トップが語る、「いま、伝えたいこと」

このページでは、舩井幸雄の遺志を引き継ぐ舩井勝仁と佐野浩一が、“新舩井流”をめざし、皆様に「いま、伝えたいこと」を毎週交互に語っていきます。
毎週月曜日定期更新
2024年5月27日
生きる意味 (※佐野浩一執筆)

 「なんで生きるかというと、死ねねえからだよ。」―立川談志(落語家)
 ある意味、名言だなって思います。

 もうずいぶん前のことです。
 10代の若者の討論番組で、落語家の立川談志さんが出演していました。そのなかで、ある若者から、「人は何を求めて生きるんだろう?」と、生きる意味を問われ、談志さんは、「なんで生きるかというと、死ねねえからだよ。死なないから生きているとしか言いようがないだろ」と言い放ったのだそうです。
 哲学的に解釈をすると、人間は、「生きる意味」を持って生まれてくるわけではなく、自分の意識が目覚めた状態で「生きている」と実感するだけ……。つまり、「生きる意味」というものは存在しない……ということになります。
 「生きている」とは、単に「死んでいない」という状態のこと。自分が「生きている」という現実が先にあり、「生きる意味」「生きる理由」「生きる目的」は後から考えるものであって、すべて後づけです。
 だから、いろいろ悩み、試行錯誤し、あるいは熟考した結果、「生きる意味が見つからない」というのは、実に正しい結論であるとも言えます。要するに、もともと存在しないものなので、見つかるはずがない……という1つの結論が導き出されるということです。 
ちなみに、ドイツの哲学者・カントは、「人間は自分の存在意義(世界そのもの)を知ることはできない」と言い切りました、近代哲学の祖と言われるカントですよ!そのカントが、「人間とは何か?」について長年考え続けた結論が、この言葉なんです。
自分の生きる本当の意味を自分で理解することはできない……。つまり、生きる意味が見つからないのは、哲学的にも正解だということです。

 でも、やっぱり、「ちょっと待てよ……」と問う自分もいます。
 「人間の真の存在意義」を人間は知ることはできない……。反芻してはみても、「これが自分の生きる意味だ」「生きる目的だ」と感じる瞬間って、実際にはあります。いや……、あったように思うのです。
 仮に若いころに、こうした何かを感じたとしても、それをそのまま現在も持ち続けていて、一生変わらない……なんていう人っているのでしょうか? 自分が感じる「生きる意味」や「生きる目的」は、絶対的で固定的なものではなく、変化したり、揺れ動くものです。言い換えるなら、「生きる」ということは、「生きる意味を考える長い旅」なのでしょうね。
 一生をかけて「生きる意味」「人生の意味」を考え、死ぬ間際に「意味がある人生だったな……」って思えたとしたら、それはとても幸せなことなんだと想像します。
 ある瞬間、「人生の意味がわかった」と思っても、それは移ろいやすく、いつか変化していきます。だからこそ、「生きる意味」を求めて、思索を深め、行動し、苦悶することには非常に意味があります。そこには、必ず自己成長が起きるからです。その成長の積み重ねこそが人生と言えるのでしょうね。

 ちなみに、そのものズバリ!「生きる意味」(2006年、PHP研究所刊)という書物があります。あの、ネットワーク地球村代表の高木善之先生のご著書です。
そこには、つぎのように書かれていました。
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(引用開始)
「世界は愛によって創られている」と思ってみるとどうでしょう
他の人に迷惑でない限り、どう考えてもいいのです。
「自分が生まれてきたのは失敗だった」と考えたら、すべてが失敗になりますね。
「自分が生まれてきたのは必然であった」と考えてみれば、自分はなくてはならない存在になりますね。すると、自分を取り巻く人すべて……、お父さんもお母さんも、おじいさんもおばあさんも、その人を育んだふるさとも、なくてはならない存在になります。
だから、自分を愛するということは、この世界そのものを愛するということなのです。
自分が忌まわしい存在だったら、お父さん、お母さんも、おじいさん、おばあさんも、この日本も、この世界も忌まわしい存在となります。
だから、大切なのは、自分を好きになることです。自分を好きになることで、すべてが好きになり、すべてに関心を持つことができます。
それを忘れると、多くのことに無関心・無責任になってしまいます。
いまの世の中がおかしいのは、多くの人が、無知、無関心、無責任だからです。
ということは、いまの世の中、自分を大切に思っていない人が多いのです。
自分を愛すること、自分を大切に思うことがいかに大切なことか。
そのことで、すべてのことに関心を持ち、みんなの幸せを実現したくなるのです。
それは素晴らしい生き方、素晴らしい意識、価値観なのです。
私は、そんな生き方を見つけたから、そういう生き方をしてみないかと、世界の中心で(心の中から)叫び続けているのです。
みんなが自分を大切に思うようになれば、みんなを大切に思い、すべてのことに関心を持ち、馬鹿なことはできなくなります。決して戦争などしない、決して不公正なことはしない、未来を破壊することなど、絶対にできないのです。
そういう生き方を、私は、見つけてしまったのです!
(引用完了)
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 まず、大前提は、自分が生まれてきたのは必然だったと考える……。
 そうすると、自分を愛することできる。
 自分を愛することができれば、すべてが大好きになり、すべてに関心を持つことができる。その結果、無知、無関心、無責任でなくなる。さらには、みんなの幸せを実現したくなる……。
 高木善之先生は、実は、この文章のなかでも、「生きる意味」について明言されているわけではありません。やっぱり、「正解」はないのかもしれない……と思いつつ、でも、少しわかる気もしてきました。

 きっと、時間をかけて、一生をかけて、「生きる意味」を考えて、歩んでいくのが、1つの正解なんだと……。
 「生きる意味」「生きる目的」を考え、多くの人は悩みます。
 私もその1人です。
 ただ、正解を求めて「結論」を出すことではなく、考え続けて自分なりに意味を見出していく「過程」が大事なんだと思います。
 結局のところ、自分と丁寧に向き合っていかないと、「自分がしたいこと」や「自分の方向性」がわからず、他人に流された生き方をせざるを得ません。
 だから、とくに若い人たちに言いたいことは、「生きる意味」についてじっくりと時間をかけて考えてほしいと思うのです。私たちだって、わかっているようで、わかっていないことが多いのですから、焦る必要はないですよね……。
 時間をかけること。
 きっと、そのことに意味があるのだと思うのです。

 舩井幸雄は、たった一言。
 「人は幸せになるために生まれてきた」と言いました。
 舩井も、きっと多くの試行錯誤や経験、思索を繰り返しながら、この1つの答えに行き着いたのだろうと思います。
 だから、私自身が、自信と確信をもって、そう言い切れるかというと、まだそうではありません。

 でも、ふとこう思ったのです。
 「こうしたい」「こうなりたい」「こうでありたい」という自分の「あり方」は、自分で決められます。高木先生が、先の引用部分でお伝えになりたかったのも、この「あり方」についてです。
 どうやら、「生きる意味」はこうした「あり方」を追求していく先に、見つけられるのかもしれません。
                         感謝

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舩井 勝仁 (ふない かつひと)
株式会社船井本社 代表取締役社長
1964年大阪府生まれ。1988年(株)船井総合研究所入社。1998年同社常務取締役 同社の金融部門やIT部門の子会社である船井キャピタル(株)、(株)船井情報システムズの代表取締役に就任し、コンサルティングの周辺分野の開拓に努める。
2008年「競争や策略やだましあいのない新しい社会を築く」という父・舩井幸雄の思いに共鳴し、(株)船井本社の社長に就任。「有意の人」の集合意識で「ミロクの世」を創る勉強会「にんげんクラブ」を中心に活動を続けた。(※「にんげんクラブ」の活動は2024年3月末に終了)
著書に『生き方の原理を変えよう』(2010年 徳間書店)、『未来から考える新しい生き方』(2011年 海竜社)、『舩井幸雄が一番伝えたかった事』(2013年きれい・ねっと)、『チェンジ・マネー』(はせくらみゆき共著 2014年 きれい・ねっと)、『いのちの革命』(柴田久美子共著 2014年 きれい・ねっと)、『SAKIGAKE 新時代の扉を開く』(佐野浩一共著 2014年 きれい・ねっと)、『聖なる約束』(赤塚高仁共著 2014年 きれい・ねっと)、『失速する世界経済と日本を襲う円安インフレ』(朝倉慶共著 2014年11月 ビジネス社)、『智徳主義【まろUP!】で《日本経済の底上げ》は可能』(竹田和平、小川雅弘共著 2015年 ヒカルランド)、『日月神示的な生き方 大調和の「ミロクの世」を創る』(中矢伸一共著 2016年 きれい・ねっと)、『聖なる約束3 黙示を観る旅』(赤塚高仁共著 2016年 きれい・ねっと)、『お金は5次元の生き物です!』(はせくらみゆき共著 2016年 ヒカルランド)がある。
佐野 浩一(さの こういち)
株式会社本物研究所 代表取締役社長
株式会社51コラボレーションズ 代表取締役会長
公益財団法人舩井幸雄記念館 代表理事
ライフカラーカウンセラー認定協会 代表
1964年大阪府生まれ。関西学院大学法学部政治学科卒業後、英語教師として13年間、兵庫県の私立中高一貫校に奉職。2001年、(株)船井本社の前身である(株)船井事務所に入社し、(株)船井総合研究所に出向。舩井幸雄の直轄プロジェクトチームである会長特命室に配属。舩井幸雄がルール化した「人づくり法」の直伝を受け、人づくり研修「人財塾」として体系化し、その主幹を務め、各業界で活躍する人財を輩出した。 2003年4月、(株)本物研究所を設立、代表取締役社長に就任。商品、技術、生き方、人財育成における「本物」を研究開発し、広く啓蒙・普及活動を行う。また、2008年にはライフカラーカウンセラー認定協会を立ち上げ、2012年、(株)51 Dreams' Companyを設立し、学生向けに「人財塾」を再構成し、「幸学館カレッジ」を開校。館長をつとめる。2013年9月に(株)船井メディアの取締役社長CEOに就任した。 講演者としては、経営、人材育成、マーケティング、幸せ論、子育て、メンタルなど、多岐にわたる分野をカバーする。
著書に、『あなたにとって一番の幸せに気づく幸感力』(ごま書房新社)、『ズバリ船井流 人を育てる 自分を育てる』(ナナ・コーポレート・コミュニケーション)、『私だけに教えてくれた船井幸雄のすべて』(成甲書房)、船井幸雄との共著『本物の法則』(ビジネス社)、『あなたの悩みを解決する魔法の杖』(総合法令出版)、『幸感力で「スイッチオン!」』(新日本文芸協会)がある。
数霊REIWA公式サイト 佐野浩一 本物研究所 本物研究所Next C nano(ネクストシーナノ) 成功塾説法 舩井幸雄動画プレゼント 高島康司先生の「日本と世界の経済、金融を大予測」 メールマガジン登録 舩井メールクラブ 佐野浩一note