トップが語る、「いま、伝えたいこと」
相場は相変わらず落ち着きのない動きをしています。アメリカの1月の消費者物価指数(CPI)が7.5%の上昇になるなど、インフレ傾向が加速しています。前回書いたように、2月10日のCPIの発表までは、さすがにインフレ傾向にも頭打ちの兆しが見えてきたので、予定通りの0.25%刻みの利上げで済むのではないかという見方も出てきたのですが、止まらない原油高などが原因で少なくとも3月の利上げは0.5%が必要なのではないかという見方が強まってきました。市場は、まだそこまで折り込んではいないと見られるため、目先は一段と下落する可能性がでてきたと言えます。
日本も円安原油高の影響でガソリン価格の高騰が続いています。1リットル当たり170円を超えた分を政府が補てんする政策が発動されていますが、勢いが収まる気配が見えないので4月以降もこれを延長しようという動きも出てきています。日本も実は1月の企業物価指数は8.6%上昇しています。これは12月の8.7%からは下落傾向にありますが、かなりのインフレ傾向が出ているのは明らかです。これを企業努力であまり消費者物価に反映されていない状態ですが、企業経営を考えていくと、如何にうまく値上げができるかがポイントになってくる気がします。
父がいつも言っていたのは、企業にとって価格決定権を握るのが最も大切なチャネル政策になるということです。船井総研時代の大先輩のコンサルタントも、社長の仕事は値付けをすることであるというお話をいつもしてくれました。特に、サービス業に従事している方は、独自固有の長所を磨いて自分しか提供できないものをニッチでもいいから確立しないと値上げができずにじり貧になってしまうことは明らかです。唯一無二の商品やサービスをどう確立するかが企業経営のポイントです。それができて、はじめて何十年かぶりのインフレ傾向を乗り切ることができるのかもしれません。
原油高や円安傾向は構造的なものになってきました。ウクライナ情勢が緊迫してきていることや、日本よりもインフレ傾向が顕著な欧米や後進国がいち早く利上げ政策に舵を切り始めていることを考えると金利差から円安になっていくのは仕方がないことだと思います。ただ、日本経済を考えると、円安も決して悪いことではありません。例えばトヨタ自動車が発表した第3四半期の決算によると純利益が4年ぶりに最高益を更新しています。グローバル展開をしている超大企業にとって円安傾向は利益水準を押し上げる効果があります。企業の利益水準が高くなってくると株価も上がることになり、投資家の中には今年は日本株を買うという動きを見せているところもあるようです。
「三ぜん世界一度に開く梅の花、艮の金神の世になりたぞよ。梅で開いて松で治める。神国の世になりたぞよ」
1982(明治25)年の旧正月に大本の出口なお開祖に降ろされ始めたという大本神諭の「初発の神勅」の冒頭部分です。中矢伸一先生の「【復刻版】出口王仁三郎 三千世界大改造の真相」(ヒカルランド)で紹介されていました。元々の本は1993年8月に書かれたもので、中矢先生が復刻版のあとがきに書かれているのを読むと、当時の世紀末を望む世相とマッチして数万部のベストセラーになったということです。その当時に父が読んだかどうかはよくわかりませんが、1973年に刊行された五島勉先生の「ノストラダムスの大予言」(祥伝社)等に大変興味を持っていたことを考えると、知っていた可能性が高いと思います。
本書は、いまの中矢先生の冷静なタッチから想像できないような厳しいというか激しい内容が書かれているように私には感じられました。まだ中矢先生が30代前半の頃に書かれたものなので当然かもしれません。晩年になって中矢先生の紹介される「日月神示」に出会ったのは、父にとっては若い頃から興味があった予言の本格版を遂に見つけることができた。それを中矢先生という超一流の解説者が、古神道の知識などを応用しながらわかりやすく論理的に説明しているのを知って、狂喜したのではないかと想像します。
大本という宗教には不思議な点がいっぱいあります。父は現代の大本の幹部の方と親しくお付き合いさせていただいていましたし、私もそんなご縁がきっかけでメキキの会を主宰されている王仁三郎聖師から見ると玄孫に当たられる出口光先生とは10年ぐらい前にはとても親しくお付き合いさせていただいていました。そんな関係で他の出口家のご親族の方や、王仁三郎聖師の研究者等から聖師のことをいろいろ教えていただいたことがあります。もちろん、中矢先生の足下にも及ばない知識に過ぎませんが、本書で紹介されているように大本が日本や世界の雛形であるというお話はよく聞かせていただきました。
中矢先生の本は正直にいうと、トーンはかなり抑えておられますが、かなり厳しい内容になっています。正面から見据えるとかなりしんどい内容になっているのですが、わかり安く抑制が効いていない頃の本書の復刻版を読めることはとても有り難いことだと思います。まさに、いま読む必要がある予言書だと感じますので、姉妹本の「[復刻版]出口王仁三郎 大本裏神業の真相」(ヒカルランド)と合わせてお読みいただけばと存じます。
=以上=
2022.02.21:【いま 一番知らせたいこと 、言いたいこと】舩井流帝王学 (※佐野浩一執筆)
2022.02.14:【いま 一番知らせたいこと 、言いたいこと】三千世界大改造 (※舩井勝仁執筆)
2022.02.07:【いま 一番知らせたいこと 、言いたいこと】あらためて教育を問う (※佐野浩一執筆)
舩井 勝仁 (ふない かつひと)
株式会社船井本社 代表取締役社長 1964年大阪府生まれ。1988年(株)船井総合研究所入社。1998年同社常務取締役 同社の金融部門やIT部門の子会社である船井キャピタル(株)、(株)船井情報システムズの代表取締役に就任し、コンサルティングの周辺分野の開拓に努める。 2008年「競争や策略やだましあいのない新しい社会を築く」という父・舩井幸雄の思いに共鳴し、(株)船井本社の社長に就任。「有意の人」の集合意識で「ミロクの世」を創る勉強会「にんげんクラブ」を中心に活動を続けた。(※「にんげんクラブ」の活動は2024年3月末に終了) 著書に『生き方の原理を変えよう』(2010年 徳間書店)、『未来から考える新しい生き方』(2011年 海竜社)、『舩井幸雄が一番伝えたかった事』(2013年きれい・ねっと)、『チェンジ・マネー』(はせくらみゆき共著 2014年 きれい・ねっと)、『いのちの革命』(柴田久美子共著 2014年 きれい・ねっと)、『SAKIGAKE 新時代の扉を開く』(佐野浩一共著 2014年 きれい・ねっと)、『聖なる約束』(赤塚高仁共著 2014年 きれい・ねっと)、『失速する世界経済と日本を襲う円安インフレ』(朝倉慶共著 2014年11月 ビジネス社)、『智徳主義【まろUP!】で《日本経済の底上げ》は可能』(竹田和平、小川雅弘共著 2015年 ヒカルランド)、『日月神示的な生き方 大調和の「ミロクの世」を創る』(中矢伸一共著 2016年 きれい・ねっと)、『聖なる約束3 黙示を観る旅』(赤塚高仁共著 2016年 きれい・ねっと)、『お金は5次元の生き物です!』(はせくらみゆき共著 2016年 ヒカルランド)がある。 |
佐野 浩一(さの こういち) 株式会社本物研究所 代表取締役社長 株式会社51コラボレーションズ 代表取締役会長 公益財団法人舩井幸雄記念館 代表理事 ライフカラーカウンセラー認定協会 代表 1964年大阪府生まれ。関西学院大学法学部政治学科卒業後、英語教師として13年間、兵庫県の私立中高一貫校に奉職。2001年、(株)船井本社の前身である(株)船井事務所に入社し、(株)船井総合研究所に出向。舩井幸雄の直轄プロジェクトチームである会長特命室に配属。舩井幸雄がルール化した「人づくり法」の直伝を受け、人づくり研修「人財塾」として体系化し、その主幹を務め、各業界で活躍する人財を輩出した。 2003年4月、(株)本物研究所を設立、代表取締役社長に就任。商品、技術、生き方、人財育成における「本物」を研究開発し、広く啓蒙・普及活動を行う。また、2008年にはライフカラーカウンセラー認定協会を立ち上げ、2012年、(株)51 Dreams' Companyを設立し、学生向けに「人財塾」を再構成し、「幸学館カレッジ」を開校。館長をつとめる。2013年9月に(株)船井メディアの取締役社長CEOに就任した。 講演者としては、経営、人材育成、マーケティング、幸せ論、子育て、メンタルなど、多岐にわたる分野をカバーする。 著書に、『あなたにとって一番の幸せに気づく幸感力』(ごま書房新社)、『ズバリ船井流 人を育てる 自分を育てる』(ナナ・コーポレート・コミュニケーション)、『私だけに教えてくれた船井幸雄のすべて』(成甲書房)、船井幸雄との共著『本物の法則』(ビジネス社)、『あなたの悩みを解決する魔法の杖』(総合法令出版)、『幸感力で「スイッチオン!」』(新日本文芸協会)がある。 |