トップが語る、「いま、伝えたいこと」

このページでは、舩井幸雄の遺志を引き継ぐ舩井勝仁と佐野浩一が、“新舩井流”をめざし、皆様に「いま、伝えたいこと」を毎週交互に語っていきます。
毎週月曜日定期更新
2022年4月25日
国士 (※舩井勝仁執筆)

 株価が一旦は上昇基調になったのですが、4月22日(金)午前9時42分現在でまた日経平均が27,000円を切ってしまいました。基本的にはアメリカの長期金利が上がってきていて、それに対して日本は金融緩和を止められないでいることから金利差を意識した円安が止まらないことが大きな原因だと思います。日本の株式は円安になると上がるのがいままでの相場でしたが、いまは悪い円安で世界のマーケットが日本の将来を悲観していることが大きな原因です。
 タブーなのかもしれませんが、豊富な外貨準備を使って政府がドル売りに動くことで当面の円安を阻止するのは簡単なのかもしれないという単純な発想を思いついてしまいました。もちろん、それによってアメリカの長期債の金利はますます上がることになるので状況を悪化させるだけという見方もありますが、非常事態だと考えるといい案なのかなと思ってしまいます。もちろん、私が思いつくぐらいですから金融当局の頭にもよぎっているのでしょう。

 いまの日本売りは、大国の利害に翻弄されているウクライナと日本の立場が似ていると思われることからの連想だと思います。アメリカ国債を売ってドルというかアメリカの国債を暴落させると喜ぶのは中国とロシアになるので、責任ある人はこんな暴論を言ってはいけないのだと思います。ただ、国債自体は値下がりしていますが、為替でずいぶん買っていると思うので日本の利益だけを考えるとありだと思います。少なくとも、一部の投資家の間では何でもありになってきて1ドルが150円まで行くのではないかと言われている事態を、手をこまねいて見ているだけだというのはまずいと思います。
 ヘッジファンドの中には、一時的に暴落したロシアのルーブルを安値で買って大儲けしたところもあるという話しを耳に挟みました。これも、アメリカの国益には大きく反することですが、投資家という立場では許容されるのが世界の金融市場です。日本も政府ができないのなら、そんなことをする和製ヘッジファンドがあったらいいのになあと思ってしまいます。1997年に、当時の橋本龍太郎首相が米国債を売りたくなる衝動に駆られることがあるという発言をニューヨークの講演後の質疑でして大騒ぎになったことがあります。
 閣僚の立場を離れた麻生副総裁辺りがこれぐらいのことを言ってみるとおもしろいのかなと連想しています。

 外交評論家の加瀬英明先生の「自發自奮 私の半成記」(高木書房)を読ませていただきました。私はクラウドファンディングではないですが先行販売に応募させていただいて入手できたもので、一般に販売になるのは5月10日ということなので、読者の皆さまが入手できるのは先になりますが、アマゾンでは予約注文ができるみたいです。半成記は間違いではないのかという指摘が、平成7(1995)年に新聞・出版会の代表的な業界紙である「文化通信」に連載されたときにあったそうです。
 自宅に帰られて書庫を探したところ、出典が森鴎外の短編作品「花子」だそうで間違っていないそうです。いまは便利な時代で著作権が切れた名作が青空文庫として無料で読めるので確認してみましたが、確かに「半成」で完成していない作品という意味で使われていました。加瀬先生も昭和11(1936)年のお生まれなので、オリジナルを書かれたときはまだ60歳になられていません。ご自分の人生はまだまだ完成していなくこれからもますます日本のために奮闘していかれるという気概をこの言葉に込められたのかもしれません。
 いまは当時よりはずいぶん改善しましたが、加瀬先生からみると日本の知識人の国際認識がとても甘いことを憂えていらっしゃいます。昭和52(1977)年に当時の福田赳夫首相の首相特別顧問になられてカーター米大統領と福田首相との首脳会談において、「アメリカが、日本が国連の常任理事国になる資格があり、アメリカがそれを支持する」ということを共同宣言に盛り込むことに成功しました。それは四半世紀が過ぎたいまでも実現していない事ではありますが、アメリカの大統領にそれを言わせたという事実はとても重要なことだと思います。
 いま発売されている月刊「文芸春秋」5月号にフランスの歴史人口学者エマニュエル・トッド先生が「日本核武装のすすめ」という記事を書かれています。核武装の是非はともかくとして、一流誌に外国人とはいえこのようなタイトルの記事が書けるようになったことは、日本もようやく世界の安全保障の常識をきちんとテーブルに載せて議論ができるようになったということだと思いました。これも、まだまだ気概を失われていない国士加瀬先生の功績のおかげではないかと思います。

 舩井幸雄が大好きだった国士である中矢伸一先生の「五六七(ミロク)の仕組」(徳間書店)と合わせて読んでいただいて、まだまだエゴがぶつかりあう世界情勢の中にあって日本が生き残っていく道を考えていただければと思います。日月神示の預言が外れるような世の中を作りたいという思いは私にも強烈にあります。バランスを欠くことがないように気をつけながらまだまだ勉強を続けていきたいと思っています。
                           =以上=

バックナンバー
2022.04.25:【いま 一番知らせたいこと 、言いたいこと】国士 (※舩井勝仁執筆)
2022.04.18:【いま 一番知らせたいこと 、言いたいこと】哲学と経営 (※佐野浩一執筆)
2022.04.11:【いま 一番知らせたいこと 、言いたいこと】北海道の重要性 (※舩井勝仁執筆)
2022.04.04:【いま 一番知らせたいこと 、言いたいこと】学び直しの時代、仕事を趣味にできるか? (※佐野浩一執筆)
舩井 勝仁 (ふない かつひと)
株式会社船井本社 代表取締役社長
1964年大阪府生まれ。1988年(株)船井総合研究所入社。1998年同社常務取締役 同社の金融部門やIT部門の子会社である船井キャピタル(株)、(株)船井情報システムズの代表取締役に就任し、コンサルティングの周辺分野の開拓に努める。
2008年「競争や策略やだましあいのない新しい社会を築く」という父・舩井幸雄の思いに共鳴し、(株)船井本社の社長に就任。「有意の人」の集合意識で「ミロクの世」を創る勉強会「にんげんクラブ」を中心に活動を続けた。(※「にんげんクラブ」の活動は2024年3月末に終了)
著書に『生き方の原理を変えよう』(2010年 徳間書店)、『未来から考える新しい生き方』(2011年 海竜社)、『舩井幸雄が一番伝えたかった事』(2013年きれい・ねっと)、『チェンジ・マネー』(はせくらみゆき共著 2014年 きれい・ねっと)、『いのちの革命』(柴田久美子共著 2014年 きれい・ねっと)、『SAKIGAKE 新時代の扉を開く』(佐野浩一共著 2014年 きれい・ねっと)、『聖なる約束』(赤塚高仁共著 2014年 きれい・ねっと)、『失速する世界経済と日本を襲う円安インフレ』(朝倉慶共著 2014年11月 ビジネス社)、『智徳主義【まろUP!】で《日本経済の底上げ》は可能』(竹田和平、小川雅弘共著 2015年 ヒカルランド)、『日月神示的な生き方 大調和の「ミロクの世」を創る』(中矢伸一共著 2016年 きれい・ねっと)、『聖なる約束3 黙示を観る旅』(赤塚高仁共著 2016年 きれい・ねっと)、『お金は5次元の生き物です!』(はせくらみゆき共著 2016年 ヒカルランド)がある。
佐野 浩一(さの こういち)
株式会社本物研究所 代表取締役社長
株式会社51コラボレーションズ 代表取締役会長
公益財団法人舩井幸雄記念館 代表理事
ライフカラーカウンセラー認定協会 代表
1964年大阪府生まれ。関西学院大学法学部政治学科卒業後、英語教師として13年間、兵庫県の私立中高一貫校に奉職。2001年、(株)船井本社の前身である(株)船井事務所に入社し、(株)船井総合研究所に出向。舩井幸雄の直轄プロジェクトチームである会長特命室に配属。舩井幸雄がルール化した「人づくり法」の直伝を受け、人づくり研修「人財塾」として体系化し、その主幹を務め、各業界で活躍する人財を輩出した。 2003年4月、(株)本物研究所を設立、代表取締役社長に就任。商品、技術、生き方、人財育成における「本物」を研究開発し、広く啓蒙・普及活動を行う。また、2008年にはライフカラーカウンセラー認定協会を立ち上げ、2012年、(株)51 Dreams' Companyを設立し、学生向けに「人財塾」を再構成し、「幸学館カレッジ」を開校。館長をつとめる。2013年9月に(株)船井メディアの取締役社長CEOに就任した。 講演者としては、経営、人材育成、マーケティング、幸せ論、子育て、メンタルなど、多岐にわたる分野をカバーする。
著書に、『あなたにとって一番の幸せに気づく幸感力』(ごま書房新社)、『ズバリ船井流 人を育てる 自分を育てる』(ナナ・コーポレート・コミュニケーション)、『私だけに教えてくれた船井幸雄のすべて』(成甲書房)、船井幸雄との共著『本物の法則』(ビジネス社)、『あなたの悩みを解決する魔法の杖』(総合法令出版)、『幸感力で「スイッチオン!」』(新日本文芸協会)がある。
数霊REIWA公式サイト 佐野浩一 本物研究所 本物研究所Next C nano(ネクストシーナノ) 成功塾説法 舩井幸雄動画プレゼント 高島康司先生の「日本と世界の経済、金融を大予測」 メールマガジン登録 舩井メールクラブ 佐野浩一note