トップが語る、「いま、伝えたいこと」
先週は、アメリカのFOMC(米連邦公開市場委員会)と日銀の金融政策決定会合がある週で、市場はその行方を見守る展開だったのですが、どちらも予想通りというか、それほどのインパクトなく比較的平穏無事に過ぎたように思います。実は、締め切りと出張の関係でこの原稿を金曜日の朝に書いていて、金融政策決定会合の結果や金曜日のマーケットの結果はわからずにいるのですが、直感的には無事に乗り越えたように感じます。ただ、日本の株式市場は調整気味でアメリカのハイテク株比率が高いナスダック市場が史上最高値を更新している流れに引きずられて上がる気配がありながらも結果は下がって終わるエネルギーが盛り上がってこない展開が続いています。
象徴は型式指定を受けるための性能試験で不正を行っていたことが判明した自動車会社で、日本の代表的な会社とも言えるトヨタの株価の低迷です。型式指定という制度そのものが時代遅れで、自動車メーカーの現場の本音で言えば、そんな無駄なことに時間を取られるよりもメーカー独自のはるかに厳しい品質基準をクリアしているのだから問題ないということが背景にあるようですが、何かと話題になる車検制度と同様、お役所仕事が民間の足を引っ張っている典型的な事例のような雰囲気も漂っています。ただ、逆に見ると自動車業界への新規参入の障壁になっていて自動車メーカーを守っている面もあり、そこに目をつぶって自動車会社に都合のいい側面だけを強調するのもどうかなという気もします。
具体的には、役所が何十年も前に決めた古い習慣に未だに縛られている日本の不透明性に嫌気がさした外国人投資家が久しぶりに3週間連続して日本株を売り越しているのが相場低迷の背景にあるようです。企業統治などはかなり改善され、ちょうど株主総会シーズンに突入してきてアクティビストというモノ言う株主からもかなり日本の上場会社のガバナンス(統治)姿勢については好評を得ているだけに思わぬところから足を引っ張ってくる原因が現れたというところかもしれません。不思議なのは、役所からこれに対する反省の弁が出てこないのがいかにも日本らしいということで、やっぱり明治からというか、もしかしたら平安時代から続く官僚制度の疲労を何とかしなければいけないというのが本質かもしれないという大きな問題点に突き当たるような気もしてきました。
どちらにしても、問題点が明らかになってきたことは悪いことではないので、今度はそれをしっかり直視して、そこから逃げずに改善をする方法を考えるという機運が盛り上がってくることを期待したいと思います。EV(電気自動車)化という流れも、そう一直線に進むわけではないということも何となくコンセンサスが取れてきたので、どちらかというと日本の自動車メーカーの強さが見直されるようになってきたタイミングだと思います。家電業界の競争力がなくなって残っている希望の星は自動車業界ぐらいだということを考えると、ここは官民協力して日本の自動車業界を強くするきっかけにしていただきたいと強く願っています。
今週取り上げる書籍は、櫻庭露樹、大石洋子著『神様に応援される人になる』(ビジネス社)です。神様に応援される、それが実現できれば、間違いなく最強の開運方法と言えるでしょう。本書はその方法を教えてくれる、という部分から始まります。神様云々が出てくると、難しい事を要求されるのではないかと若干身構えてしまいがちですが、読んでみるとその中身は非常にシンプルなものです。シンプルでわかりやすく物事の本質を伝えるのが得意な櫻庭大王の本なのだから当たり前かもしれませんが、シンプルな中にも箴言(しんげん)がちりばめられているのが大王本らしいと思います。
また、共著者が『思考のレッスン』(ビジネス社)というメチャクチャレベルの高い著書を表しておられる大石洋子先生なのですが、どちらかというと大王ペースで対談が進んでいるところが逆にさすがだと思わせてもらえます。大石先生の極めつけの箴言は、本書でもさらっと出てきますが、「潜在意識は主語が理解できない」ということだと思っています。人の悪口(大石先生の場合はご両親の悪口でした)を言っていると主語が理解できないので全部自分に返ってくるというシンプルな法則を理解することが生きやすくなるためのいま最も大事なポイントだと思います。シンプルだからこそ伝わりづらい真実をうまく伝える天才である大王が前面に出てくる意味がわかるとますます本書を読むのが楽しくなってきます。
最初に出てくるのが、感謝、肯定、笑顔、これが非常に重要であるというもの。これは確かに根拠もすぐに思いつきます。それらを向けられて不快な気持ちになる方は非常に少数でしょうし、人間関係を円滑に運ぶ為に大きな意味を持つのは間違い無いでしょう。最近、あえて挨拶をしない若者がインターネット上で話題になっていました。そのような生き方を持つ多様性の時代だからこそ、これらはさらに効果を持つでしょう。
自分に合った人間関係の構築、必要な事を継続して習慣とする。愚直な姿勢を持ち続ける。素直さや愛嬌を持って行動する。様々な内容が書かれていますが、まとめてしまえば神様に応援される人になるとは、人当たりを良く、人付き合いを円滑におこない、誰からも好かれる人間となる、この部分に尽きるのではないでしょうか。
また潜在意識の部分の改善の項もあり、そこも必要だと感じました。面だけ取り繕っても、裏側が歪んでいては完璧とは言えず、そこもしっかり正していく。自分を受け入れつつも、過程を踏んで正していく事で、より良い自分を築ける。当たり前と言われる事を、きちんと実践し、続けていく。その些細な積み重ねによって大きなもの、神様からの応援を得る事ができる。それを教えてくれる一冊でした。
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2024.06.17:【いま 一番知らせたいこと 、言いたいこと】神様に応援される人になる (※舩井勝仁執筆)
2024.06.10:【いま 一番知らせたいこと 、言いたいこと】「神様、ママを見つけたよ!」 (※佐野浩一執筆)
2024.06.03:【いま 一番知らせたいこと 、言いたいこと】宇宙(そら)の足跡 (※舩井勝仁執筆)
舩井 勝仁 (ふない かつひと)
株式会社船井本社 代表取締役社長 1964年大阪府生まれ。1988年(株)船井総合研究所入社。1998年同社常務取締役 同社の金融部門やIT部門の子会社である船井キャピタル(株)、(株)船井情報システムズの代表取締役に就任し、コンサルティングの周辺分野の開拓に努める。 2008年「競争や策略やだましあいのない新しい社会を築く」という父・舩井幸雄の思いに共鳴し、(株)船井本社の社長に就任。「有意の人」の集合意識で「ミロクの世」を創る勉強会「にんげんクラブ」を中心に活動を続けた。(※「にんげんクラブ」の活動は2024年3月末に終了) 著書に『生き方の原理を変えよう』(2010年 徳間書店)、『未来から考える新しい生き方』(2011年 海竜社)、『舩井幸雄が一番伝えたかった事』(2013年きれい・ねっと)、『チェンジ・マネー』(はせくらみゆき共著 2014年 きれい・ねっと)、『いのちの革命』(柴田久美子共著 2014年 きれい・ねっと)、『SAKIGAKE 新時代の扉を開く』(佐野浩一共著 2014年 きれい・ねっと)、『聖なる約束』(赤塚高仁共著 2014年 きれい・ねっと)、『失速する世界経済と日本を襲う円安インフレ』(朝倉慶共著 2014年11月 ビジネス社)、『智徳主義【まろUP!】で《日本経済の底上げ》は可能』(竹田和平、小川雅弘共著 2015年 ヒカルランド)、『日月神示的な生き方 大調和の「ミロクの世」を創る』(中矢伸一共著 2016年 きれい・ねっと)、『聖なる約束3 黙示を観る旅』(赤塚高仁共著 2016年 きれい・ねっと)、『お金は5次元の生き物です!』(はせくらみゆき共著 2016年 ヒカルランド)がある。 |
佐野 浩一(さの こういち) 株式会社本物研究所 代表取締役社長 株式会社51コラボレーションズ 代表取締役会長 公益財団法人舩井幸雄記念館 代表理事 ライフカラーカウンセラー認定協会 代表 1964年大阪府生まれ。関西学院大学法学部政治学科卒業後、英語教師として13年間、兵庫県の私立中高一貫校に奉職。2001年、(株)船井本社の前身である(株)船井事務所に入社し、(株)船井総合研究所に出向。舩井幸雄の直轄プロジェクトチームである会長特命室に配属。舩井幸雄がルール化した「人づくり法」の直伝を受け、人づくり研修「人財塾」として体系化し、その主幹を務め、各業界で活躍する人財を輩出した。 2003年4月、(株)本物研究所を設立、代表取締役社長に就任。商品、技術、生き方、人財育成における「本物」を研究開発し、広く啓蒙・普及活動を行う。また、2008年にはライフカラーカウンセラー認定協会を立ち上げ、2012年、(株)51 Dreams' Companyを設立し、学生向けに「人財塾」を再構成し、「幸学館カレッジ」を開校。館長をつとめる。2013年9月に(株)船井メディアの取締役社長CEOに就任した。 講演者としては、経営、人材育成、マーケティング、幸せ論、子育て、メンタルなど、多岐にわたる分野をカバーする。 著書に、『あなたにとって一番の幸せに気づく幸感力』(ごま書房新社)、『ズバリ船井流 人を育てる 自分を育てる』(ナナ・コーポレート・コミュニケーション)、『私だけに教えてくれた船井幸雄のすべて』(成甲書房)、船井幸雄との共著『本物の法則』(ビジネス社)、『あなたの悩みを解決する魔法の杖』(総合法令出版)、『幸感力で「スイッチオン!」』(新日本文芸協会)がある。 |