トップが語る、「いま、伝えたいこと」

このページでは、舩井幸雄の遺志を引き継ぐ舩井勝仁と佐野浩一が、“新舩井流”をめざし、皆様に「いま、伝えたいこと」を毎週交互に語っていきます。
毎週月曜日定期更新
2024年8月19日
舩井幸雄と道(タオ) (※佐野浩一執筆)

 老子の思想の中核は「道(TAO)」に集約されます。
 老子の説く「道」は、儒家の説く「道」とは、まったく異なるようです。
 儒家の示す「道」は、人間社会について言うもの。修養論としては、人が行うべき「道」、つまり倫理的規範を示すと考えられます。一方、政治論としては、為政者が拠るべき「道」、つまり政治的理念であるということになります。
 「人の道」「武士道」「人道主義」など、私たちが日本語でも使う「道」は、おおむね儒家の言う「道」と同じだと考えてよいと思います。
 一方、老子の「道」は、宇宙自然を指していて、万物を生成消滅させながら、生滅を超越した唯一普遍的な存在、つまり、宇宙自然のあらゆる現象の根底に潜んでいる原理、法則のこと。いわゆる、舩井幸雄的に言えば、それこそが「天地自然の理」ということになります。
 「老子」第一章に。 
「道の道(い)うべきは常の道に非ず。
名の名づくべきは常の名に非ず。」とあります。

 これが「道」であると言葉で表せる「道」は、永遠不変の「道」ではない。
 これが「名」であると名付けられる「名」は、永遠不変の「名」ではない。

 と訳されますが、正直、私にはまだよく理解できません。

「名無きは天地の始め、
名有るは万物の母なり。」

「名」が無いのが、天地の始めで、
「名」が有るのが、万物の母である。

「故に常無は以て其の妙を観んと欲し、
常有は以て其の徼(きょう)を観んと欲す。」

ゆえに、天地開闢前の「無」の状態では、「道」の霊妙な働きが観察され、
万物が生成される「有」の状態では、「道」の末梢的な現象が観察される。

「此の両者は同じく出でて名を異にす。
同じく之を玄と謂う。
玄の又玄、衆妙の門。

両者(「無」と「有」)は、出てくるところは同じで「名」が違う。
同じく「玄」と呼ぶ。
奥深く、また奥深いところ、そこが諸々の霊妙な働きが生まれる門だ。

「無」も「有」も同じである根源的な状態、
「無」が「無」、「有」が「有」と呼ばれる前の原始の状態、
それを「玄」と呼ぶ。

 「玄」のもともとの意味は、天の色なんだそうです。人間の色彩感覚を超越した、天空の果ての果て、奥の奥の色のことを指すようです。人知を超えた、言葉で表せない、暗く深遠なもの……。おそらく、ここで、老子は、宇宙の始まりを説いているのだと思います。

 「道TAO(タオ)」とは、古代中国の賢人達が長い年月をかけて自然を観察し、星の運行と人間の行動や健康、運命を観察して発見した宇宙に貫徹している原理原則。この「道TAO(タオ)」は、とうてい人間の手が届かない 大きな宇宙の法則です。
 そしてまた、人間の体も、宇宙の原則である「道TAO(タオ)」に支配された小宇宙と考えたようです。そして、その小宇宙の生命をつかさどり、動かしているエネルギーを「氣」と名づけたのです……。
 ですから、私たち人間も、体内の小宇宙が調和した状態で、無為自然に気が流れているのがもっとも健康で元気な状態であり、宇宙に生かされる一つの小さな存在として、この「道TAO(タオ)」に添って生かされることが、最も幸せで快適で健康な生き方であると気付いたのでした。    
 この「道TAO(タオ)」に添って生かされるという、「無為自然」の生き方を、タオイズムと呼ぶのですね……。そして、この宇宙に存在するものは、人間だけでなく、すべての生命もまた存在も、「道TAO(タオ)」の宇宙の原理原則に添って生かされているのです。
 天災だけでなく、私たちのまわりにあるすべての現象、人間がつくりあげた社会現象ですらも……、そして、人間関係や、経済活動、国と国の関係をも宇宙的な立場に立って見れば、「道TAO(タオ)」の原理原則から逸脱することはできないということのようです。
 よって、老子は、人間も宇宙の一部、天地自然の一部としてこの世に生み出されたものであると考えます。人間もその自然の一部であると考えたのです。
 なんだか、もう完全に舩井幸雄の生き方哲学をも、この「「道TAO(タオ)」そのものだなって、感じ入ってしまうのですが、いかがでしょうか?
 舩井幸雄は、だれにもわかりやすく、「あるがまま、なるがまま」と伝えました。これこそが、「無為自然」。何もしないのではなく、精一杯の努力をし、あとは天地自然の宇宙の原理や変化をそのまま受け入れよう……。舩井は、もしかしたらこういう文脈で伝えたかったのかもしれないと思ったりします。
 私たちのこの小さな命を、無為自然の宇宙に委ねて生きる……。そして、この宇宙に命をいただいているということを、もっと大切に日々を楽しく精一杯過ごすこと、そして、心も体も自然なありのままの状態に戻してあげることで、はじめて私たち人間は、明るく、楽しく、前向きに、とらわれのない 無為自然な生き方=「道(TAO)」に到達することができるのだと……。ここに、村上和雄先生に示唆を受けたとされる「サムシンググレート」の存在を感じざるを得ません。
 「老子」には、人は作為のない状態、ありのままでいるのが良いと書かれています。
その代表的な一節が、「老子」第十九章にあります。

「素を見(あらわ)にし 樸(ぼく)を抱き
私を少なくし、欲を寡(すくな)からしむ」

自然のままにいて、
木なら原木のままを大切にし
自分が自分がという我執をなくして、
欲を持ちすぎないことだと……。

 そう……、「ありのまま」 ということですね。
 素朴こそが、「無為自然」。つまり何かに執着した生き方、人より上になりたいという思い……、自分だけ金を儲けようとか、利益だけを追求するような生き方じゃない……。  
 地位があがることだけにあくせくするような生き方、有名になることだけを考える生き方は無為自然じゃない……というのです。
 舩井幸雄は、あれだけ有名で実力者になっても、名誉欲などは一切持たないと言い切りました。名刺だって、晩年は、役職などを一切外した「舩井幸雄」とだけ書かれたものを使っていました。なにかに対する執着やこだわりも本当になかったように、身近で感じていました。
 自分本来の生き方を大切に、素朴であることを大事にして、作為や、計算や見栄などを手放して無為自然になり、本来のありのままで生きればすばらしい生き方ができる……。
そう示したかったのだと思います。
 これこそが「道(TAO)」の生き方、「無為自然」の姿勢ということなんですね。
 
 一方で、舩井幸雄は、「直感力」を身につけたほうが良いとも、よく話していました。  
 「直感」と言えば、なんとなく「思いつき」や「瞬時に降りてくる判断」のような感覚でとらえていて、イメージは「頭の上」からくるもののように感じていました。
 舩井は、私のような凡人からすると、なかなか体系的に伝えてくれないところがあったので(*本人は、論理的、体系的に伝えている……と申しておりましたが)、バラバラに伝えてくれることを、なにかのきっかけで統合したり、関連させたりしながら、理解を深めていかざるを得ないことがたくさんありました。
 ただ、いま「道(TAO)」を少しずつ学んでいく中で、ある面白いことにまた気づいたのです。それは、舩井がよく伝えていた「丹田」や「氣」に関してなんです。なぜ、「頭」ではなく「腹」のことを伝えたのか……。一つの私なりの結論を述べると、それは、「直感力」の発露に深い関係があるかもしれない……ということです。
 「腹脳」という言葉を知りました。腹で考えるということです。乱暴かもしれませんが、「直感力」は頭の上から来るんじゃなくて、「腹」に“すでにあった”のだと……。
「腹脳」が導く道は、人から見て、どんなに苦難なことであっても、腹脳に導かれているときは、苦難なんて思わない……。気づいたら、ただそこに居る……という感じ。自分の力ではない、なにか大きなものに動かされているような生き方、とらえ方です。まさに、サムシンググレートとなんとなく一体化しているような感覚なのかと想像します。
 昔、アクションスターのブルース・リーが伝えた名文句、「考えるな、感じろ」というのがありました。まさに、この感覚なのかなって思います。
 何か判断に迷ったときに、頭で物事を考えて 意識的に行うことをやめて、本当に自分が進みたい道を選択すること。人間はもちろん自然に頭で考えてしまうものですが、それをできるだけ「腹脳」での思考や行動に変えていくというのが「直感」?
 本当に「無為自然」に生きるということは、「腹脳」で考え(感じて)、「腹脳」の導く答えに添って進んでいくことなのかもしれないということなのです。自力で生きるというより、宇宙のパワーに生かされている……という感覚なのでしょうか?
 それはきっと、本来の自分自身の道を歩むことであって、あるがまま、なるがままに生きることにもつながっていくということなのでしょうね。

 とりとめのない雑感となりました。
 では、ごきげんよう。
                         感謝

バックナンバー
2024.08.26:【いま 一番知らせたいこと 、言いたいこと】素晴らしき精神世界 (※舩井勝仁執筆)
2024.08.19:【いま 一番知らせたいこと 、言いたいこと】舩井幸雄と道(タオ) (※佐野浩一執筆)
2024.08.12:【いま 一番知らせたいこと 、言いたいこと】人間の強みを活かす (※舩井勝仁執筆)
2024.08.05:【いま 一番知らせたいこと 、言いたいこと】ピンチはチャンス (※佐野浩一執筆)
舩井 勝仁 (ふない かつひと)
株式会社船井本社 代表取締役社長
1964年大阪府生まれ。1988年(株)船井総合研究所入社。1998年同社常務取締役 同社の金融部門やIT部門の子会社である船井キャピタル(株)、(株)船井情報システムズの代表取締役に就任し、コンサルティングの周辺分野の開拓に努める。
2008年「競争や策略やだましあいのない新しい社会を築く」という父・舩井幸雄の思いに共鳴し、(株)船井本社の社長に就任。「有意の人」の集合意識で「ミロクの世」を創る勉強会「にんげんクラブ」を中心に活動を続けた。(※「にんげんクラブ」の活動は2024年3月末に終了)
著書に『生き方の原理を変えよう』(2010年 徳間書店)、『未来から考える新しい生き方』(2011年 海竜社)、『舩井幸雄が一番伝えたかった事』(2013年きれい・ねっと)、『チェンジ・マネー』(はせくらみゆき共著 2014年 きれい・ねっと)、『いのちの革命』(柴田久美子共著 2014年 きれい・ねっと)、『SAKIGAKE 新時代の扉を開く』(佐野浩一共著 2014年 きれい・ねっと)、『聖なる約束』(赤塚高仁共著 2014年 きれい・ねっと)、『失速する世界経済と日本を襲う円安インフレ』(朝倉慶共著 2014年11月 ビジネス社)、『智徳主義【まろUP!】で《日本経済の底上げ》は可能』(竹田和平、小川雅弘共著 2015年 ヒカルランド)、『日月神示的な生き方 大調和の「ミロクの世」を創る』(中矢伸一共著 2016年 きれい・ねっと)、『聖なる約束3 黙示を観る旅』(赤塚高仁共著 2016年 きれい・ねっと)、『お金は5次元の生き物です!』(はせくらみゆき共著 2016年 ヒカルランド)がある。
佐野 浩一(さの こういち)
株式会社本物研究所 代表取締役会長
ライフカラーカウンセラー認定協会 代表
公益財団法人舩井幸雄記念館 代表理事
あたみ・パンダの森ほいくえん 学園長
株式会社ヴォイス 代表取締役会長 他
1964年8月5日、大阪生まれ。大阪府立北野高等学校、関西学院大学法学部政治学科卒業。
大学卒業後13年間、私立中高一貫教育校の英語科教員として従事。2001年4月、株式会社船井総合研究所に入社。舩井幸雄より「人づくり法」の直伝を受け、企業幹部向け研修「人財塾」として体系化、その主幹を務め、経営者向け、社内研修向けに150回以上の講演、研修を実施した。2003年4月、株式会社本物研究所を創設し、代表取締役社長(現在会長)に就任。商品の「本物」、技術の「本物」、生き方、人づくりの「本物」を研究、開発し、広く啓もう、普及活動を行う。また、2008年にライフカラーカウンセラー認定協会を、2012 年5月には株式会社51 Dreams’Companyを、2015年9月に株式会社51コラボレーションズを設立。(2023年本物研究所と合併)さらに、2015年1月、舩井幸雄の思想、哲学を世に広めるために、公益財団法人舩井幸雄記念館を設立し、代表理事となる。2021年2月には、株式会社51メディカルを創業。そして、2022年11月、小規模保育事業B型として、「あたみ・パンダの森ほいくえん」を設立。学園長に就任。
2026年6月にヴォイスグループ5社を経営統合し、代表取締役会長に就任。現在に至る。
著書に、『あなたにとって一番の幸せに気づく 幸感力』(ごま書房新社)、『ズバリ船井流 人を育てる自分を育てる』(ナナ・コーポレート・コミュニケーション)、『私だけに教えてくれた 船井幸雄のすべて』(成甲書房)、『本物の法則』(ビジネス社)※船井幸雄との共著、『あなたの悩みを解決する魔法の杖』(総合法令出版)、『幸感力で「スイッチオン!」』(新日本文芸協会)、『SAKIGAKE 新時代の扉を開く』(きれい・ねっと)※舩井勝仁との共著、『幸せになる働き方の法則』(創藝社)、『舩井幸雄の魂が今語りかけてきたこと』(ヒカルランド)※矢山利彦氏、舩井勝仁氏との共著がある。
講演は、年間講演、研修多数。会社経営、学校経営、幹部育成、健康、食育、カウンセリング、話し方など、幅広いテーマで多数の講演を行っている。
健康の超プロ4名が語った「じぶんでつくる健康未来図」の動画をプレゼント 数霊REIWA公式サイト 佐野浩一 本物研究所 本物研究所Next C nano(ネクストシーナノ) 成功塾説法 舩井幸雄動画プレゼント 高島康司先生の「日本と世界の経済、金融を大予測」 メールマガジン登録 舩井メールクラブ 佐野浩一note