トップが語る、「いま、伝えたいこと」
舩井幸雄が「最高顧問」として創業し、私が社長を拝命した株式会社本物研究所は、おかげさまで創業20周年を迎えています。
これも一重に関わっていただいたすべての皆さまのおかげであり、そして教師上がりの新米経営者を支えてくれたキャストたちのおかげであります。
ただただ、感謝の思いしかありません。
ありがとうございます!
創業時から、「まずは10年」続けようと……。
そして迎えた「10周年」。
「つぎの10年」を目指しました。
そして、このたび2度目の「10周年」を迎えることができました。
さらに、「次の10年」へ向けて、いま新たな一歩を踏み出しています。
一つの企業には、驚くほどにたくさんの人が関わっています。もちろん、それは企業だけでなく、すべての団体、チーム、人……も、おおよそ人が実践するものである以上、あるいは人である以上、同じなんだと思います。
そう考えると、私たちのような小さな企業であったとしても、どれだけの人に関わっていただき、どれだけの人に影響を及ぼしてきたかを考えると、足がすくむ思いがします。でも……、だからこそ、「継続する」ことに大いなる意味と意義があると確信しています。
7月29日、弊社とお取引きのある販売店、メーカーが集う年次総会である「創業20周年記念・感謝総会2023」を開催いたしました。
その最後に、私から「感謝のおはなし」としてお伝えしたことは、これまでの道のりに対する溢れんばかりの感謝の思いとやはり「次の10年」=30周年へ向けての思いでした。
「Sustainable(サステナブル)な企業」「幸せな企業」を目指していく……。
そのためには、企業自体もここで働くキャストたちも、そして関わってくださるお取引先はもちろん、“ほんもの”商品のユーザーの皆さまも、みんな「幸せ」であったらと……。
あるとき、そんなイメージが一つの確信とともに、ふと降りてきたのです。
私たちが企業として存在することが、だれかの幸せにつながり、そして、その「だれか」はできる限り多い方がいい……。できることなら、世界や地球のため、世界や地球に起こっていることに対して、継続的に貢献していけたら……との願い。
これこそが、本物研究所が現時点の延長線上にある目標、夢であると考えたのです。
こうした話を、過日お会いした、認定NPO法人テラ・ルネッサンス・創業者の鬼丸昌也さんにしてみたところ、「佐野さんが考えているのと同じような思いと実践をされている企業がありますよ!」とのこと。
食い入るように、彼の話を聴かせてもらいました。
その答えは、「未来費」の設定でした。
「未来費」ってなんだ……?
ワクワクしました。
その企業のお名前は、株式会社ゲットイットさま。昨年度、弊社と同じく創業20周年を迎えられました。そして、2021年4月から始まる新会計年度より、その「未来費」を新設されています。予算を設定し、IT機器に使用されるレアメタルの「紛争鉱物問題」について、紛争被害が特に深刻であるコンゴ民主共和国でのNPOの活動に対する支援を強化する他、「E-waste問題」についても、新たに提携するNPO・企業などを募集されるとのこと。
紛争被害者の救済や元子ども兵の社会復帰支援など、従来より行ってこられた認定NPO法人テラ・ルネッサンスのコンゴ民主共和国における活動に対する支援を強化されました。これまで、経常利益の多寡によって変動していた寄付金額を、「未来費」より昨対比120%の予算を確保し、今後も業績によらず安定的な支援を続けていかれることを宣言されたのです。
私が、20周年に際して、皆さまにお伝えしたテーマは、「幸せな企業づくりを目指す」ことでした。
幸せのための「商品採用」
幸せのための「商品普及」
幸せのための「商品づくり」
幸せのための「商品発掘」
幸せのための「学び・成長」
幸せのための「生き方」
幸せのための「企業経営」
幸せのための「仕事」
幸せのための「支え合い」
幸せのための「冒険・挑戦」
幸せのための「進化・発展」
幸せのための「協力体制」
幸せのための「目標・夢」
幸せのための「売上と利益」
幸せのための「意思決定」
幸せのための「イベント」
幸せな「教育・共育」
幸せな「価値観」
幸せな「キャスト」
幸せな「働き方」……
これらをすべて包み込む指針が鬼丸さんのお話のなかに見つかったのです。
後日、ふと一冊の書物が想起され、本棚から探し、手に取りました。
その書物は、『[新版]社員をサーフィンに行かせよう パタゴニア経営のすべて』(イヴォン・シュイナード著、ダイヤモンド社刊)。日本では2007年に刊行され、「世の中にこんな会社があったのか」「こんなことを考えている会社があるのか」とパタゴニアという会社のユニークさを日本に知らしめたのがこの一冊。世界で10カ国以上に翻訳され、高校や大学、有名企業でも注目され、ハーバード大学でもケーススタディとして取り上げられることにもなりました。それから10年。パタゴニアの取り組みや新たな考え方を加えて生まれたのが、この新版です。
パタゴニア社のミッションは、「ビジネスを手段として環境危機に警鐘を鳴らし、解決に向けて実行する」ことです。後に同社は「理念(フィロソフィー)」を制定することになりますが、いくつかの項目のうち、真っ先にイヴォン・シュイナード氏が記した一文が以下のとおりです。
「当社における意思決定は、すべて、環境危機という文脈で行う。害悪をもたらさぬよう、できるかぎりの努力をすること。可能な場合には必ず、問題を減じる行動を選ぶ。改善は果てしなく続けるものであり、みずからの活動について評価や再評価をくり返さなければならない。」
こうして「オーガニックコットン」の使用から「修理」「手入れの簡単さ」「シンプルなデザイン」、さらにはビジネスパートナー選び、環境活動への大規模な寄付まで、徹底した取り組みが行われていくのです。
そして、1986年には、毎年利益の10%を寄付すると宣言します。のちには支援額を増やし、売り上げの1%か税引前利益の10%のいずれか多いほうとしたのです。以来、利益が上がっていようがいまいが、この誓いを守っているのです。
1988年には全国規模の環境キャンペーンに乗りだし、ヨセミテ渓谷の都会化を避ける基本計画を支援。その後は、サケや川の再生支援、遺伝子組み換え作物への反対、ワイルドランドプロジェクトへの支持、アルプスに汚染物質をまき散らすトラック通行に反対するなど、さまざまなキャンペーンを展開されてきました。あまりに凄すぎて、規模感も大きすぎて、参考にもならない……と、ひれ伏してしまうような「実践」です。
あらためて同書を読み返し、そして鬼丸さんから紹介していただいた株式会社ゲットイットさまの実践も知り、まずは「できること」「できそうなこと」からやってみようと思ったのです。
私たちは、私たちなりの、Sustainable(持続可能)な「幸せな企業」を目指していこうと思います。
いまから10年前にキャスト全員で創った、“ほんもの”クレドに、つぎのようにあります。
【企業理念】:「“ほんもの”で笑顔をつなぐ」
【ドメイン】:「私たちが世の中に提供できるすべての“ほんもの”は、時代を越え、親から子へと語り継がれるものであることを目指します。“ほんもの”の研究、発掘、開発、普及を通じて、人々の心と身体の健康とより幸せな生活を実現するための商品、サービス、情報、人財、場、そして夢を提供します。私たちは、次の十年へ向けて、笑顔と感謝にあふれる永続可能な社会の実現に寄与する、「なくてはならない会社」となることを宣言します。」
“ほんもの”クレドの実践のために、あれから10年を経て、あらためてやるべきことが見つかりました。
さらに、次の10年、30周年へ向けて。
感謝
2023.08.21:【いま 一番知らせたいこと 、言いたいこと】30周年に思いを馳せる! (※佐野浩一執筆)
2023.08.14:【いま 一番知らせたいこと 、言いたいこと】死の捉え方を変える (※舩井勝仁執筆)
2023.08.07:【いま 一番知らせたいこと 、言いたいこと】『人間は考える葦である』 (※佐野浩一執筆)
舩井 勝仁 (ふない かつひと)
株式会社船井本社 代表取締役社長 1964年大阪府生まれ。1988年(株)船井総合研究所入社。1998年同社常務取締役 同社の金融部門やIT部門の子会社である船井キャピタル(株)、(株)船井情報システムズの代表取締役に就任し、コンサルティングの周辺分野の開拓に努める。 2008年「競争や策略やだましあいのない新しい社会を築く」という父・舩井幸雄の思いに共鳴し、(株)船井本社の社長に就任。「有意の人」の集合意識で「ミロクの世」を創る勉強会「にんげんクラブ」を中心に活動を続けた。(※「にんげんクラブ」の活動は2024年3月末に終了) 著書に『生き方の原理を変えよう』(2010年 徳間書店)、『未来から考える新しい生き方』(2011年 海竜社)、『舩井幸雄が一番伝えたかった事』(2013年きれい・ねっと)、『チェンジ・マネー』(はせくらみゆき共著 2014年 きれい・ねっと)、『いのちの革命』(柴田久美子共著 2014年 きれい・ねっと)、『SAKIGAKE 新時代の扉を開く』(佐野浩一共著 2014年 きれい・ねっと)、『聖なる約束』(赤塚高仁共著 2014年 きれい・ねっと)、『失速する世界経済と日本を襲う円安インフレ』(朝倉慶共著 2014年11月 ビジネス社)、『智徳主義【まろUP!】で《日本経済の底上げ》は可能』(竹田和平、小川雅弘共著 2015年 ヒカルランド)、『日月神示的な生き方 大調和の「ミロクの世」を創る』(中矢伸一共著 2016年 きれい・ねっと)、『聖なる約束3 黙示を観る旅』(赤塚高仁共著 2016年 きれい・ねっと)、『お金は5次元の生き物です!』(はせくらみゆき共著 2016年 ヒカルランド)がある。 |
佐野 浩一(さの こういち) 株式会社本物研究所 代表取締役社長 株式会社51コラボレーションズ 代表取締役会長 公益財団法人舩井幸雄記念館 代表理事 ライフカラーカウンセラー認定協会 代表 1964年大阪府生まれ。関西学院大学法学部政治学科卒業後、英語教師として13年間、兵庫県の私立中高一貫校に奉職。2001年、(株)船井本社の前身である(株)船井事務所に入社し、(株)船井総合研究所に出向。舩井幸雄の直轄プロジェクトチームである会長特命室に配属。舩井幸雄がルール化した「人づくり法」の直伝を受け、人づくり研修「人財塾」として体系化し、その主幹を務め、各業界で活躍する人財を輩出した。 2003年4月、(株)本物研究所を設立、代表取締役社長に就任。商品、技術、生き方、人財育成における「本物」を研究開発し、広く啓蒙・普及活動を行う。また、2008年にはライフカラーカウンセラー認定協会を立ち上げ、2012年、(株)51 Dreams' Companyを設立し、学生向けに「人財塾」を再構成し、「幸学館カレッジ」を開校。館長をつとめる。2013年9月に(株)船井メディアの取締役社長CEOに就任した。 講演者としては、経営、人材育成、マーケティング、幸せ論、子育て、メンタルなど、多岐にわたる分野をカバーする。 著書に、『あなたにとって一番の幸せに気づく幸感力』(ごま書房新社)、『ズバリ船井流 人を育てる 自分を育てる』(ナナ・コーポレート・コミュニケーション)、『私だけに教えてくれた船井幸雄のすべて』(成甲書房)、船井幸雄との共著『本物の法則』(ビジネス社)、『あなたの悩みを解決する魔法の杖』(総合法令出版)、『幸感力で「スイッチオン!」』(新日本文芸協会)がある。 |