睡眠を促し、質の良い眠りをもたらす
・社交的となり、人と関わりたいという好奇心が強まる
・美肌効果
・親密な人間関係を結ぼうという気持ちになる
・記憶力アップ

・・・・・・と、その効果の幅広さに驚いてしまいます。
　オキシトシンは、主に人と人との肉体的な接触や簡単なボディタッチによって分泌されます。家族や友だち、恋人、ペットとのハグ、手をつないだり、赤ちゃんや子どもを抱っこするなど。あるいは、マッサージをするのもされるのもいいそうです。
　一方、こうしたスキンシップがなくてもまわりの人のために何か行動を起こしたり、やさしく接したりすることで、「ヘルパーズ・ハイ」（親切にしたことで脳内ドーパミンが分泌され、幸福感をもたらすこと）が作用し、オキシトシンが分泌されるという研究結果もあります。
　ちなみに、オキシトシンを分泌するほかの方法をいくつかご紹介しますね。

・猫や犬の動画を見る
・やわらかいものに触れる（クッションやぬいぐるみなどを抱きしめたり、やわらかい部屋着や下着を身につける。やわらかい毛布などもいいですね）
・食事や会話を楽しむ
・人に親切にする
・食べ物から栄養素を摂取する（ビタミンC・ビタミンD・マグネシウム・タウリン・カフェインなど）
・アロマの香りをかぐ
・音楽や映画で感動する
・瞑想をする
・新しいことにチャレンジする。
・腹式呼吸
・いっしょにスポーツをする
・気の合う仲間と楽しい時間を共有する。（いっしょに食事やショッピングなどに出かけるのもOK）
・積極的に人を褒めたり、感謝の気持ちを伝える（これは、どちらも幸せな気分になれますよね！）
　そして、そして……。言葉も大事です。「すてきだ」「可愛い」「感動した！」など、感情を抑えることなく解放することも大切だと言われています。
　たとえ何か特別な出来事がなくても、日常生活におけるちょっとした行動でもオキシトシンは分泌されるので、この点もおさえておきたいと思います。
　たとえば「ありがとう」という言葉を他者に対して素直に伝えたり、電車で席を譲ったり……そんなとき、心がちょっとくすぐったいような、ふわっと弾むような感覚を覚える……。はい！ これ、オキシトシンが分泌された可能性大です。オキシトシンは、私たちの心身の健康に必要不可欠であることは間違いありません。自分の大切な人はもちろん、今日出会った人にやさしくしようと心がけるだけでも変わっていくかもしれません。

　コロナ禍が始まってから約２年が過ぎ、オフラインの触れ合いが減少して、人と人が直接触れる機会が少なくなったため、オキシトシン不足に陥っている人も少なくありません。
　極めて残念なのは、児童相談所で増加する虐待相談対応件数が、コロナ禍でさらに加速していることです。まさにストレス社会の反映ですね。被虐待児は、他者の表情を読み取ることや、自分の感情を制御、調整することが苦手です。共感性の発達にも困難が生じます。こうした状況に、オキシトシンが大きく関与していると考えられています。
　『最強の医師団が教える長生きできる方法』（アスコム刊）では、福島県立医科大学の前島裕子特任教授ら１０人の名医が執筆に関わっていらっしゃいます。その中で、お子さんがいらっしゃるご家庭では、「子どもの脳の健康な発達には愛、つまりオキシトシンが必要です。イライラした時こそ深呼吸して、子どもを抱きしめてほしい。親子でオキシトシン分泌を増やし、この困難を乗り越えましょう」と呼びかけられています。

　いろいろと落ち着かない世の中だからこそ、オキシトシンを分泌させて心豊かな毎日を送りたいものです。大人はもちろん子どもたちも守ってあげたいですね。オキシトシンは、まさに幸せ感の特効薬です。
　今日も、オキシトシンいっぱいの一日をお過ごしください！
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　感謝