トップが語る、「いま、伝えたいこと」
12月のFOMC(連邦公開市場委員会)では予想通り0.5%の利上げを決定しました。市場はすでに織り込み済みだったので材料出尽くしという感覚なのか、翌日になって株式相場は日米ともに急落しています。直接の大きな原因としてはアメリカの商務省が発表した11月の小売売上高が前月比マイナス0.6%になり、市場の予想値であるマイナス0.3%を大幅に下回ったことがあげられています。市場予想値はそこまでマーケットが織り込み済みの数字だという意味になりますので、それより悪かったことで金利引き上げによる景気への本格的な影響が目に見える形で指標として表れたことに対する反応だと考えればいいことになります。
いままでは、景気が悪くなる指標が出ると、利上げの幅や最終到達目標が低くなるので株式指標はポジティブに反応していたのですが、いよいよ利上げに伴う景気悪化を心配する素直な相場の局面に少し入りかけたのかなというところだと思います。ただ、これで本格的な調整相場が訪れるのかどうかはまだわからないと思います。
父はバブルの崩壊を経験して、リーマンショックのような大規模な相場の調整が来ることを予想していた専門家の先生のご意見を積極的に紹介していました。そして、保有している株式などの金融商品はなるべく早く売却することを奨励していました。
いまの状況はリーマンショック前に似ているというよりも、予想外のインフレがやってきたことで新たな局面を迎えつつあるということになると思います。リーマンショックの原因になったサブプライムローンなどを組み合わせた、明らかに問題がある商品が市場に出回っている状態ではありませんが、コロナ禍とそれによって労働者が労働市場にかえってこない供給不足が原因のインフレという事態に何とか対処しようとしているのがFRBがやっていることなので、景気後退のサインは彼らの思い通りだということになるからです。
FRB等の金融当局は、株式相場の下落はある程度仕方がないと思っているのだと思います。それよりも目標である2%程度のマイルドなインフレに戻すことの方が重要であり、それを怠ると日本のバブル崩壊のように30年間の経済の低迷を招いてしまうことを危惧しているのです。7,8年前までは長期停滞説が議論されていて、二度とインフレにならないかもしれないという議論だったのですが、その仮説は少なくとも当面は間違っていたことになります。
日本はともかく世界の金融市場は、過去の経験に学んで対応する力をまだ持っているようです。予想以上の景気後退に素直に反応しただけで、基本的な金余りの状態は続いていますので、リーマンショックの時のような現象は、その経験を市場は織り込んでいることを考えると、大暴落はまだ起きないと思っているのです。少なくともインフレの時代は貯蓄しておくよりも投資を増やすべき局面だと思いますので、しっかりとリスクを取れる方は、まだ金融市場に留まるべきだと考えています。
現在、ペットと暮らしている方は多いと思います。アニマルセラピーなどが注目を浴びる中、犬や猫、小鳥など、世の中には多種多様なペットがおり、家族として私たちの生活を支えてくれているものです。しかし、ペットを飼うということは同時に、必ず別れがやってくるということでもあります。それは避けようのない、生き物を飼う上で必ず考えなければならないことです。ただ、理解していてもそれを受け入れるのは容易ではなく、いざ別れが来たときに受け入れるのは難しいというのは、最近ペットを亡くした私もよく理解しています。
今回取り上げる、杉真理子先生の『大切なペットが最期に望むこと・望んていたこと 家族にしかできないことがある』(大和出版)は、そんな別れについての心構えと、幸せな終わりについて考えさせてくれる本です。
まず、本書の中には様々な別れが出てきます。ペットと飼い主にはそれぞれ家族としての物語があり、『ああ、そうだよね』と共感できる部分や、『そういう見方もあるのか』と考えさせられる部分もあります。その中で出てくる、杉先生の提唱する【光の国】という世界観、自然治癒、寿命についての考え方は、強く人を惹きつけるものでもあります。また、興味深かったのはペットが亡くなった際、飼い主は『もっとできることがあったのではないか』と自分の事を責めてしまいがちという点です。そうではなく、それは寿命だったと受け入れる、そうすることで、ペットを送ってあげることが可能になるといいます。
それ以外にも、共依存にならない等、日ごろからペットロスに陥らない姿勢の必要性、心配するよりも、その子に対して信頼をしてあげる。仲良く、コミュニケーションをしっかり取りながら過ごすことで快適に過ごさせてあげる。ペットに対する医学的な知識をある程度持っておくなど、当たり前のようで、意外と難しいこれらをキチンとすることの重要性。飼い主に対して、新たな視点をもたらしつつ、寄り添ってくれる本書は、現在ペットを飼っている方や、これから飼う予定の方におすすめできるものだと感じました。
我が家にも猫がいて、昨年光の国へ旅立っていきました。後悔することはたくさんありますが、本書を読んで癒してもらえました。ペットの方が人間よりもきちんと看取られているのではないかというお話を聞かせてもらったこともあります。これを機に、生と死にきちんと向き合うことの大切さを改めて考えていきたいと思います。
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2022.12.19:【いま 一番知らせたいこと 、言いたいこと】ペットとの向き合い方 (※舩井勝仁執筆)
2022.12.12:【いま 一番知らせたいこと 、言いたいこと】現代人の時間感覚 (※佐野浩一執筆)
2022.12.05:【いま 一番知らせたいこと 、言いたいこと】アップデートされた神示 (※舩井勝仁執筆)
舩井 勝仁 (ふない かつひと)
株式会社船井本社 代表取締役社長 1964年大阪府生まれ。1988年(株)船井総合研究所入社。1998年同社常務取締役 同社の金融部門やIT部門の子会社である船井キャピタル(株)、(株)船井情報システムズの代表取締役に就任し、コンサルティングの周辺分野の開拓に努める。 2008年「競争や策略やだましあいのない新しい社会を築く」という父・舩井幸雄の思いに共鳴し、(株)船井本社の社長に就任。「有意の人」の集合意識で「ミロクの世」を創る勉強会「にんげんクラブ」を中心に活動を続けた。(※「にんげんクラブ」の活動は2024年3月末に終了) 著書に『生き方の原理を変えよう』(2010年 徳間書店)、『未来から考える新しい生き方』(2011年 海竜社)、『舩井幸雄が一番伝えたかった事』(2013年きれい・ねっと)、『チェンジ・マネー』(はせくらみゆき共著 2014年 きれい・ねっと)、『いのちの革命』(柴田久美子共著 2014年 きれい・ねっと)、『SAKIGAKE 新時代の扉を開く』(佐野浩一共著 2014年 きれい・ねっと)、『聖なる約束』(赤塚高仁共著 2014年 きれい・ねっと)、『失速する世界経済と日本を襲う円安インフレ』(朝倉慶共著 2014年11月 ビジネス社)、『智徳主義【まろUP!】で《日本経済の底上げ》は可能』(竹田和平、小川雅弘共著 2015年 ヒカルランド)、『日月神示的な生き方 大調和の「ミロクの世」を創る』(中矢伸一共著 2016年 きれい・ねっと)、『聖なる約束3 黙示を観る旅』(赤塚高仁共著 2016年 きれい・ねっと)、『お金は5次元の生き物です!』(はせくらみゆき共著 2016年 ヒカルランド)がある。 |
佐野 浩一(さの こういち) 株式会社本物研究所 代表取締役社長 株式会社51コラボレーションズ 代表取締役会長 公益財団法人舩井幸雄記念館 代表理事 ライフカラーカウンセラー認定協会 代表 1964年大阪府生まれ。関西学院大学法学部政治学科卒業後、英語教師として13年間、兵庫県の私立中高一貫校に奉職。2001年、(株)船井本社の前身である(株)船井事務所に入社し、(株)船井総合研究所に出向。舩井幸雄の直轄プロジェクトチームである会長特命室に配属。舩井幸雄がルール化した「人づくり法」の直伝を受け、人づくり研修「人財塾」として体系化し、その主幹を務め、各業界で活躍する人財を輩出した。 2003年4月、(株)本物研究所を設立、代表取締役社長に就任。商品、技術、生き方、人財育成における「本物」を研究開発し、広く啓蒙・普及活動を行う。また、2008年にはライフカラーカウンセラー認定協会を立ち上げ、2012年、(株)51 Dreams' Companyを設立し、学生向けに「人財塾」を再構成し、「幸学館カレッジ」を開校。館長をつとめる。2013年9月に(株)船井メディアの取締役社長CEOに就任した。 講演者としては、経営、人材育成、マーケティング、幸せ論、子育て、メンタルなど、多岐にわたる分野をカバーする。 著書に、『あなたにとって一番の幸せに気づく幸感力』(ごま書房新社)、『ズバリ船井流 人を育てる 自分を育てる』(ナナ・コーポレート・コミュニケーション)、『私だけに教えてくれた船井幸雄のすべて』(成甲書房)、船井幸雄との共著『本物の法則』(ビジネス社)、『あなたの悩みを解決する魔法の杖』(総合法令出版)、『幸感力で「スイッチオン!」』(新日本文芸協会)がある。 |